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ゴーストへ

彼にダイヤモンドをあげた。

透明なキラキラしたダイヤモンドをあげた。

彼は喜んで受け取ろうとしたけれど、掴めなかった。

彼の手が私に触れることはもう二度とないのだろう。

死んだことに気がつかないのは彼であった。

そうやって今日も二階の廊下をギイギイと言わせながら、彼は歩く。

階下の私の涙に響く。

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