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霊的なヤツ

7月21日、金曜日。
母親の勧めで、人生で初めて「霊媒師」の方に鑑定をしてもらうことになった。

僕は基本的に、スピリチュアルの類のものはあまり信用していない。
"あまり”という言い方を敢えてしているのは、父親や妹、従妹などが霊感がある事と、それに加え僕も人生で2回ほど「幽霊」なるものを目撃した過去があるからだ。
(「壁のシミが顔に見える」みたいな見間違いのレベルではなく、ガッツリ。)
そのため、死後の世界を否定するつもりもなければ、ある程度宗教への信心が強い人を否定する気もない。

信用していないというより、"腑に落ちない"という表現が近いかもしれない。


結論から言うと、
「スピリチュアルな要素を絡めずに、普通にカウンセリングしてくれた方が腑に落ちるのにな」というのと
「思ったより"霊的なもの"に頼り切らず、話を聞いてくれて安心した」というのが正直な感想だった。


13時、マルチの勧誘でお馴染みの某喫茶店で待ち合わせ。
霊媒師と聞いてたので、てっきり陰陽師みたいな人が来るのかと思ってビビり散らかしていたが、「町内の小学生に好かれてる近所のおじさん」みたいな見てくれで安心した。

↑自分がイメージした霊媒師像

今回、僕は霊媒師に
1.一人暮らしを辞めて実家に戻ってからうつ病が悪化している気がするが、環境が悪いためなのか
2.将来、「親の会社(不動産)を継ぐ」か、「ものづくりなどの表現をする仕事」か「メンタル疾患や発達障害などのために経験を生かす仕事」のどの道を選ぶべきか

の2つについて尋ねた。
(ちなみにどちらも自分の中で答えは出てる。)

僕の予測では
1.「家具を黄色に揃えなさい」的なスピ感強めのアドバイス or 「悪い霊が憑いているから、この数珠を身につけなさい」的なスピアイテムの勧誘
2.「あなたは『表現者の星』を持っているから、怖がらずに芸術の道へ突っ走りなさい!」的なスピへ丸投げしたクソバイス

みたいなことが返ってくるのだろうと思っていた。
(後から見返すとなかなかのシニカルっぷりで笑う)

住所と名前、家族構成などを尋ねられ
それに答えると霊媒師は手を合わせ、目を瞑り「何か」を見始めた。


1分ほど経ち、出た答えは
1.南西(裏鬼門)に向けている枕を北西の北枕にしなさい
2.不動産の会社を継ぎ、副業でマルチに活動しなさい
というものだった。

1.の北枕に関しては、スピ感強めだが「明け方に窓から差し込む太陽光で安眠を妨げられる南枕ではない方がいい」「北枕で眠ることで頭から磁場を受けて足に抜ける。これにより寝ている間に血流が良くなり、健康的になる」のような科学的視点での指摘もあるらしいため、まあセーフとした。

2.に関してだが、これも意外とリアリストな答えだったので、なんか安心した。

カウンセリングと異なるのは
「飽き性」「完璧主義」「優しすぎる」「人に頼るのが下手」などの性格面を"言い当てている"点にある。

ただ、これに関しては大半の人に当てはまること(実際は違うタイプの人でも、「もしかしたらそうなのかも」と思い込みやすそうな事項)でもあるし
・どの仕事の道を選ぶべきか悩んでいる→好奇心や関心が様々な方向に向いている→飽き性
・話し方がしっかりしている(これはよく指摘される)+見た目に割と気を遣っている→完璧主義
・兄かつ長男であること+メンタル疾患を患ったという経歴→優しすぎる、人に頼るのが下手
このようにいくらでも言い当てる事はできる。

そのうえで「嫌われてもいいやというスタンスで自分らしく生きなさい」「自分と関わった人間全員を救おうとするな」など、月並みではあるがそれっぽいアドバイスをされた。

相談相手の特性を理解して、それにある程度適したアドバイスができるなら
霊的なものを絡めて"言い当て"ようとせずに
カウンセラーと名乗ったうえで"合法的に"ヒアリングをしていった方が
アドバイスの精度や顧客満足度が上がるし合理的なのにな。
なんて考えていたら1時間の鑑定が終了した。

恐らくこのようなスピリチュアルなものが世の中から無くならないのは
本当にそのような世界が存在している可能性もあるのかもしれないが
人間の助言よりも、それより「偉大ななにか」を媒介してなされた助言の方が腑に落ちる人が一定数存在するからだと思う。
(親から指摘されるより、友人や他人から指摘された方が自分を省みようとするあの感じに近いのかも。)

時にそのような偉大ななにかに頼るのもいいのかもしれないが
僕はこれからも物事を判断するものさしは自分の中に持ち続けたい。

とか言いつつ、毎年おみくじは引いてしまうんですけどね。



以上、ヘタレでした。







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