ジンジニア(元エンジニア×現人事)が語る、非エンジニア人事にエンジニア採用で求められるスキルとは?【公開履歴書】
こんにちは!ノイン株式会社で採用マネージャーをしている渡邉拓哉(「なべ」や「なべたく」と呼ばれています)です。
私の上司であるノイン総務人事部長土屋さんが、履歴書noteを書いており、私も書くことにしました!
私は、今までの経歴4社の中で、色々なことを経験してきました。
・3つの職種(システムエンジニア→転職エージェント→採用担当→採用マネージャー)
・4つの業界(SIer→人材→ITコンサル→WEBベンチャー)
・大手からスタートアップまで(社員数2000名→10000名→2000名→50名)
バラバラで軸がないように見えますが、
「IT」×「採用」の軸でキャリアを積んでおり(自分で恥ずかしながらジンジニア(元エンジニア×現人事)と名乗ってしまうくらい(笑))、
この記事で、私の経験を棚卸しすることで、
「エンジニア採用に必要なスキル」はどのようなスキルで、それはどのような経験を積めば良いのか?、をお伝え出来ればと思っています。
また個人的に、「エンジニアの気持ち&技術が分かる人事を増やしたい!」という思いがあり、
「エンジニア採用担当をしてるけど、エンジニアの気持ちや技術が全然わからないので現場エンジニアに任せきり・・・」という、非エンジニア人事の方に特に届いて欲しいなと思っています。
ファーストキャリアはエンジニアからスタート
私が、株式会社トヨタシステムズ(当時はトヨタコミュニケーションシステム)に新卒入社したのは、2011年4月。
大学が文系(金融論を学んでました)だったので、なんでファーストキャリアにエンジニアを選んだの?ってよく聞かれるのですが、理由はリーマン・ショックです。
当時の思考回路としては、
リーマン・ショックで将来が不安なので、どこでも通用するような技術力を身につけたい
↓
調べた結果、文系から技術力を身につけられる職種をシステムエンジニアだった
↓
地元の名古屋といえば、安定の神様仏様トヨタ様のトヨタグループ
↓
その中で一番デカいIT企業はトヨタシステムズ(トヨタコミュニケーションシステム)
と今思えばかなり安易でしたが、このような理由で会社を選びました。
トヨタシステムズではエンジニアとして、要件定義〜設計〜開発〜運用の一気通貫での開発や、プロジェクトマネージャー・リーダーなど色々と経験しましたが、ITド未経験であったためかなり苦労しました(笑)
入社後2ヶ月間のプログラミング研修で同期40名の中で順位付けがされるのですが、まさかのビリ。
同期同士がソース(コード)の話をしている時も、「ランチの話でもしてるのかな?」と本気で思ってたくらい無知でした(笑)
それでも苦労しながらも、周りの同期や先輩たちにフォローしてもらいながらエンジニアとして成長でき、今となってはほんとに感謝しかありません。
その中で、"1回目の人生の分岐点"(森本千賀子さん(モリチさん)との出会い)がやってくることで、"転職エージェント"への転職を決意します。
社会人2年目の時に、「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に、森本千賀子さん(モリチさん)が出演されており、そこで転職エージェントという仕事を初めて知り、「なんだこの面白い仕事は!」と衝撃受けました。そこから転職エージェントに興味を持ち、社会人5年目の時に転職をしました(東京に来てからモリチさんと直接お会いし、今では仲良くさせて頂いています)
▼トヨタシステムズ退職時のスキルセット
エンジニアとして「技術知識」は修得でき、特にJava開発を中心にしていたので、オブジェクト指向や静的型付けなど、他の言語の基礎となる知識が積めたのは大きかったです。
また、実際にエンジニアにならないとエンジニアの気持ちが理解できない部分もあり、「エンジニア心情理解」を高められたのは、エンジニアを経験してよかった点です。
28歳未経験で転職エージェントにチャレンジ
28歳未経験で転職エージェントによくチャレンジできましたね、って言われるんですが理由としては、
・転職という人生に関わる大きな仕事をしたかった
・営業職にチャレンジしてみたかった
・もっと色々なお客さんと仕事がしたかった
であり、安定企業(トヨタシステムズの離職率は驚異の1.2%)を退職することはとても勇気が必要でしたが、その選択は間違ってなかったと心の底から思ってます。
私がジョインした頃の株式会社マイナビ(紹介事業本部)では、前職の経験を活かしエンジニア向けキャリアアドバイザーとIT企業担当の両面を担当しました。
未経験での営業職へのチャレンジでしたが、入社後に所属した名古屋支社が5名の立ち上げフェーズだったということもあり、東京から単身赴任できていた優秀な上司と先輩がいたので、
その二人のやり方を「TTP(徹底的にパクる)」を実行したことで順調に成果を上げることができ、
キャリア新人賞「銀賞」・プレイヤー賞「金賞」「銅賞」を獲得できたことは自分の自信にも繋がりました。
そのまま課長職に昇進し、東京へ転勤することになりますが、東京ではHR系企業の経営者の方達との出会いを経験し、"2回目の人生分岐点"がやってきます。
幕張メッセでの全社表彰式。マイナビ社員9000人の前で表彰されました。
「金・銀・銅」のメダルを全てコンプリート!
