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「著作者人格権」 これだけは知っておかないと損をする著作権の基本!

 新シリーズ「著作権のいろは」その3

クリエイター向けのプラットフォームとして人気を集めている「note」に参加しているnoterの皆さん、今日は!

「note」にはプロアマを問わず実際に創作活動をしている方のみならず、ものを創ると言う事に興味を持っているインテリジェンス溢れる方もたくさん参加していらっしゃいます。

このマガジンでは、そんな皆さんと一緒に著作権について基本的な所を一つずつ勉強して行きたいと思います。

03著作者人格権ハガキ

<イラスト「ハートはあげない」 © 2021 もりおゆう>

今日は「著作者人格権」

難しく感じるかも知れませんが、著作権の大きな土台といってもいいくらい大切な言葉ですのでこの期に覚えてしまいましょう。

……とは言え、そんなに難しい事でもないのです。

こういう風に説明すると判りやすいかと思います、、、
まず、著作権には譲渡できるものと、できないものがあります。

■譲渡できるものの代表的なものは「複製権」です。
(例)
小説家が出版社に著作権の内の複製権を譲渡して原稿料を得る。
出版社はこれによってその小説を本にして販売する事ができる。  

著作者から他者へ移行しない(譲渡できない)ものが、今回の「著作者人格権」です。
この著作者人格権は如何なる事があってもクリエーターから離れる事の無い権利です。ごく簡単に著作者人格権の2つの権利を説明しますね。
(氏名表示権)
作者は自分の名前を複製物(書籍等)に表示する事を求める権利があります。作者が自分の名前を表示する事を求めているのにそれを表示しない事は許されません。同時に、表示しない事を求めているのに表示する事はできません。氏名表示に関する全ての権限が作者にあります。
(同一性保持権)
作者の制作した作品を作者に無断で修正や変更したりする事はできません。制作されたものと同一の状態で複製する事を求める権利が作者にあります。(これについては、回を改めて説明します)

😊さて、、、
よく小説や漫画等出版関係の新人賞の応募要項の末尾に「入選した作品の著作権は出版社が保有します」等と言った一文がありますが、これは些か乱暴な表現です。作者は入選作品を出版するための複製権だけを譲渡するのであって著作者人格権は法律によって作者から離れません。作品は、どこまで言っても作者のものなのです。

ですから、例えば小説の一文や、漫画のセリフ等をどんなに微細な部分であっても勝手に変更する権利は出版社にはありません。信じられない事ですが、日本に名立たる大出版社であっても昔はそう言う事が平気で行われていました。

又、あくまで入選作の出版に関する複製権ですので、万一その作品が映画化されて、さらにキャラクターグッズが販売されるような際は全く別の契約になります。作者との新しい契約が必要なのです。そう言う事がしっかり判っていないとあなたの思わぬ不利益になる事がありますのでご注意ください。
何もかもコミコミになっている契約書に迂闊にサインしないようにしましょう!


*今週も土曜と日曜は、もりおnoteはお休みさせて頂きます。
では、では、月曜日に又。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。


<© 2021 もりおゆう この記事は著作権によって守られています>
(This picture and text are protected by copyright. 2021.Yu Morio)

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