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採用要件と成長支援(育成)要件

採用は企業経営の手段であり、目的は理念体現・ビジョン実現、お客様価値の向上、結果として利益を最大化させること。採用活動は「成果を出せる人とはどんな人か」を明確にすることからはじまる。
「こんな人がほしいな」と言語化する時に「今」活躍している人を思い浮かべるケースが多いと想うが、注意しなければならないのは、その人は「入社時からすべてを兼ね備えていたわけではない」ということ。
ハイパフォーマー分析を実施する企業も多いが、今どんな成果を挙げ、行動をしているかという「現在視点」だけだと不足している。

2つに分けて議論する必要がある。
・入社時に備わっていた資質は何か=採用要件
・入社後に体得・習得したものは何か=成長支援(育成)要件
前者は議論している企業がほとんどだが、後者は抜けやすい。
図にすると下のようなイメージ。

採用要件と育成要件

育成要件の中で特に注目するのは以下の3つ。
①最初の上司は誰で
②どんな組織風土の部署に配属されて
③どんな成長支援(教育プログラム)を受けてきたか

①「上司」に関しては、人なので「合う・合わない」ということは必ずある。これは「好き嫌い」という個人の嗜好を越えたコミュニケーションスタイルや価値観という領域。
②「組織風土」もリーダーや構成するメンバーによって創造・結果・調和・秩序といった組織のカラーはある。
③「成長支援(育成)プログラム」は定量的なスキルの習熟度によって成果の差は出る。
これらは「定量(サーベイ)」「定性(インタビュー)」で言語化することができる。
大事なのは「新人」というカタマリで捉えるのではなく、ひとりひとりの成長をイメージすること。これは採用・配置・育成・評価・処遇に一貫性を持たせるということでもある。

そしてもうひとつ、変数として大きいのが「事業環境」という外部要因。
上記3つが「社内要因」だとすると、社会情勢・競合状況は新人の育成においてとても大きな要因となる。特に今のような「社会の変革期」においてはこれまでの成長支援策が通用しなくなる。過去のやり方を押し付けていると成果があがらなくなる可能性は大きい。

今一度、採用要件・成長支援要件を見直す時期に来ている。

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