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vol.11 【ホウレンソウ無しの親】押し掛けて情報を得るべし

「お母さん、コロナワクチン受けたほうがいいか、今日お医者さんに聞くんでしょ?」
父の定期検診に、どうにか仕事を片付けて付き添う私。ワクチンのことまで気づ苦なんて、親孝行じゃないか。しかし、母・ブンブンは
「そんなのもうとっくに受けたよ。お母さんもお父さんも、近所の○○整骨院でさ。あそこへは、お父さんがしょっちゅうリハビリで通っていたんだから」

えっ、なんだ。そういうの報告してよ! その整骨院が主治医なのも知らなかったし、リハビリ行ってたのも初耳。細かい連絡は苦手な両親なのでしょうがないけど、もう!

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どうも、実家の老老介護を、遠距離でドキドキ見守るマアちゃんです。

今日はペエくんの定期検診。情報を得るべし、と勇んで病院に押し掛けました。病院さんや包括さんからも、「お母様ご高齢ですし、適宜、いろいろ付き添った方が良いですよ」と言われており。
さて、病院でペエくんを見つけると、「ああ、来たの。ほらあれ、七夕飾りがあるね。ついこの間は鯉のぼりだったのにねえ」と。
こういうエピソードのある記憶はよく覚えているのかな。年齢や数字の話題には弱いのですが。

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親、ドクターと話すのが難しかったら、訪問看護さんに話しておくと◎


こちらが話し合えてないのを外に求めて申し訳ないのですが…、結論、すごく助けていただけてありがたかったです。頼れる関係性でしたら、頼ってみていいのかも。

この日も、気になっていることが訪問看護さんからドクターに伝えてくれていてスムーズでした。
「市販の漢方薬で便通が良くなっていると報告を受けています。それでいいですよ」

今後どうするか、話ができていないのも伝わっていて「娘さんから僕に聞きたいことがあれば、残ってもいいですよ」と、私だけ診察室に残るように促してくださいました。

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「今後どうするかですが、今の時点でお母さんに話しても、頭に入らないかもしれない。まだこの状況を受け入れられない感じですよね。娘さんとしては先のことちょっと決めておきたいでしょうし、僕も分かるとよりサポートできるように思いますが。今後はここへ入院でも、近くの施設で過ごすのでも、また状況が変わったときに話されたらどうかと。それとも今ここへお母様だけ呼んで、僕から話してみることもできますが、どうしましょうか?」

今話しても、ブンブンを混乱させてしまう。

「いえ。今でなくて良いです。ありがとうございます。おっしゃるとおり、様子が変わったときに話してみるしかないかなと感じます」

そうか。よくあることなんだ、きっと。ドクターの口調は、何度も繰り返してきた話し方だった。家族にとっては一世一代の巨大な事件。でも、医療従事者にとっては、しょっちゅうあること、という事実に衝撃を受けながら、診察室を出ました。

あっ、前回ドクターがイライラしていてこちらは困っちゃったから、罪滅ぼしのつもりもあったのかなあ。ドクターも人間だもの。

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5回目を超えると、親も押し掛けに慣れる

さて、待合室に戻りました。ブンブンはもう「マアちゃんのすることに目クジラ立ててもしょうがない」と思ったのか、何にも言わず。お仕掛けを続けたおかげかな。

病院帰り、調剤薬局に寄ってペエくんの薬を取りに行ったブンブン。「マアちゃんは車の中で待っていなよ、いいから」と言うので甘えると、薬と一緒に、高級な桃をぶらさげて戻ってきました。えーっ、私へのねぎらいだよね。

家に戻り3人でかぶり付くと、腕まで甘い汁がしたたり、もう大変。おいしくて黙々とかぶりつき、おかしな光景に親子で大笑いしてしまいました。

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このあと。器を洗って片付けようとすると、あれっ。食器棚にたくさんあった器が整理されてスカスカに。そうか、たまに整理してるんだ。身を軽くしてるのかな。

やはり生で見るのが大事だと思いました。コミュニケーションが密な関係の場合も、家を見たり生で病院へ行くと、親の意外な気持ちに気づくかもしれないです(ロケハンを省いてはダメなのと一緒かも…)。

実家を出て帰り道、電車が来るまで時間があったので、ウチの子が小さいころ、里帰りの度に寄っていた商業施設を覗きました。すると、ペエくんの思い出が押し寄せてきて。

孫を乗せてカートを押していた姿、おませなイヤリングをねだられ、慣れない様子で買ってあげていた様子。

私は目がすぐ洪水になっちゃうので、こういうのダメなのです。今同じ立場の方ですぐブワッと思い出す方は、立ち寄り要注意かもしれません。


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