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痙縮筋に対して臨床でよく行うストレッチは脊髄α運動ニューロンにどう影響するか?

こんにちは!
理学療法士のyukiです。

早速ですが、脳卒中や脊髄疾患の治療で臨床的によく用いられる”ストレッチ”の治療効果をどの程度知っていますか?

まず、ストレッチには、3つの種類があります。

スタティックストレッチ(静的)
ダイナミックストレッチ(動的)
バリスティックストレッチ


他にも表現によっては、等張性ストレッチや等速性ストレッチと表現したりもしますが、

今回の論文では等張性ストレッチ、等速性ストレッチと表現されているため、そちらで統一して紹介できればと思います。

まず、等張性ストレッチでは、

手足を最大可動域までゆっくりと動かして、その位置で一定時間保持する方法になります。

次に、等速性ストレッチでは、

一定の角速度で力を加えて四肢を連続的に動かすことによって行われ、伸ばした位置での保持はされない、方法になります。

この2つの方法ともに、筋の粘弾性を変化させて、脊髄反射に関わる機序を低下させることで痙縮筋の筋緊張を低下させると考えられています(1-3)。

しかし、これらに関する研究では課題があり、抵抗トルクの変化を測定するか、筋電図を測定することによって評価がされています。

そのため、α運動ニューロン(aMN)の興奮性を直接評価されてきませんでした。

さらに、上記で挙げたストレッチの方法による筋緊張コントロールの比較がされていません。

また、これらの方法が痙縮に及ぼす影響が、どの程度持続するかも明らかとなっていないのが現状です!

これらの抑制機序を知ることで、臨床においてどのようなストレッチ方法で行えば痙縮筋をより抑制できるかが科学的に明らかとなるため、臨床的に使いやすいと思われます!

そこで、今回確認したのが下記の論文です!


このnoteについて
雑誌名とIF:European Journal of Neurology,2005, IF;4.516(影響力)
参考文献数:12本(リンクにてpubmed検索可能)

どのような方法で行われているか、まとめていきたいと思います!


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