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2分で読める子育てエッセイ№843『パラパラとめくるたびに』

ある日、今年中学生になった娘が「小学校時代の友達と映画に行ってくる」と言い出した。
友達と二人で映画を観る。そんなこと娘から言われたのは初めて。公開初日の夕方、お友達と現地で待ち合わせをするというので、ワタクシとダンナ、そして小4の息子のイチもウキウキとした表情。
「も・もしかして、みんな一緒の上映時間に映画を観るつもりなの?」
「うんうん、だって公開初日に家族で行くって全員分、前売り券買ったでしょ? 席はうーんと離すから」
だって帰り道、車でワイワイしたいじゃん。感想言ったり、好きな場面を言い合ったり。
「まだ観てないからネタばらさないで~とか3人から言われたくないでしょ?」
ワタクシがそう伝えると、娘は諦めた。我ながらいい訳完璧。

当日、映画が観れるウキウキにプラスして、娘が友達と楽しそうにする姿を見るのが嬉しいと、目じりの下がったうちのダンナは、パンフレットを2人にプレゼントしていた。
「きっといい思い出になるよ。パンフレットをパラパラとめくるたびに、今日のことを思い出すから」

大人には見栄を張らなければならないときがある。
でもその見栄のせいでダンナの小遣い、お小遣い日まで15日残してあと千円。それを知っていたので、余計に泣けるいい話。

しかし、ワタクシには思い出すきっかけとなるはずのパンフのプレゼントはなし。そして、ダンナは無情にも家計から援軍もなし。

残念。


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