中林肋骨

熱い道路の真ん中で、 鼻水垂らして横たわり、 輪郭のある冷たい違和感、 焦げた魚の煙にのせて。 と、亀。

中林肋骨

熱い道路の真ん中で、 鼻水垂らして横たわり、 輪郭のある冷たい違和感、 焦げた魚の煙にのせて。 と、亀。

    最近の記事

    ブラジャーを外す日

    私は何歳までブラジャーをするのだろう。 何歳から外していいのだろう。 最後のブラジャーを外す時、何を思うのだろう。 解き放たれる寂しさはあるのだろうか。 「まだつけてるの?」という恥ずかしさに晒されたりするのだろうか。 その時はおっぱいはどんな顔をするのだろうか。 開放感で悦びに満たされるのか。 自由を手に入れたおぼつかなさに戸惑うのか。 下を向き、その時を待つのか。 その時私は女ではなくなるのか。 今、私は女なのか。 ブラジャーをしているというだけで女を手に入れた気にな

      • 手の平に汗の匂い

        いつもの居酒屋。 私はお金がない。 私は何も持っていない。 でもこの居酒屋はそんな私を受け入れてくれる。 いつもの常連さん。 私が元気かどうか心配してくれる人がここにいる。 平和な心地よい時間。 仲の良い常連さんがやってきた。 隣に座り、肩と肩を寄せ合う。 この前大阪に行ってきた話、最近見たアニメの話、高校時代のくだらない話、お母さんのパンツがLサイズの話。 この常連さんは大金持ちの社長さんだ。 私とはまるで違う経済。 私とはまるで違う人生。 でも、なぜか同じ話で笑い合

        • 私は、いつも薄ら笑っていました。 私は、いつも思ったことを口に出しませんでした。 私は、いつも私の言葉でない言葉で話をしていました。 私は、いつも私のことを話しませんでした。 私は、いつも他人の話ばかり聞いていました。 私は、いつも何にも興味がありませんでした。 私は、いつも空っぽでした。 その全てが嘘ではありませんでした。 その全てが本当ではありませんでした。 その全ては何もないので、嘘も本当も存在しないのです。 でも私だけには聞こえているのです。 ギーギーという鈍い音

          • 微笑み鬱

            普通に仕事や生活をしており、いつもニコニコしているのに、無感情で自己肯定感が低い。 何にも興味が持てず、1人になると着替えや食事も出来なくなり寝てしまうことがある。 初めて知った時は、誰かが私の紹介をしているのかと思った。 微笑み鬱というらしい。 本当の自己紹介よりも、よほど私の自己紹介である。 私はいつもニヤけている。 色んな人の話を興味ある気にたくさん聞く。 聞き上手なんかじゃない。 話しやすい雰囲気なんてない。 たくさん聞くことで好かれたい訳でもない。 どうせ

            言わないと死にそうなので、指突っ込んで吐いた。

            自己肯定感の低さで言ったら、私の右に出る者はいないだろう。 とも言い切れないなって。 それって決めつけだし。 他人の気持ちなんて分からないし。 測れないし測るものでもないし。 とにかく低い、自己肯定感。 ここ最近、それを加速させることが立て続けに起こる。 私は何をやってるんだろうか。 またこの地獄が続くのか。 まだこの地獄は終わらないのか。 私が生きていく道があるなら、それは一切他人と触れ合わないことかもしれない。 他人というより、他人の感情かもしれない。 無感情人となら

            100度の涙

            すごいです 素敵です 嬉しいです ありがとうございます すみません だけしか、私の中にはない。 いつから、言葉がなくなったんだろうか。 いつから、我慢に痛みがなくなったんだろうか。 いつから、死んでいてんだろうか。 薄ら笑いの形状記憶のツラから、沸騰した涙が止まらない。

            冷蔵庫 唸り働く 熱帯夜 涙が冷やす 明日のやけ酒 #今日の短歌

            ゴミ

            笑っているよ、ケラケラケラ。 今日はゴミの日じゃないのにね。 僕らも仕事をするのかな。 笑っているよ、ケラケラケラ。 でかいゴミ袋携えて。 僕らも職場に行くのかな。 笑っているよ、ケラケラケラ。 透けて見えるよ生活が。 僕らは生きているんだよ。 笑っているよ、ケラケラケラ。 あのゴミ袋はなんだろか。 あの人ゴミを運んでら。 笑っているよ、ケラケラケラ。 私はいつでも半透明。 袋に入って捨てられる。

