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特別記事! 内在性神経新生と脳卒中治療の可能性
こんにちは!
理学療法士のyukiです。
今回の記事は、僕が編集をしているnoteマガジン”脳Life”の50本目の記念記事として投稿します。
拙い文章ながらご購読頂いている方、いつも記事をご覧頂いる方、本当にありがとうございます。今後も研鑽を続けながら、価値ある情報提供が行えるように精進していきます。
皆様のご要望等もTwitterやコメントでお聞かせ頂ければ反映した記事投稿を行っていきたいので、何卒よろしくお願い致します。
さて、今回の記事では、セラピストとして、脳回復の考え方が変わる内容になると思います。
このnoteマガジンは臨床1~5年目の若手セラピストの学びの場として、少しでも英文に対する抵抗を下げて、患者様の為に、より科学的で証明された治療提供につながることを目的として発信を続けています。
脳卒中治療に携わる理学療法士として、1~5年目でこの知識を持って治療提供できてる方は少ないのではないかと考えています。
それには理由があり、
これから紹介する内容は基礎研究の要素が強いです。
基礎研究というと、いわゆるラットやサルなどを対象とした研究になります。
ヒトとは異なるものではありますが、その形態が似ていることから、今日までの薬の開発や新たな治療法などは全て基礎研究が行われ、いわゆる”治験”という段階を経て、ヒトへの適応がなされています。
リハビリテーション分野においてもこれは同様であり、動物実験が行われることでその効果の証明がなされてきました。
脳の治療において、その代表的な例が”脳の可塑性”になります。
脳の可塑性
これは、ある基礎的な研究が行われるまで、”一度障害が起こった脳は回復しない”と定義されていた時代があります。
その当時の脳卒中者における代表的な治療手技は、ボバース法やPNFなどのいわゆる伝統的な治療法と呼ばれる治療になります。
これらの治療は1950~1960年代に提唱されていた考え方であり、基本的な治療概念に”脳の可塑性”は考えられていませんでした。
”脳の回復”という領域が覆されたことで有名なのが、これら治療法が行われてから約30年後の1996年に発表されたNudoらによる研究になります。
論文の一部をご紹介します(論文から一部編集して画像を引用)
これは、脳梗塞を起こしたサルに対して、リハビリテーション治療を行うことでそれぞれのエリアに変化が認められたことが報告されています!
この研究結果が非常に影響力のある結果となり、脳卒中者のリハビリテーションにおいては、脳の可塑性を用いた取り組みが主流となってきています。
このように、基礎研究から明らかとされたことが私達の今日のリハビリテーション治療の一部となります。
そして、脳の可塑性には原則があることも分かってきました。
脳の可塑性の原則
1. 使うか?失うか?
2. 使用すること
3. 特異性があること
4. 反復すること
5. 強度を考える必要があること
6. 時間とタイミングがあること
これらは下記の記事でそれぞれ、論文の知見をまとめています。
上記で示した脳の可塑性についても、脳卒中分野のリハビリテーションを提供する上で確実に知らなければならない内容だと考えています。
ですが、今回の本題はここからです。
現在、脳卒中治療で期待されている効果の1つは、”再生医療”の分野であると思われます。
この再生医療を考える上では、主に2つの方法があります。
1. 外在性神経再生
2. 内在性神経再生
外在性神経再生は、聞いたことがある方も多いと思いますが、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)と言われる治療がそれにあたります。
ただ、これらの外在性神経再生領域は増殖しやすいなど様々なリスクもあり、臨床応用されるには様々な段階を得なければならないのが現状です。
一方で、内在性神経再生という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
その一部を記事でまとめているため、興味がある方はこちらもご覧ください。
今回の記事の主は、この内在性神経再生の領域になります。
赤ちゃんの脳では神経がたくさん作られますが、大人でも神経を作る領域があることが近年で発見されました。更に、その領域が脳卒中治療に関与することが近年分かっています。
この知見を知ることで、脳卒中の治療概念に幅広い視野を持たせることになるのは間違いないと思っています。
実際に僕自身もこの内容を勉強し始めてから、脳卒中治療の奥深さや探究心、好奇心を掻き立てられたことを覚えています。
その知見を”脳卒中における内在性神経細胞と神経回復の可能性”と題して、8枚程度のスライドにまとめており資料をダウンロードできます。更に関連する論文は和文含め全てダウンロードが出来るようにしていますので、そちらも是非ご活用ください‼︎
それでは。
今後もnoteマガジン"脳Life”をよろしくお願い致します。
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