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光輝きはしないけど、まずは端役からでも<とにかく散歩いたしましょう>

最近、エッセイを書いている人に憧れを抱いている。

読書感想文を書くのはまぁまぁ筆が進むのに、いざエッセイを書こうとすると何を題材にしていいのか掴みどころがなく困ってしまう。
どうすれば、日常での身近な出来事や世論などをすくい上げ、短文で描写することができるのか。

知りたい、ぜひ知りたい!と1冊のエッセイを手に取った。

とにかく散歩いたしましょう 著者:小川洋子さん 📙✨

全編を通して小川洋子さんのやさしい感性に包まれる内容で、ラブラドールを飼い、涙もろいという点など私と共通点が多い。
また、随所に本の紹介があることから、読書好きにはなんとも嬉しい一石二鳥の賜物である。

アラスカってどんなところかなぁ、と始まる「ザトウクジラの水しぶき」のページには、自分には手の届かない遠い世界についてあれこれ考えるのは、とても心が安らぐとあり、この思いを味わえるのは星野道夫さんとしてかの有名な著書「旅をする木」が登場する。

小川さんは、「旅をする木」を何度も読み返すうちに子供を亡くした親が幾人も登場するのに気づいたと書いている。
そして著者への想いを馳せ、自分の家族で亡くなった人を思い出し、願いをこめて締めくくる。

1つの描写だけでなく点と点を結ぶという幅広い視野だけでなく、1つのこと深く掘り下げている箇所も多々ある。

あぁ、エッセイストとは大女優のように遠い道のりだ。
なかなか手は届かないが、まずは端役からでも始めてみようと思う。


文春文庫

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