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だからさ、差し入れをする権利がリターンなのはおかしいでしょうよ

ちょっと前、といってもかれこれ10ヶ月ほど前のことになるけれど、今後よほどのことがない限りプペルや西野さんのオンラインサロンなどについて触れることはないと宣言していた。

だとしても今回はさすがに自分の中で整理することが難しいことを目にしたのでちょっと書くことにした。

どう書いても「また長押しがアンチしてる」と当事者たちからは言われるでしょうし、もうアンチでいいです。そもそも同じ土俵に立っているつもりでもないし、少なくとも自分は間違っていないと今は胸を張って言えるから。

ことの顛末は以前書いた記事で取り上げている元同級生が、ついに自分たちでチームアップして今度の11月末にプペルトラックなるものを開催することを知ったところから始まる。

それらの記事を未読の方はこの2本を読んでもらえたらざっくり把握できると思いますが、読まなくてもある程度理解できるように今回の記事は書くつもりです。

ここから飛べます。

読んでもらえた方も、読まなかった方も、ここからが今回の本題です。

クラウドファンディングで働く権利だとか差し入れをする権利をリターンにすることってどうなの?という話。

どうなの?と疑問系で書いているけど実際は「おかしいやろ」が本来使いたかった言い方になるかもしれない。

とりあえずこのクラファンのページをご覧ください。記事での説明はある程度割愛しますが、11月に行われるイベントの支援を募るクラファンです。

今回の企画をするにあたって、山口リーダーは予算である100万円をゴールとし、仮にそれが達成されなくても実行するらしい。

そして、予算の100万円の内訳がこちらになる。(原文ママ)

▼予算
プペルトラックレンタル費 25万
会場設営費
音響使用費
場所使用料
コロナ対策費用
打ち上げ費用
スタッフ当日の飲食代
広報 チラシ代 
クラファン手数料     計75万
25万+75万=100万
目標金額を超えた場合は次回のイベント政策に充てさせていただきます。

そしてこれらに支援をするプランがこちら。(要約)

・ただただ支援権(¥1000)
支援者へお礼のメール
・『光る絵本展in京都』スタッフ権(¥3000)
2日間メンバーと一緒にスタッフとして絵本展を作ることができる権利
・ポスターに名前を掲載できる権(¥10000)
光る絵本展in京都のポスターに名前を掲載する権利
・飲み物をプレゼントできる権(¥20000)
運営スタッフに飲み物を支援することができる権利
・お弁当をプレゼントできる権(¥50000)
運営スタッフにお弁当を支援することができる権利
・『光る絵本展in京都』スポンサー権(¥100000)
絵本展当日に会場入り口にパネルを作って名前を掲載する権利

これに対して自分がおかしいと考えるのは異常なのか、それとも正常なのか。正直今は分からなくなっている。

クラファンでスタッフとして働く権利をリターンにする意味が分からないし、3000円を払って働くのか。ワークショップ参加としてならわかるけど単純に労働者として働かせてお金を取るってどういうこと?みたいなポイントから、どうしてリターンとして差し入れをする権利を提供されるのか?みたいなところまで色々と不可解なことがありすぎた。

そういえばトラック誘致費用の25万は運営メンバーたちが既に支払っているらしいけど、それを書かずに予算として25万を含んでクラファンで賄うのはどうなのだろうかとすら勘繰ってしまう。

いやその、差し入れをする権利ってなんですか?

きっと西野さんやプペルからは支援者に対して感謝だったり物品だったりのリターンではなく差し入れをする権利を提供するよう教えられているのでしょう。

以前山口リーダーから話を聞いた際に言われたことは今でも覚えている。(気になる方はほぼ逐語録を載せている記事があるのでさっきリンクを張っている『信者に話を聞いてみた』をご覧ください)

今は一方通行のエンタメよりも、その瞬間や過程を客やスタッフで共有することが重要視されているらしい。

プロセスエコノミー、文化祭的なそれを意識しているのかもしれないけれど、現時点におけるこのクラファン企画では創造的価値の共有などの観点では新時代的かもしれない一方で支援者と支援を求める人間の間に金銭的価値しか望まれていないように感じた。

もうこの3000円を支払わせてスタッフとして「楽しませる」コストについては目を瞑るとして、何なんだ差し入れをする権利って。おこがましさすら感じてしまう。そしてその飲み物を差し入れする権利を買っている人間がいることに恐怖を覚えた。

かつてのクラファンであったはずの存在であるカンパの方がまだ聞こえがいいし、これが株の前身と言い張るのであればそれで結構。

今は信用を売る、あるいは広げるタイミングであって、このイベントが成功した暁にはきっと自分のことをさらに支援してくれる人がたくさん現れる。そんな未来予想図を山口リーダーは笑いながら話してくれた。

そうであったとしても、体験とか経験を買う時代にシフトしているとしても、そこに需要があるのならそれはお金の奴隷からの脱却といえるのか?そんな疑問を今は思っている。

売っているのは信用であり、今買っているのは手段であるのだとすれば、そのスタッフをする瞬間に何を見出せると思っているのか?

