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ユーザーインタビューから組み立てる要件定義プロセス
こんにちは、AQUARINGという会社でディレクターをしている渡辺です。僕は主にサイト制作におけるUXリサーチやそれを基にした情報設計なんかをやっています。
いきなりですが、サイトの新規構築やリニューアルをすることになった際、どのようにRFP(提案依頼書)を作成していくか、頭を悩ませる企業担当者様も多いのではないでしょうか?
今回は、同様の悩みを持つ企業様からのご依頼で、RFP作成までの要件定義フェーズを担当した際の取り組みを紹介したいと思います。
アクアリングが要件定義で気を付けていること
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39051257/picture_pc_ec227d5cef64e0c8213829c41e8b0428.png?width=1200)
アクアリングの要件定義では、まず課題集約フェーズで現在のサイト評価やユーザーインタビューといったリサーチを実施。それにより、課題やユーザーニーズを抽出し、あるべき姿を描いた上で要件定義を進めます。
このようなプロセスで進めることで、サービス提供者が考える「課題」とサイト利用者の「ユーザーニーズ」のギャップを埋めることができると考えています。
コロナによって変化を余儀なくされた営業活動
![マスクグループ 1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49349943/picture_pc_e4e5b49d1ab962bd151c73d0a34a6fbe.png?width=1200)
今回担当したのは、医療機器の開発・製造・販売をグローバルに展開する朝日インテック様。コロナの影響により、日本をはじめ各海外拠点では病院訪問やイベントなどの営業活動が制限され、ドクターや販売代理店といった主要ターゲットとのコミュニケーションがオンライン中心にシフトしていました。
各拠点で営業ツールとして機能する製品情報サイトが求められていましたが、サイトの現状は、日本語と英語による必要最低限の製品情報しか提供できておらず、コンテンツや検索に対するニーズが満たせていない状況でした。
また、今回定義する製品情報サイトでは、各拠点によって「主要ターゲット」や「注力製品」、「営業プロセス」がそれぞれ異なる状況の中で、各拠点が求める要件を最大公約数的に整理する必要性がありました。
課題とニーズをインタビューから紐解く
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39051740/picture_pc_b8bb87b284bcdddeada070035124905f.png?width=1200)
具体的なサイトのコンテンツや機能を組み立てるにあたって、どのように「各拠点の課題」や「その拠点ごとに存在するユーザーニーズ」を抽出するかがポイントに。
既存サイトの解析や競合サイト比較で、ある程度仮説は立てれますが、やはり確証を持つことはできないため、各拠点の担当者インタビューによって、その深掘りを行いました。
インタビュー実施拠点:ヨーロッパ、中国、日本、アメリカの4拠点
事前準備として、アクセス解析や競合サイト調査などの調査結果をもとに、各拠点へのアンケートを作成。その回答をもとに、インタビューシートを作成し、各拠点へのインタビューを実施しました。
その後、インタビュー内容は次のようにまとめています。
1.各拠点の意見を「ユーザーの価値」軸でラベリング
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49351046/picture_pc_c1bb5f292a156edad79af8cd99c4f61d.png?width=1200)
インタビューで得られた各拠点からの意見を「ユーザーにとってどんな価値があるか」という軸で、KJ法を用いてグルーピング。それらがどのフェーズに寄与するかを判断してプロットし、全体を可視化していきました。
KJ法とは
ブレインストーミングなどで得た情報をカードに書き、同じ系統のカードをグループ化して、系統ごとに分類されたデータを整理、分析し、図解などを用いて論文などにまとめていく方法のこと。
2.「ユーザーの価値」を要求仕様として機能単位に分解
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49351177/picture_pc_9113f54b4d90ef9f908ec330d6284eba.png?width=1200)
次に、ユーザーにとっての価値をコンテンツや機能単位に整理し、クライアント様と相談しながら3つのグループに分類していきます。
1. 要件として必要となるもの
2. 初回のスコープからは外すが、将来的に実施検討するもの
3. 担当者個人の要望であったり、組織的に対応が難しく要件外とするもの
3.フィッシュボーンで各機能のプライオリティ整理
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49351206/picture_pc_33587095708e51d2a1f5967443123808.png?width=1200)
最後にプロジェクトの目的を達成するために必要なコンテンツや機能単位でフィッシュボーンにまとめ、クライアント様と合意形成を取りました。
上記図では、中央の赤線(骨)により近しい項目を、目的達成のために必要な要件として「優先度:高」とし、外に行くにつれて優先順位を下げるといった重みづけを行っています。
フィッシュボーンとは
魚の骨を模した図で、特性要因図とも言います。通常は複数の原因と1つの結果をまとめるために使われますが、今回はユーザーとの各タッチポイントにおける機能のプライオリティをまとめるために用いました。
これらの資料をもとに要件定義書として落とし込んでいくことで、滞りなくクライアント様の要件を整理することができました。
最後に
今回のプロセスはあくまで一例です。
アクアリングでは要件定義フェーズだけでなく、クライアント様の目的や状況に応じて、適切なリサーチや構築プロセスを計画・提案させていただきます。
AQ CASE&KNOWLEDGE では、アクアリングのさまざまな事例を掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
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