恵方

節分も過ぎて、かなりの時間が経っているにもかかわらず。そして、節分のテーマの記事も既にひとつ書いて、また、さらに節分に引戻って、恵方巻の話かと思われる方々もいらっしゃるかと思う。

確かに、そうなのだ。

今年の恵方は、南南東だった。恐らく恵方巻を食べた方々が、南南東を向き、食べ終わるまで無言で、なにがしかの願い事をして、食べただろうと思う。

我が家のリビングは、恵方がすぐに分かるようになっている。

それは、お守りを、恵方に向けて、掲げてあるからである。


節分の日、家内が、恵方巻を買ってきた。

家内によると、今年は、恵方巻も、豆も、近所のよく行くスーパーは、売り切れだったようだ。

でも、予約していたようで、恵方巻には、なんとかありつけた。

こんなおまけ付きで。

私の机上に、置かれた。

うっすら、海鮮という文字が見える。

私は、家内が、私のためにと思い、ちょっと笑顔になりかけたが、そのとき、心の中のリトルkojuroが、遮るように呟いた。

こういうとき、過大な期待は、禁物だぞ。何があっても、笑顔だぞ。笑顔。


家内が、ビニール袋をあけて、私に出した。

これ、コジくんの。あ、それと、1本ね。1本。

心の中の、リトルkojuroが、ちょっと笑いながら声をかけてくれた。

ほら。ね。

家内は、こう、続けた。

コジくんは、海鮮、好きだよね。じゃあ、海鮮、あげるね。

良かったねぇ。

私は、机上に、これを置き直して、恐る恐る家内に、聞いてみた。

こ、これは....?

あ、それは、子供の分、わかるよね。コジくん。

あ、そ、そうね。そうだよね。俺のは、海鮮、いいのがあるもんね。もうね。

そうだよ。良かったね。予約しておいてね。

おまけもついていて。いいね。コジくん。

.......。


心の中の、リトルkojuroは、お腹を抱えて、人知れず腹筋を鍛えていた。

.......!


おまけは、もうひとつ、あった。

ランチョンマットだ。

開けてみると、長くなった。

裏返すと、こうなった。

ほう。なかなかの、恵方巻だな。

紙の、ランチョンマット。いつか、使おう。


私は、恵方巻を、黙々と南南東を向いて食べ切った頃には、少し心が整っていた。そして、家内に言った。

予約してくれたおかげで、美味しい節分の晩ご飯だったよ。ありがとう。

家内は、満面の笑みで、言った。

どういたしまして。


私の横では、長〜い海鮮巻きを、まだ、次女は、黙々と食べていた。

ニコニコしにながら。


既に、節分の豆については、記事にしている。

私の分け前は、たくさん、あった。歳も歳だし。

この分量が、2杯以上、あった。

ご馳走様でした。


そして、豆は、まだ、残っている。

ながた師範のお話では、意外にカロリーが高いらしい。だからこそ、ちびりちびりと、食べている。

さすがに、今年は一袋しかないから、ゴールデンウィークまでは、持たないと思う。賞味期限は、そこまであるけれど。


たぶん、明日は、きっと、良い日になる。そう、思った。



■追記・お詫び■

ながた師範、大変申し訳ありません。何の許可もとらず、勝手に参照のURLを貼り付けてしまいました。恐れ入ります。

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