【短編小説】 夢から夢 ~ 私のドッペルゲンガー ~
父が急死する、すこし前のことだった。
深夜に起きて、トイレへ行き、照明のスイッチを押してからドアを開けると、なかに父が座っていた。
「おめ、なにするん!」と大声で言われて私は「あ。あ。ごめん」と言ってドアを閉めた。
驚いた父の激しい剣幕に、こんな夜中に明かりもつけず、鍵もかけずにトイレにいれば、開けられてもしょうがないだろうと少々、腹立たしかったのを覚えている。そして、足踏みをしながらドアの前で2、3分待っていると、私の後ろの廊下から足音が聞こえてきた。
ふりむくとそこには父