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エンジェル投資家という生き方
こんにちは。myコンサルティング 代表の坂元康宏です。
私はエンジェル投資家を名乗り、名刺にもそのように記載しています。
しかし、noteでたくさんの記事をアップしているにも関わらず、1度もエンジェル投資家について書いてないことに気が付きました。
今回の記事では、私が事業として行っている「エンジェル投資家」について取り上げたいと思います。
なぜエンジェル投資家になったのか?
リーマン・ショックの体験
私は独立する以前、投資顧問会社に十数年間勤務していました。
いわゆるヘッジファンドを中心とした資産運用のアドバイスを行っておりました。
そして忘れもしない「リーマン・ショック」が2008年9月15日に訪れます。
私が以前からお伝えしておりました【ブラックスワン現象 ※】です。
※思いがけないことが起きて壊滅的影響を与えること
リーマン・ショックは、アメリカ合衆国で住宅市場の悪化によるサブプライム住宅ローン危機がきっかけとなり投資銀行のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが2008年9月15日に経営破綻し、そこから連鎖的に世界金融危機が発生した事象。
リーマン・ショックの発生は「金融商品とは何なのか」と考える機会になりました。
リーマンショックの体感としては、スキーの初心者がいきなり上級者コースを滑らされるような感じです。毎日垂直落下するような体感がありました。いきなり上級者コースを前にしたら、足はすくみますし、ガタガタ震えてしまいますよね。
これは金融のプロでも不安を感じるものですから、一般の投資家や初心者の方からしたら恐怖でしかなかったと思います。
当時、株は何十分の一の価値となったものもあります。
為替も大きく変動し、リーマン・ショック前の半分以下の水準になったものもありました。
それが極めて短期間の間に起こったことで、精神的に大きなダメージを負う人が多くなってしまいました。
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金融とはボラティリティ
その後独立をしたわけですが、金融商品についての研究は日々続けていました。
その中で、仮想通貨が世の中に認知されてきました。
仮想通貨はボラティリティが高く、大きく上がることもあれば、大きく下がることもある投資対象です。
ボラティリティ(Volatility)とは、一般的に価格変動の度合いを示す言葉で、「ボラティリティが大きい」とはその商品の価格変動が大きいことを意味し、「ボラティリティが小さい」とは価格変動が小さいことを意味します。
私は長年投資の世界にいるので、ボラティリティにはある程度耐性がありますが、一般の方が投資すると、ボラティリティの高い仮想通貨の価値に一喜一憂して、暴落したときには耐え難いダメージを負ってしまうこともあります。
さらに、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、人々は投資どころではなくなりました。
弊社も飲食店を運営していますが、お店を開けることすらできない時期もありました。
そして経済全体がストップしてしまいました。
そうした中で投資のアドバイスを生業とすることに、自分自身疑問を感じてきました。
金融とは、ボラティリティがつきものです。
良い時と悪い時がハッキリしています。
金融とは、利益を追求する仕事です。
勝つ人がいれば、必ず負ける人がいます。
50歳を目前にして、これを一生続けることに、日に日に疑問が深くなっていきました。
では、自分は何をするのか。
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ジェイソン・カラカニスとの出会い
あるとき、米国の著名な起業家・投資家のジェイソン・マッケイブ・カラカニス(以下ジェイソン氏)の著書『エンジェル投資家』に出会い、私は「これが自分が本当にやりたいことだ!」と感銘を受けました。
ジェイソン氏は、後にユニコーン企業となるUber、Robinhood、Thumbtackなど、数々のスタートアップの初期段階にエンジェル投資を行い、成功を的中させたことで有名になりました。
シリコンバレー界隈ではカリスマな存在です。
<エンジェル投資家とは>
ジェイソン氏は、エンジェル投資家を以下のように説明しています。
① エンジェル投資家というのは(起業の際の)立ち上げ最初期の非公開企業に投資し、投資した以上のリターンを得る。一般的かつ安全な投資に比べれば、はるかにリスクが高く、それだけ期待リターンも大きい。
② われわれがエンジェル投資家と呼ばれるのは、スタートアップの創業者のビジネスモデルを信ずるものが一人もおらず、絶体絶命になった時に天使よろしく窮地から救い出す役割から名付けられたのだ。
③ 彼ら(起業家)が考え出したビジネスが完全にクレイジーでない場合、投資家に事欠かない。つまりエンジェル投資家の出る幕はない。
④ 誰も実現性を信じなかったプロジェクトに対して小切手を書くのがエンジェル投資家としての私の仕事だ。これ以上スリルのあるギャンブルは世界中探しても存在しない。
また、著書『エンジェル投資家』で私が感銘を受けた一節を紹介します。
もし2万5,000人がエンジェル投資家になるなら世界は一変するだろう。世界には何兆ドルもの資産が債権、株式、キャッシュ、不動産という形で存在する。こういった資産は実際のところ「死に金」だ。一見安全そうだが、ほとんど価値を増やすことはない。何のリスクも取らないのであれば世界に何の影響も与えない。
ともあれ、ここでは投資資金としてキャッシュで250万ドルが用意できるとしよう。この250万ドルを年率7%のファンドに投資したとすると、10年ごとにほぼ2倍になると期待できる。
これには本当に衝撃を受けました。
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投資をして損をしても、相手を責めるな
彼とコンタクト取るため、私のスタッフがジェイソン氏にアプローチして、現地で会うことができました。
ジェイソン氏は投資クラブ「ジェイソン・シンジケート」を主宰しており、これに当社も参加することが許可され、そこから本格的にエンジェル投資を始めました。2019年初頭のことです。
それからこれまで、およそ80社くらいに投資をさせていただき、結果が出ているものと出ていないものがあります。
ここでもジェイソン氏の教えがあります。私がジェイソン氏に魅了されたポイントでもあります。
投資先が詐欺や着服したら別だが、一生懸命努力した結果として上手くいかなくても、責めてはならない。
起業家を責めるくらいなら、そもそもエンジェル投資をやるべきではない。
起業家とは、上手くいっても、上手くいかなくても批判される孤独な存在である。それに寄り添いなさい。
そうした考え方を学ぶうちに、自分がやりたいことは「これだ!」と確信を深めていきました。
『私自身ではできないことでも、誰かが挑戦していることを資金や他の面でサポートすることができる。』
また、私はノウハウよりも資金を提供する方が、自分自身が本気になれることが分かりました。
エンジェル投資の現実として、100社に投資して1つか2つしか成功しないので、勝率は非常に悪いです。
それならば、「残り99社には投資しない方がいいのではないか?」と言われることがあります。
どんなに素晴らしいビジネスプランがあって有能な人材が揃っていたとしても、世の中の動き(コロナなど)に恵まれなかったり、人の裏切りにあって日の目を浴びないこともあります。
だからこそ”分からない”のです。
エンジェル投資を野球で例えると、満塁ホームランを待っているようなものです。100回打席に立って1回、特大の場外満塁ホームランを打つのを待っています。
ジェイソン氏は「エンジェル投資家は頭のおかしい奴だ」と表現しますが、その通りかも知れません。笑
ただ、やっぱりやめられません。
スタートアップ企業の一つのゴールとして、株式上場(IPO)やM&Aによるエグジットがあります。
私自身、そこに自分がコミットできたことが、何事にも変えられない喜びなんです。
株式会社myコンサルティング
代表取締役 坂元 康宏
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