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推しの概念に抱かれました。

さて、届きました。ヒプノシスマイクファンクラブ会員限定通販の受注生産品、キャラクターイメージオードトワレ。今回はその開封と感想の記事になります。

購入締め切りが迫っていた1月初旬、本当は全員分買おうとしたのを泣く泣く引き留まり、一番好きなディビジョン(グループ)であるシンジュクディビジョンの3人のオードトワレを購入しました。

それから数ヶ月、待ちに待って今日、届いたんです。「オードトワレ」が。

オードトワレとはなんぞや?という話ですけど、ざっくり言えば香水です。香水。

早速ね、試してみました。

まずは自分にとっての最推し、観音坂独歩をイメージした香水。

その名も「TRANSPARENT FORCE」

日本語にすれば、「透き通る力」としよう。

ちなみにこの観音坂独歩、シンジュクのブラック企業の医療機器メーカーで働いている人です。ネガティヴ思考気味な生活をしているけれど、いざとなるとキレ散らかす、そんな不安定さを持つキャラクターです。

ほーん…?見えない力とな?

早速嗅いでみましょうじゃないの。そう思いながら左手首にシュッとひと吹き。

……いるわ。いるんよ。観音坂独歩がそこにいるんですわ。

舞台はオフィス、デスクワークをしていて、おそらく休憩にでも行ったんでしょう。椅子から立ち上がって離れた同僚の観音坂の香りがふわりと風に乗ってやってきたのです。

公式の説明にあった控えめな甘さとナチュラルな色気、言葉が香りという情報を補われながら脳内で弾けていく。

これが…嗅覚の本来想定されている使われ方なのか…そんな気持ちで既に心は上気していながらも、次に開封の儀をする余裕は無くなりつつあった。

気を取り直して次、伊奘冉一二三(読:いざなみ ひふみ)の香水。

その名も「SCRET MEETING」

日本語にすると、「秘密の出会い」とでもしましょうか。

シンジュクでトップに立つホストである彼による秘密の出会いを思わせる香り、嗅いでやろうじゃねぇの!意気揚々と右手に吹き付けました。

本に埋もれた我がマイルーム、シティホテルの一室に変わってました。

今から自分は抱かれる。そう考えてしまうほどの色気が脳に叩きつけられる。

必死に頭を振りその邪念を消し去ろうとするも、ねっとりと大脳新皮質にかけて「伊奘冉一二三」が駆け巡る。イケナイことをしてしまうも、その罪悪感までもを抱きしめられてしまうかのような感覚。

公式の説明にあった、爽やかさと甘さと落ち着き。その言葉が渾然一体となって駆け抜けて行きました。

この時点でもうちょっと性的自認が男性である自分は、いつの間にかその体に愛を宿しているかと勘違いしてしまうこの色気のこもったいい匂いのする水に脳幹まで支配されつつあったのですが、あと一つとんでもない「劇物」を抱えていたのです。

そう、シンジュクディビジョンのリーダーであり医者の長身で温和、そして白衣の中に最強の色気をもつ男、「神宮寺寂雷」の香水が残っているのです。

さて、1月から常にわたくし長押し、この香水が届いたらやろうと思っていたことがあったのです。

それは、「自前の白衣に寂雷の香水を噴霧して、『実質神宮寺寂雷』を練成すること」です。

変態度が高いこの発想、妹はノリノリで協力をしてくれました。やっぱりね、持つべきものは理解のある妹なんです。

材料はこちら

・白衣
・神宮寺寂雷イメージ香水「TEARS OF THE CITY」
・抱き枕

以上です。

白衣は高校の頃に使っていた実験用白衣、抱き枕は昔誕生日プレゼントにもらった快眠用抱き枕を使いました。無ければ白衣だけ適当に買って適当な人間に着せてください。

さて、白衣に香水を数回噴霧、そして抱き枕に着用させる。

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その狂った状況を妹と一緒に爆笑しながら過ごしました。

そして良い匂いがする白衣に包まれた抱き枕を、文字通り、そして抱き枕の本来の使われ方でありながらもどこか間違えている、「抱き」枕を抱きしめまし、いや、抱かれました。

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あぁ……俺はいま、いや、わたしはいま、彼に抱かれている。性的なそれではなく、包容力という概念であるそれに、全身が包まれている。そう感じるほどの優しさ。

色気は限度を超えると優しさへと変わるのです。

齢19にしてそれを知ることができた。それだけで、もうこの香水の意義は満たされました。

公式の説明文には甘さと温かみ、重く落ち着きのあるフローラルな香り。

きっとこのフローラルは彼岸に咲く花の香りなのでしょう。

もし私が近いうちに何か不慮の事故とかで死ぬことがあれば、誰でもいい。

この3種類の香水を棺桶と自分にかけてから火葬してくれ。いいな?

アルコールだしなおさら早く燃えてくれるでしょう。

そして今、とても、とても後悔していることが一つ。

どうして他のキャラクターの香水を買わなかったのだ、自分よ。

濃厚なハニーから華やかなジャスミンへ変化する推しの香り、そんなもの、どうあがいても間違いないんですよ。

あぁ、公式よ、頼む。頼むから再販してくれ。ダースで買うから。

むしろ、逆なのかもしれない。

自分はこの香りを知ってしまったのかもしれない。

香りと記憶は密接に関係している。昔関わった人の香りがどこかですれば、その人のことを思い出さないだろうか?

畳の匂い、染み付いた線香の香り、本のインク……「存在しない実家の香り」は現れないか?

そう、香りは脳に深く刻まれる。

最後のkissは煙草のflavorがしたとされるように、刺激的な記憶は、香りと共にやってくるのだ。

特定の香りによって特定の記憶が呼び起こされることを、心理学では「プルースト効果」と読んでいる。フランスのマルセル・プルーストという作家の書いた『失われた時を求めて』という本が由来になっているのでよかったらぜひどうぞ。

そんな香りも、最初に手首に振りかけてからおよそ2時間。良い感じにミドルノート、そしてラストノートへと進んできました。

普段使うことがない香水の香りだからか、いつもよりも鋭く頭に刺さっている気がしている。

そんなこんなで今回は限界ヲタクによるイメージ香水のレビューでした。

女性向けコンテンツから出る香水の方が男性向きな気がしているのは自分だけだろうか。ほら、女性向けのソシャゲに登場する男性キャラクターのきている服を着れば間違いない。的な。

フォロワーが増えるのか、それとも減るのか。結果はすぐにわかることでしょう。

ではまた明日。

明日は今日書く予定、というよりも今日既に少し書いていた記事を投稿しようかと思っています。

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