祖父が入院する月末【#熟成下書き】

途中まで書いて寝かせておいた
#熟成下書き を公開します。

祖父が入院する月末【#熟成下書き】

こんばんは。

深夜がんばり隊。

2月も何事もなく、終わらなかった。

昨日になって祖父が体調を崩して入院と。

2月28日、月末もいいところだ。

まさか今だと思わなかった。

私個人でいえば、昨年の秋。

祖母の一連が終わったところで
緊張の糸が切れたのか、
メンタル不調が続いていた。

私のメンタル不調は言ってしまえば
15年ほど続いているから、
大きく揺らぐことはない。

それでも、
昨年から起き上がれない日が増えて、
年明けから更に悪くなったように思う。

それもあって2月は捨てることにしていた。

そんなタイミングで
ライター友達と話す機会があって、
なんとか気を取り直して、
気合いを入れ直した矢先に！

「おじいちゃん、今かー…」

口には出さなかったが、
奥歯のあたりまで出てきた本音を
そのまま噛み砕いて飲み込んだ。

でも、体調を崩した祖父を
こちらの都合で無視するわけにいかない。

そこまで親不孝・祖父不孝な
私たちじゃない。

昨日は朝から午後まで病院に付き添い、
夕方には入院が決まったから、
祖父の家をある程度片付けることにした。

たった1週間だけど、
冷蔵庫の中身を整理して、掃除機をかけ、
数日不在にしてもいい状態にする。

母が帰ってきて入院の支度をしてたから、
それも手伝いながら、
必要な人に連絡をして事情を話す。

親戚だったり、
宅配弁当の業者だったり、
クライアントだったり。

それが終わって部屋を見渡したら、
脱ぎっぱなしのパジャマや、
とりあえず床に置いた荷物などで
部屋がぐちゃぐちゃになっていた。

普段は脱いだ服は洗濯カゴにいれるし、
床に物を置いてもすぐに片付けるし、
カーペットにコロコロをしてから1日が始まる。

それする余裕もなく、
たった1日で荒れ果てた部屋。

絶望。

一夜明けた今朝、
昨日やるはずだった仕事を片づけて、
荒れた部屋を整えた。

祖父の家に行って祖母達に線香を立てて、
祖父の日記や帳面、色鉛筆などをまとめて、
病院に持っていく支度をする。

日記など必要ないかもしれないが、
長年続けている大切な習慣を
止めてはいけない。

たった1週間でも記録を怠れば、
取り返しがつかない。

祖父にとって
新聞の四コマ漫画を帳面に書き写すのと、
日々の記録をつけるのは
大事なルーティンだから届けたかった。

それで病院に行って、
祖父に様子を聞きながら洗濯物を預かり、
帰ってきたのは夕方だった。

台所に、父が作ったらしい、
豆と肉をトマトで煮込んだ料理があった。

フランスパンも残っていたから、
バターを塗ってチーズをのせて焼く。

父の料理は塩気が強くて、
私はそのままでは食べられないから、
お湯を足してスープにした。

「おじいちゃんが入院した」

それだけでも、私には大きなダメージだ。

ご飯を食べて部屋に引き上げた私は、
HPゼロ、もう動けない状態。

月末にあと1件納品したくて、
昨日今日で終わらせようとしていた案件は、
結局手をつけるまもなく次月繰越となった。

慌ただしく終えた2日間。

せめてもの救いは、
『成瀬は天下を取りにいく』が
すごくおもしろかったこと。

昨日、
病院の待ち時間に読もうと
カバンに放り込んだ1冊。

祖父の検査を待つ間、
ぼーっと本を読んで気持ちを落ち着かせた。

本を読んでいると、
他のことは考えなくていい。

検査を待っていた救急外来は賑やかで、
それだけ多くの人が体調を崩したり、
怪我をしたりして運ばれてくるから、
決して嬉しい賑やかさじゃない。

賑やかな救急外来ほど、
気が滅入る空間はない。

何も考えずにぼーっと過ごしていたら、
どうしてもネガティブに引っ張られる。

友達から『掃除機を綺麗にした』って
連絡が入ったことにも救われた。

気軽な話題がポンと届くと、
一瞬だけ肩の力が抜ける。

「あ、そう。掃除機、そう。よかったね」

そんな脱力感のあと、
「いや、掃除機ってw」と笑ってしまった。

どうか3月末は、
誰も入院しませんように。

そう願って布団に入った。

最後まで読んでいただいて、
ありがとうございました🙇‍♀️