            優しい沈黙

            「…」 また沈黙だ…どうしよう…。 初対面やまだ慣れていない人との会話。 私はしばしば沈黙する。 何か話したいし、何か質問だってしたい。 でも、人見知りであまり人と話すのが得意でない私はなかなか言葉が出てこないのだ。 これを聞いたら失礼じゃないかな。 今の話のここをもっと詳しく聞いてもいいかな。 私のあの話したいけど、迷惑じゃないかな。 そんなことを考えていると、私は沈黙し、静かな時間を作ってしまう。 こんな時、ひょっとしたら、眉間に皺を寄せて難しい顔をしているかもしれ

            「休みの日は何してますか?」

            初対面の人や慣れていない人との会話。 人見知りな私はとてもしんどい。 何を話せばいいか分からなかったら、とりあえず天気の話をしろ。とよく言われている。 「今日は雨ですね…」 「明日は雨でしょうかね…」 もはや、天気の話は「私はあなたと何を話せばいいのか分からなくなってます」と同義である。 相手も人見知りだとこれは困難を極める。 「今日は雨ですね…」 「あ…そうですよね、ごめんなさい…」 私は神でもないのに、雨であることを詫びてしまう。 天照大神以外、謝罪してはいけない謝罪

            火曜日

            私は今、どこにいるのだろうか。 よく、どこにいるのか分からなくなることがある。 仕事中に怒りを込めて、力強くExcelのセルを見つめると、3Dのように浮かび上がってきた。 その時私は、ずっと刑務所の中にいたことを初めて知った。 月曜日から動けない私に火曜日が迎えに来てくれるはずはなかった。 そんな都合のいい話がある訳ない。 火曜日の方から来てくれるなんて。 そんなことを考えていると、一瞬火曜日が見えた気がした。 気のせいだろう。 ところで私はなんの罪を犯したのだったか

            月曜日

            日曜の朝、目が覚めると、冷気がなかった。 冬が冬眠に入ったようだった。 嗚呼、そうだ、死のうと思った。 とりあえず外に出てみる。 桜共は皆飛び降りた後だった。 どこを探しても私がいない。 そりゃそうだ。 この世に私なんていないのだから。 とりあえず家に帰ってみた。 薄らと腐敗の匂いが漂っていた。 どこもかしこも私だった。 そりゃそうだ。 この世に私なんていないのだから。 外は暗くなる。 中は明るくなる。 なぜに人間はそんなにも光を浴びたいのか。 私は人間ではないので、

            私は独りだ。 私は独りだ。 私は独りだ。 私は独りだ。 人は、独りで産まれて、独りで死ぬなら。 なら。 私は産まれたのか。 私は死んだのか。 独りじゃない人は死ぬのが怖いのか。 私は産まれる前も、死んだ後も、今も。 今も。 独りだから。 怖くない。 私は産まれていないのか。 私は死んでいないのか。 明日が来るのが怖いなら ずっと目を開ければいい。 今日が去るのが怖いなら ずっと目を閉じればいい。 私は独りだ。 独りで生きないのだ。 早く早く早く、終われ。

            春の日

            どうやって死のうかなって思う時は、必ずnoteを開いてみる。 私はどんなことを思ってたんだろう。 誰も見ないこのnoteで、私は何を演じているんだろうか。 noteは私の肥溜めだ。 ここで、静かに、踏んばる。 パンパンになってしまったお腹の中の臭い老廃物で、この白い場所を汚してやる。 私は私であり、私で無い。 哲学なんかじゃ無い。 事実、私は私であり、私で無い。 私で無い私がいることは、ちっとも苦しく無い。 辛いのは、私で無い私も含めて私であることを私に対して認めなければ

            素直

            笑顔で 心から 言った方がいいことを言う 笑顔で 心から 思ってる真逆のことを言う 笑顔で 心から 心にも無いことを言う 「 なに やけに 今日は 素直だね 」 感情を 捨てることが 素直という 言葉になる 私は 素直に首を絞められ もうすぐ 殺される

            朝が1番死が近づいてくる 動き出す音に吸い込まれて 絡まれて この身なんて早く無くなれ