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俳句、短詩

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自分の俳句作品や、鑑賞、思いなど気ままにまとめています。また、短歌などの短詩形作品などについても触れています。
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2023年8月の記事一覧

2023年秋「俳句入門」募集スタート!(川崎市生涯学習財団☆キラリ文化教室) 

2023年秋「俳句入門」募集スタート!(川崎市生涯学習財団☆キラリ文化教室) 

【2023/9/23追記:こちらは募集終了しました。お陰さまで定員以上のお申込を頂き、無事開講のはこびとなりました。感謝申し上げます。】

三年目となる本講座。
おかげさまで今秋も「俳句入門」開講のはこびとなりました☆
(皆さま、どうもありがとうございます)
つきましては現在、参加者・募集中!
対象は初心者や未経験者の方ですが、経験者の方も大歓迎です。
この機会に俳句の世界を体験してみませんか?

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【俳句20句】ほたるぶくろ~劇場版「夏目友人帳 うつせみに結ぶ」に寄せて

【俳句20句】ほたるぶくろ~劇場版「夏目友人帳 うつせみに結ぶ」に寄せて

ほたるぶくろ柏柳明子

「名を返そう」記憶涼しく揺らめいて
片蔭にふはり気弱な妖(あやかし)よ
さるすべり溢れ知らない祖母のこと
夏座蒲団どこ吹く風の用心棒
滝壺へ運命落つる迅さかな
高貴な妖サイダーを所望する
朝焼に禁断の実のまるまると
三体に分かれ先生の炎昼
猫追へばアリスのごとし夏夕べ
「君は誰」短夜を目覚めてひとり
自転車の苦手な息子雲の峰
告白の低く始まるねむの花
母と子のほたるぶくろ

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客観的視点が生む言葉の距離と味わい:岡田由季句集『中くらゐの町』

客観的視点が生む言葉の距離と味わい:岡田由季句集『中くらゐの町』

中くらゐの町の大きな秋祭

街と町。同じ「まち」でもこの二つは違うと思う。
大雑把にいうと、街は都会のイメージ、町は都会以外のイメージ。
表題句の町は「中くらゐ」とある。
いろいろな意味で全体的に中位なんだろう、規模や人口も交通も利便性も。
もしかすると、普段は取り立てて個性が無い場所なのかもしれない。
その町が秋、大きな祭を開催する。年に一度のハレの行事。
中位の町がにわかに大きく見えるような、

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異界への招待状:俳句誌『LOTUS』第51号

異界への招待状:俳句誌『LOTUS』第51号

クラクラするほどの痛いほどの今夏の太陽。
八月になって、通りは急にふっと音の存在を忘れたかのように静かになる瞬間が。そんなある日、届いた一冊。

文章はこれから読むところだが、俳句作品が面白い。
ぽっかりと落ちてきた言葉たちが白昼夢のように私の心を揺らす。

【特別作品】2作より一句ずつ。

遠泳の
 潮粘りだす
  鳥影  奥山人

一行ずつアタマ落としで書かれた言葉が三行に分かれて、ページの中

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