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膀胱ジャブ

指先でする仕事を昔は芸術と呼んだ。
今や無味乾燥な二進法に支配された指共は指としてのプライドを捨てている。

音楽のないリズミカルな音たちは灰色から灰色へ、灰と言っても煙すら立たない焼却の彼方、齧りかけのリンゴ如きに己の虚栄心をのせて。

もし「生」を作り出す生ける者の、肉体以外が死んでいても、それは生なのか。

湿度があるということは、今は、目先としては、生きてるってことなのに、それに殺されそうになりながら、乾燥した熱を帯びた季節は、肉体の死を簡単にもたらす割に、私の心や膀胱を水分で満たし出す。

軽くあしらってやる。
その薬は知らなかったこととして。
頭に映える彩りは虚構。
そのくらいが愛おしい。

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