▼マイナビ(名古屋支社)終了時のスキルセット
キャリアアドバイザーとして、転職希望者のエンジニアと1日3〜4人ペースで面談をしていたので、「エンジニア心情理解」「面接/クロージング」は自然と向上できました。
また企業担当として、IT企業人事とも話す機会が多かったので、人事側の気持ちも把握することができ、「エージェント管理」のスキルも習得できました。
東京転勤で人生が変わる出会いへ
東京(IT領域営業部)へ転勤し、キャリアアドバイザーの課長職としてチームマネジメントを行いました。
当時のIT領域営業部は、自分たちを「戦闘民族」というくらい営業数字へのコミット力があり、特に営業に必要な目標達成意識をとても勉強させて頂きました。ここで学んだ数字へのコミット力は、今の採用業務でも非常に活きてます。
その中で、大きな変化としては、
・名古屋では製造業系のIT企業が多かったのに対し、東京のITコンサル系・WEB系ベンチャーなどの急成長IT企業の技術や事業に触れ、エンジニアの面白さを肌で実感したこと
・名古屋ではほとんど会うことのできない、HR系企業の経営者の方達とセミナーや交流会などで接点を多く持つことができ、幅広く人脈が広がったこと
幅広く人脈が広がり、自身の考え方も広がっていく中で、
「エンジニア採用のプロ」として、人材紹介以外のもっと幅広い採用経験をしたい!と思うようになり、"事業会社の採用担当"への転職を決めました。
懐かしいMYナレッジ大会でマネージャー部門で優勝したときの社内冊子。
これをキッカケに社内でのあだ名が「ザイアンスさん」となりました(笑)
▼マイナビ退職時のスキルセット
様々なタイプのエンジニアの転職支援を行ったことで、「技術知識」「エンジニア心情理解」「エージェント管理」「面接/クロージング」のスキルは幅広く伸びることができました。
特にビズリーチなどの採用チャネルを使用し、候補者にダイレクトアプローチする「ダイレクトスカウト」のスキルもこの頃に習得できました。
そして、事業会社での採用担当の道へ
ジョインしたのは、フューチャーアーキテクト株式会社というITコンサルティング企業でした。
担当は、新卒採用・中途採用の兼任担当であり、戦略設計から実行・運用まで幅広く経験することができました。
採用チームの方もロジカルな方ばかりで、とても良い刺激をもらえましたが、大手企業での採用担当が自分と相性が合わなかったということもあり、一年弱で転職を決意しました。
そのため次の転職の軸としては、スタートアップ企業など「裁量のある一人目の採用担当」の求人に絞って探しており、その中で現職のNOINに出会い、ジョインを決めました。
▼フューチャーアーキテクト退職時のスキルセット
事業会社での採用担当として幅広く経験し、特に「採用戦略設計」「要件定義/JD化」「採用広報」「新卒採用」など、エンジニア採用のプロとして伸ばしたかった経験を得れたのはよかった点です。
スタートアップ企業の採用は面白い!
