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吐くのが怖い

※今回は「嘔吐恐怖症」について書いています。
主に嘔吐恐怖症を知らない方に向けて書いていますが
シチュエーションを想起したり、嘔吐の文字を見るだけでも気分が悪くなる方もいらっしゃると思うので
苦手な方は無理せずブラウザバックしてください。
(かくいう僕も休み休み書いています。)


僕はnoteで主にうつ病や不安障害についての記事を書くことが多いが、僕の人生で一番付き合いの長い疾患は「嘔吐恐怖症」である。

きっかけは僕の回顧録にも書いてあるが、小学2年生の頃に
教員という皮をかぶったハラスメントの塊のような担任、M山という男に出会ってしまったこと。

4人1グループで食べる給食の時間に、僕の右斜め前のクラスメイトが吐き、それにつられ僕以外の2人も吐いた。
放課後、その3人はM山に呼び出され、怒号を浴びせられていた。
最終的に僕も吐いたが、謎の危機感を感じ咄嗟に近くの水道で食器を洗い流したため、M山にバレなかった。
しかし廊下に響く怒号を聞いたことにより、「吐く事=悪い事」という図式が出来上がった。

次の日、あんなショッキングな映像を目の当たりにしたため当然食欲なんてなく、給食を食べきることが出来なかった。
それを見たM山は、「こいつが食べ終わるまで掃除を始めるな」と言い
クラスメイト全員に僕は囲まれた。
ここで嘔吐への恐怖心に加え、食事(特に他人と食べる食事)に対する苦手意識が芽生えた

「残すのは悪い事だ。ただ食べ過ぎて吐くのも悪い事だ。全部悪い事だ・・・
・・・・・・・逃げたい。」

書いているだけで反吐が出る。嘔吐の話だけに。(言うてる場合か)
ちなみにこのM山という男は現在家庭を持ち、未だに教師を続けているらしい。ゾッとする。

このような経緯で、僕は嘔吐恐怖症(と、最近はマシになってきたが会食恐怖症)と付き合うことになった。


うつ病や不安障害などのメジャーな精神疾患に比べ、まだまだ認知がされていない嘔吐恐怖症。
僕も周りにこのことを話しても「誰だって吐くのは嫌だよ」「気にしすぎ」
なんて跳ね返されてしまうことがほとんど。
僕を始めとする嘔吐恐怖症は、嘔吐というものに対して"嫌悪感"を通り越して"強い恐怖"を感じる。
では実際、嘔吐の何が怖いのか。
またそのことにより、生活上どんな支障をきたしているのかを書いていこうと思う。

そもそも吐くことの"なにが"怖いのか

吐くことに対して恐怖を抱く理由はいくつもある。
「他人の前でみっともない姿を晒してしまったらどうしよう」
「(他人のネットリテラシーを全く信用していないため)SNSなどで晒されたらどうしよう」
「また吐くのが怖くなって食事ができなくなったらどうしよう」
などなど。

ただ僕の場合、恐怖の理由の一部が少しずつ変化している。

というのも、実は嘔吐恐怖症が発症してから今までの間に、2回ほど吐いたことがある。
1度目は休職する直前、不安障害などのメンタル疾患が寛解している状態の時。
正直この時の感想は「なんだ、こんなもんか」だった。
それまでは嘔吐に対して「パンドラの箱を開けてしまうような、未知のものに抱くような漠然とした恐怖」に近いものを感じていたが、それはなくなった。

2度目は、うつ病を発症した直後。
この時は春という事もあり、花粉症で鼻が詰まっていた
当然、嘔吐している間は口呼吸が出来ないため鼻呼吸に頼ることになるのだが
それが出来ず、とにかく苦しかった。
それにより、「未知のものに抱くような漠然とした恐怖」から
「自分の身体なのに自分でコントロールできない事、そして息が出来なくなるのが怖い」という明確なものへと変化
した。

それから胃に不快感を覚えた時は、常に点鼻薬が手元にあるかを確認するようになった。

実際に生活するうえで、どんな支障があるのか

1.外食や飲み会など、他人が吐く場面に遭遇しやすい場所に行けない

幼少期のトラウマで、僕は他人と食事をするのがかなり苦手である。
食事を頼むまでは空腹だったのに、頼んだ瞬間に食欲が一気になくなるなんてこともざらにあった。
「食べれなかったらどうしよう」「気持ち悪くなったらどうしよう」「食事の仕方が汚いと思われていたら・・・」
僕の事情を知っていて、気を遣わずにいられる相手とでないと行きたくない。

また僕自身、お酒自体は好きだし、強くはないがそこまで弱いわけでもない。
ただキャパを超えると当然嘔吐に繋がってしまうため、過剰なくらいセーブした量でないと飲めない。
また、自分が吐くことは勿論のこと、他人が吐いている場面や吐瀉物に遭遇するのも恐ろしい(もらってしまう可能性があるため)ため、多人数での飲み会やお酒がある食事会というシチュエーションが無理すぎる。
このことにより、他人との交流の場に行きづらくなってしまっている。
(似たシチュエーションで、終電なども苦手。)

2.食後に予定が入ることへの不安

昼休み直後の取引先への訪問予定、食後から間もなく友達と待ち合わせ、遠出をした先での食事など
食後に予定があるとなると、必要以上に食事量をセーブしてしまう(というか、強制的に食欲がなくなる)。
旅行やドライブの場合、現地でしか食べられないものを楽しめなかったり
友人との予定も、食事をあまり摂っていないために
途中からエネルギー不足でヘロヘロになってしまい、100%楽しめなかったり。
前項と似ているが、これも行動範囲を狭める要因の一つとなっている。

3.栄養が不足しがち

メンタル疾患の治療には、栄養の摂取がとても重要になる。
しかし、メンタルの調子が落ちると「吐くのが怖い」という恐怖が増強され、食事がまともに取れなくなる。
そして栄養が足らないと、不安感やイライラが増す。
根底に食事の苦手意識や嘔吐恐怖があることで、この負のループに陥りがち。
また僕は細身がコンプレックスなことから、増量目的で筋トレをしているのだが
そもそも食事量が少ないるので、こちらもかなり苦戦を強いられている。

4.生命が脅かされる可能性

僕は胃弱体質なこともあり、よく胃もたれや吐き気を起こす。
そのため、よくバリウムや胃カメラを勧められるが、一度もしたことがない。
万が一胃がんなどの疾患を患っていた場合、早期発見が出来るかもしれないし、胃の不調の原因が100%心因性のものだと分かれば、それだけでも少し元気になれると思うのだが、それでもやはり恐怖が勝ってしまう。
また、吐かないと危険な状況(毒性の強いものを飲み込んだなど)に置かれたとき、吐くことが出来ないのも危険である。


まとめ

今回は、あまり認知されていない嘔吐恐怖症について
当事者である僕の体験談をもとに書かせていただきました。
思いつくままに書いてしまったため、かなり長文になってしまいましたが
少しでもこの恐怖症に関しての認知が広まればと思います。

僕自身、克服の目途が全く立っていない状態なので
もし同じ嘔吐恐怖症の方で、克服した方や改善した方がいたら
コメントしていただけると幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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