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2分で読める子育てエッセイ№763『狭いから』

ある日、買い物をしていたら冬のおススメ、ホットワインが並んでいた。
おいしそうでお手頃価格。これは今晩の楽しみにしようと買って帰った。
予想通り、飲んだらすぐに眠気が襲ってきたので、とっとと布団に潜り込んだ。
布団がぬくぬく。イイ感じ。

そう思っていたらヒヤッとした冷気をまとい小3の息子が布団に足をツッコんできた。
「あったか~い!」
せっかく温まった布団が台無し。

「このベッドは定員だから、自分のベッドで寝たら?」
とお断りしたら、ちょっぴり困った顔して息子がこう言った。
「それがさ・・・僕のぬいぐるみ3人が寒いって」
息子が指さす方を見ると、息子のベッドのド真ん中に、3個横並んだぬいぐるみが。しかも掛布団までしっかりとかけてある。
「あっちが狭そうだから、僕がこっちに来た」
ひょーっ! いい訳完璧!
仕方がないので、半分布団を貸すことにした。

2時間後、寝返りがうてずに目が覚めたワタクシ。狭いので寝床を移動して息子が「弟」と呼ぶぬいぐるみをベッドの端に集合させた。明日、目が覚めた時に、息子がワタクシに勝手に移動させないでと文句言うかな。いや、言うわけない。
今日は布団にぬくぬくと寝かせてもらったぬいぐるみ。けれど最近は、あちらこちらで、すっごい格好で転がっているよね? ある子は椅子の上でアクロバティックにバランスしていて、もう一人はベットの足元でうらっ返し。最後の独りは部屋の片隅でイジけてたよ?

つぎワタクシがしっかり眠りたいときには、このぬいぐるみたちをワタクシの周りにしっかりと配置して、息子にこう言おうと思った。
「ごめーん。今日はこっちが狭いから、自分のところで寝てくれる?」

うけけ。


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