2分で読める子育てエッセイ№578『鳥かごの方からこう聞こえてきた』

先日、夕飯を食べながら笑点を観ていた。
お馴染みのテーマ曲が流れると、わが家の小鳥、キンカチョウ（錦華鳥）が仲良く二羽並んでテレビの方を観ていることに気がついた。

あれ？　そういえば先週も同じように観ていたような・・・。
音楽が好きなのか、家族が楽しくしている雰囲気に合わせたのか、もしかしたら、本当に番組自体を楽しみにしているのかと、家族で笑った。

キンカチョウのオスは歌が上手。
何種類かさえずるバリエーションを持っていて聴いていてとても面白い。
逆に、メスは「メメメ」「ムムム」とシンプルに鳴く。

後日、朝、小5の娘が着替えながらこう言った。
「最近、ポワポワ兄ちゃんの新しいさえずりを聞いたよ。マネしてみるね」

モノマネの好きな娘。
特徴をとらえて、なりきってマネをする。

へ～。ポワポワ兄ちゃん、そんな風に鳴くのか～
と思っていたら、娘が突然慌て始めた。

「ギャッ！　髪の毛が、パジャマに絡まった～。」
娘を見ると、娘の腰までとどく長い髪の毛とパジャマそして娘の腕が思いっきりもつれている。

随分器用なことをしているね～。もう何やってるの。
とワタクシニヤリとした瞬間、鳥かごの方からこう聞こえてきた。

「ウメメメメメ」

うそーん。
今笑った？

笑い声としか聞こえないこの軽快な鳴き声。
タイミングが絶妙過ぎる～！

笑い声を手に入れたわが家の小鳥。

笑点を観ながら、家族と一緒に笑うことはそう遠くない・・・と思った。