ノイン株式会社へジョインを決めた理由は、
・コスメEC市場拡大に伴う、NOINのスケール(事業拡大)を感じたため
・一人目の採用マネージャーとして、0→1フェーズに関われるため
・NOINがテックカンパニーを目指し、エンジニア採用に注力しているため
そもそも大手企業の経験が長かったので、スタートアップ企業で働くことが人生で初めてだったのですが、今までの「当たり前の基準」が全然違うことに対して、驚きと面白さを感じました。
例えば、「スタートアップ企業での採用」の当たり前は、以下があります。
・お金が潤沢にあるわけではないので、どのように採用予算内で採用コストをかけず良い人を採用できるか?を常に考える
・基本的に上手くいくかわからないので、高速PDCAを回してでとりあえず失敗してもいいからスピード重視でやってみる
・事業方針の変化に伴い、採用要件がコロコロ変わることは当たり前で、いかに適応していくかを考える
・採用が全てではなく、組織異動や人材育成でカバーできるのあれば、総合的に考える
・いくら優秀な人材を採用できても、しっかり現場でワークしないと意味がないので、オンボーディングや育成などを実施し、社員の「活躍」まで促すことで、はじめて"採用の成功"と言える
特に衝撃的だったのが、社員の「活躍」まで促すことで、はじめて"採用の成功"ということ。
私が今まで経験してきた転職エージェントでは、「企業に人材を入社できればゴール」、大手採用担当では「教育部署は別にいるので、自社に良い人材を入社できればゴール」でした。
しかしNOINのようなスタートアップ企業の場合、例え優秀な人材を採用できても現場でワークをしない(もしくは周りに悪影響を与えてしまう)と、
大手企業と違い一人ひとりの社員が会社に与えるインパクトは非常に大きいので、事業に大きなダメージを与えてしまうことになってしまいます。
そのため、入社後のオンボーディングや育成の重要性が高く、私自身もNOINで1on1施策の構築や社員教育を実施しており、その一環として自主的にコーチングスクールに通い、プロコーチ認定も取得予定です(※2021年内に取得予定)
社員の「活躍」まで促すことで、はじめて"採用の成功"と言える。
※HeaRの資料を参照
NOINオフラインイベント(2021年9月開催)の集合写真。一番左が私。
▼現在(NOIN在籍時)のスキルセット(2021年9月時点)
NOINへ入社してからスキルの成長が半端ないです(笑)
ほぼ「全ての項目」においてスキル向上させることができ、特に大きく成長できたスキルは、「採用戦略設計」「要件定義/JD化」です。
NOINにジョインする前は、経営目線を持った採用ができていなかったですが、代表取締役CEO渡部さんや取締役COO千葉さんとの距離感も非常に近く、経営目線を意識することで、事業戦略・組織戦略から落とし込んだ採用戦略を自然と出来るようになりました。
「エンジニアの気持ち&技術が分かる人事」を目指す!
これまで私が今までの経験で得たスキルセット一覧で可視化してきたことで、どのような経験を積んで「エンジニア採用に必要なスキル」を習得してきたのか、をお伝えしてきました。
エンジニア採用においては、「技術やエンジニアの気持ちは分からないから、人事は日程調整とスカウトだけして、技術スクリーニングもアトラクトも現場のエンジニア任せ」という会社もあるかもしれませんが、
「エンジニアの気持ち&技術が分かる人事」に、エンジニア採用に関わる人事は全員なるべきだと個人的には思っています。
もし「エンジニアの気持ち&技術が分かる人事」になれると、下記のようなメリットがあります。
・エンジニアリソースが足りないスタートアップ企業の人事であれば、エンジニア採用に全面的に入る事で、エンジニアがプロダクト開発に集中できる環境を提供でき、プロダクト成長(事業成長)に貢献できる
・エンジニアの思考性を把握できることで、面接の中でエンジニアの思考性に沿ったアトラクト(魅力付け)ができ、内定承諾率が上がる
・現場エンジニアと採用要件を決める際に、エンジニア採用市場とエンジニアの思考性を加味した、最適な採用要件を作ることができるため
・エンジニアの気持ち&技術に詳しい人事はまだ市場的に少ないため、エンジニア採用担当として、圧倒的な市場的な価値を付けられる
私の場合は、たまたまファーストキャリアがエンジニアだったので、エンジニアに触れる機会が多かったですが、
エンジニアのことを理解する意思さえあれば、非エンジニア人事の方でも「エンジニアの気持ち&技術が分かる人事」になれると思います。
これから、そのような人事の方が増えるための発信を、noteやTwitterなどでしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!
最後に
NOINでは、幅広くエンジニアを募集してます!特に「CTO候補」「VPoE候補」「テックリード」「エンジニアリングマネージャー」など、ハイレイヤー層のエンジニアを積極採用しております!
また、エンジニア採用にお困りの非エンジニア人事の方も、ご相談にのらせていただきますので、カジュアルにお話ししましょう!
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