いつもの夏休み⑤
無事(?)じいちゃんのお迎えが終わり、私は片付け、ばあちゃんはお夕飯の準備。
迎え火に使うお皿を和室にあるタンスの上に戻す。
ばあちゃんがいるお勝手に行くとお味噌の匂いが入り込んでくる。
お味噌の匂いが胃を刺激してくる。
お味噌を匙ですくい、ボウルに入れる。
そこに黄桜をとぽとぽ、お砂糖をお気持ちていどに入れてよく混ぜる。
それを見ている。
人がお料理してるの見たり、何かが出来上がっていくのを見るのが好きで。
でもばあちゃんには『手伝いなさい』といわれるので渋々手伝う。ちぇっ
おなすを切り、ピーマンも切る。
お野菜の匂いもしてくる。
瑞々しさとあおあおしさがある匂いとお味噌の匂いでお勝手が夢のコラボを果たしており幸せ空間。
そしてお魚を焼く。
ばあちゃんちで食べる、焼いたお魚はキングサーモンの西京焼きが多い。
私が塩鮭や紅鮭が苦手だけど、キングサーモンの西京焼きだけが食べられたから。
それ以来ばあちゃんちで出てくる鮭はキングサーモンの西京焼きになっている。愛
なすとピーマンの味噌炒め、焼いたお魚、おみおつけ、お漬物(よく出てくるのは甘くないたくあんか赤かぶ、なすをカラシで漬けたやつ)、ほうれん草のおひたし。
我が家ではあまり出ることがない私が大好きなお料理のオンパレード。
かあさんは働いて遅くに帰ってくるので手が込んだものを作れなかった。
最近レトルトやチルドはおいしいものが多いが、私が幼いころはなかった。
大学生辺りから出てきたくらい。
だからばあちゃんちのお料理は私にとってご馳走だった。
お夕飯の時間。
食卓にたくさん並べる。
『お味噌ばっかなっちゃったな』
「私はお味噌が大好きだから嬉しい、とても」
『まいがいいならいいんだけどさ。あたしはいつもこんなんばっかだからいいもん作ってあげられないなって』
「これが一番嬉しい!ありがと!いただきまーす!」
やっぱり初めはなすとピーマンの…ではなく、おみおつけ。
汁物はなんとなく初めに一口飲みたくなる。
そして次に大好物のなすとピーマンの味噌炒め。
おいしい。本当にご飯に合う。むしろご飯がないと無理。悲しい。
今でも食べたくなるばあちゃんが作ったなすとピーマンの味噌炒め。
夢でもいいから食べたいな。
これを書きながらそう思っちゃった。
でも書きながらいろいろ思い出したり感じ取れたりおなかいっぱい。
ごちそうさまでした。
2024.8.11.
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