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【マシュマロ】中動態と当事者研究の先に「責任」が生まれる仕組みがある?

 マシュマロに質問を頂きました。

ありがとうございます。『<責任>の生成ー中動態と当事者研究』という本は知りませんでした。早速、購入し、読み進めていますが、とても面白いです! 近々、感想をまとめてnoteに記事を出そうと思います。

國分先生の『中動態の世界 意志と責任の考古学』は読みましたが、そこに書かれていた内容の発展版という雰囲気で興味深いです。

中動態という考え方は刺激的で、つい、いろいろなものに活用してみたくなってしまいます。ただ、わたしは古典ギリシア語を勉強したことがないので、中動態について、すべて國分先生の受け売りなのがちょっと心配でした。

この対談では、そこに熊谷先生という別の視点が加わることで、読者であるこちらの考え方もアップデートされていく感覚があります。

特に当事者研究の具体例をあげながら、お二人が互いの考えを交換したり、指摘し合ったりしている姿を通し、自分が中動態を都合よく解釈していた部分の解像度が上がっているように思えます。

熊谷先生の著作はこれまで読んだことがなかったのですが、対談の中で言及されていた『リハビリの夜』や綾屋紗月さんとの共著『発達障害当事者研究: ゆっくりていねいにつながりたい』など、読んでみたくなりました。

当事者研究という言葉は知っていたし、身近にやっている人もいて、盛り上がっていると聞いてはいましたが、勝手に、当事者の治療の一環なんだと勘違いしていました。ところが、実際は当事者の話を聞いている周囲の人たちが受ける影響も大きいとわかり、目から鱗が落ちました。

放火犯や非行少年に、なぜその行為をやったのか尋ねたとき、予想外の答えが返ってくるというエピソードは考えさせられました。普通は「そんなこと言うんじゃない!」「けしからん!」と怒ってしまう発言を丁寧に読み解いていくことで、真実が見えてくるかもしれない。

改めて、語り手は言いたいことが言えているわけではないのに、聞き手は聞きたい風に聞いてしまうが故、一見すると成立しているコミュニケーションにも齟齬が存在しているんだなぁと、言葉の複雑さを痛感しました。

同時に、複雑だからこそ、わかり合えないはずの他人同士が意思を疎通させることができていて、そこに「責任」が生まれる希望を感じもします。

あとは最終章だけ残っているので、近々読み切る予定です!




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