ここで3000円支払って働けばいいのではないか?とかも考えたけれど、きっとこういった考えを腹にしまっている自分は当日もきっと彼らを不快にさせてしまうかもしれない。

もちろん仮に働くのであればそれなりにきっちり働かせてもらうつもりだ。

何よりも、マイナス有償労働なんて響きを体験できるなんてこの先無いだろうし。

結局どこまでここで書いていても、それは間違いなく外野のそれでしかないし、お前も同じようにやってみろと言われたら「無理です」としか返せない。

やりたいかやりたくないかは置いておいて、これだけの規模のイベントを最初からフォーマットはあるにしても企画をして理解者を探して資金を集めて発起人をしている山口リーダーやそのメンバーは本当にすごい。

そうであったとしても、この活動を見ている今やアンチと言われているかもしれない元同級生として、そして同年代の学生としてはこのクラファンは絶対におかしいと言えてしまうことが本当に心苦しい。

一瞬でもこの前話を聞いたし自分もちょっとは支援をさせてもらおうと思ってリンクを見たのが運の尽きだった。

少し感情論になってしまったようなのでここで整理しよう。

不可解かつ理解が追いつかないポイント

・支援をした人間が当日スタッフとして働くことの正当性について

・クラファンにおける支援をしなければ差し入れもできないこと

・これまでは信用が(金銭も含む)支援として成立していたとしていたのにいつの間にか金銭的援助ありきの信頼関係の図式が構築されていること

の3つが腑に落ちていないことだろう。

少なくとも自分の周りでは西野さんに感化されている人やホリエモンさんに影響されて多働力に生きている人は見当たらないし、実際にここまでの行動をする人はいない。

ひろゆきさんに憧れてやたらと根拠やデータを求めてくる論破好きはたまにいるけれど、そこまで害は無い。

しかし、ここで仮にボランティアスタッフ(マイナス有償労働)の価値観などが提唱されそれが拡散されるとどうなるか。

やりがいだけを報酬にされる搾取が始まるだろう。

権利を売り捌いている時点でそれは資本主義なのか

仮に今回の差し入れの権利について、権利を売り渡しているのだとするのならそれは権利ではなく傲慢であり、物資などを支援しようとしていた人を蔑ろにしているのではないか。

少なくとも当日にこっそりお茶でも箱で持っていって帰ろうと思っていた自分にとってはどこか突き放された気がしてならない。

善意によって成立していた関係をスコア化し、さらに金銭的スコアに換算していることがかれらの師である西野さんの考える新世界であるのなら、そんなものはどう取り繕うと資本主義からの脱退でありモラルのない世界だろう。

戦時中や天災に見舞われた地域では貨幣制度が機能せず、物品の価値やそれまでの信用スコアやその人そのものにおける利用価値によって物品が取引されていたそうだ。

資本主義からの脱退を解放とするのであればそれで結構。自分はその世界では息ができないらしい。

何よりもメンバーの中にいる人の1人を本当に格好いいと思っていたのにこんなことになっていたことのギャップに自分で勝手にショックを受け、勝手に失望してしまったことが今回の記事を書くきっかけだったのかもしれない。

「好きか嫌いか」と「良いか悪いか」を混同するのはフェアではないし、ちょっと前だって「not for me」の考え方について考えていた。

それができていないのは、それだけ自分が未熟な証拠なのだろう。

彼らの成功を祈っているし、これが妨害工作だなんだと言われるのであれば今度こそ話を聞いてみたい。少なくともこれは価値観に対する問題提起であり、決して攻撃ではない。

仮にこの記事を公開して自分に対してメンバーの方などから意見をもらえた場合はそれも含めて進捗を書かせてもらいます。

最後にもう一度彼らのリンクを貼っておきます。

是非、是非支援してあげてください。

もう面白半分でもいいんです。

彼らが成功すればそれでもういいんです。

彼らが余剰支援金で打ち上げを派手にできるくらい、しこたま支援してあげてください。

よろしくお願いします。

怨念のような記事になってしまったかもしれない。

それでも書きたいことはなんとなく書けたはず。

そんなわけで今日の記事はギリギリだけどここまで。

ではまた明日、おやすみなさい。

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