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2分で読める子育てエッセイ№818『周回遅れで』

ある日、宿題を始めるまでに時間がかかる小3の息子が、ワタクシに勝負を挑んできた。
「どっちが早くできるか競争しよう」
それはいいアイディア! 息子が漢字プリントの宿題をしている横で、ワタクシも毎日投稿用の作品を書くことにした。

でも、息子はとにかく、ずーっとしゃべってる。
分からない漢字が出るたびに「なんだっけ?」は、序の口。
息子は分からないなりに一旦漢字を書いてみるものの、こんどは納得できない様子で
「消しゴムどこ?」
と探しまわる。そのうえ適当に消すものだから、キレイに消えず何度も書いたり消したりをくりかえす。

その後、スマホかドリルでお目当ての漢字を探し当てると
「はいはい、このムシみたいな感じの漢字ね~」
とワタクシに話しかけているともとれる、大きめの独り言を言い放つ。
「これか~知ってる知ってる」
と答えを書き込んで、やっと1問終わり。

こんな調子で1問1問進めるせいで、
「虫みたいな漢字、ってなに?」
と息子の宿題状況がスルーできず、ワタクシついついのぞき込む、質問する、納得しながら爆笑を繰り返して超余裕。
「これはしばらく、時間がかかりそう。うけけ」
と安心しきっていた。

ところが、突然息子がある一言をワタクシに言い渡す。
「お母さん、僕もう宿題終わったよ。お母さんは? まだ書けていないの?」
ひょーっ。いつの間に?
それは「一緒に走ろうね」と友人に言われたマラソン大会で、気がついたら1人取り残されていたあの状況。
「お母さん、先にゲーム始めちゃうね」
ワタクシが安心しきって笑っている間に、息子にしっかり置いてけぼりにされていた。
その後、ワタクシ、周回遅れで宿題している気分でパソコンに向かった。
とほほ。





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