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心の病とは何か?

こんにちは、心理士のなべたです。

この記事では、「ゲーム障害再考」という本に掲載されている、精神科医のゲーム依存に関する記事を読んで、私が感じたことをまとめました。


感情の境界線

「こころの病気」とは何なのか。起きて当然の悲しみ、落胆、苦悩を「治療」してよいのでしょうか。病気と正常との境界線は必ずしも明確ではありません。

精神科医 本村啓介(一部改変)

感情の境界線は、人それぞれです。
例えば、あなたが悲しいと感じる瞬間があるかもしれません。
それはあなたにとっては避けられない感情です。
しかし、同じ状況でも、他の人から見れば、それは大げさな反応に見えることもあります。

それでは、「心の病」とは何なのでしょうか。
それは、自分が抱えられる感情を超えてあふれてしまって、長い間、苦悩にさらされることだと思います。
だからこそ、まずは、自分自身の感情があふれてしまったときには、自分自身に優しくしてあげることが大切です。
それは、ストレス解消につながる具体的な行動でもいいですし、一日の最後に頑張ったことを自分に対してほめてあげることでもいいと思います。

「個人」対「社会」

依存の問題は、どの程度までが、個人の弱さによるもので、どの程度が社会制度の問題によるものなのか。断片化した社会では、依存対象は、所属、アイデンティティ、意味、目的の感覚を提供してくれます。

精神科医 本村啓介(一部改変)

依存症をはじめとした心の病は、その人の個人の弱さに原因があるとみられがちだと思います。しかし、その人の周りの環境が、その問題を生み出していることも多くあります。

例えば、家庭や職場で不当な扱いを受けたときに、心が不調になったとします。この場合、どの程度が環境の問題で、どの程度が個人の問題なのか見極めるのは困難です。

そして、この環境の問題は、現代の断片化した社会において特に顕著だと思います。断片化した社会では、人それぞれの繋がりが希薄で、個人での「頑張り」が求められます。
努力が報われることもありますが、その一方で、孤独や疎外感、心の空虚さを感じる人も増えています。

このようなとき、何かに依存することは、一時的に心の隙間を埋めてくれたり、人とのつながりをもたらしてくれます。
しかし、これは根本的な解決にはならないです。
依存ができなくなれば、また問題が大きくなるからです。

依存に対する真の解決策は、個々の弱さだけでなく、社会全体のシステムと向き合うことが必要だと思います。
社会全体を変えるというのは難しいことですが、人々が孤立せず、支え合い、共感できる温かな環境を作ることが大切です。


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