人は変わる?変わらない?【読書記録】犬のかたちをしているもの(著:高瀬隼子)
おはようございます。にんにちは。こんばんは。
「おいしいごはんが食べれますように」で第167回芥川賞を受賞した高瀬隼子さんの作品にハマってします。
今回のnoteでは、デビュー作の「犬のかたちをしているもの」を読んで、生まれてきた感情を言葉にまとめてみます。
このnoteでは、書評を中心に読書に関する記事を発信しています。ぐちゃぐちゃになった頭の中を読書で整理してみると、それだけで人生がラクになります。人生をラクにする1冊を紹介するnoteです。
『子ども、もらってくれませんか?』 という提案
主人公薫は30歳、ほぼ同棲している彼氏の名前は郁也。
その彼氏の郁也が連れてきたミナシロさんという女性から提案を受ける。
子どもの父親は薫の彼氏の郁也だ。
何も知らない女性と彼氏の間にできた子どもをもらって、自分が育てる?
薫には子宮の病気があるから子どもが授かれるかどうかはわからない。
でも治療を続ければ子どもができるようになるかもしれない。
できるかもしれないし、できないかもしれない。
可能性にはたくさんのお金、そして気力がかかる。
あくまで見えない可能性だから姿をはっきりとは見せていない。
その確定していない事実からまた選択を迫られる。
好きだからセックスをするのか?
郁也とはもう3年もセックスをしていない。
付き合い始めは普通のカップルのようにするけど、3〜4ヶ月で嫌になる。
セックスをしているとどうしても大切にされていない気持ちがわいてくる。
そう言うミナシロさんのお腹には郁也との子どもがいる。
その子を薫と郁也に育ててほしいと思っている。
郁也も薫と一緒に育てたいと思っている。
セックスが好きかどうか、子どもが好きかどうか。
子どもができるのにはそれはあまり関係ないらしい。
その中で自分はどうしたいのか?という選択を迫られる。
かたちがあるものとかたちのない感情と、犬のかたちをしてるもの
子どもが好きだから子どもができるわけでもないし。
子どもが嫌いだから子どもができないわけでもない。
セックスと好き、
かたちがあるものとかたちがないもの、
それと犬のかたちをしているもの。
犬は犬のまま。
人も人のまま、人は変わらない。
でも"人のかたちをしたもの"は変わっていくのかもしれない。
そう思うと人生がラクになる。
オススメの1冊です。
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