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「なろう」には「掘り出しモノ小説」を探し出すための「特殊検索」がある!

小説投稿サイト評価精度ランキング精度を上げる(維持する)にはスコッパーファーストペンギン(※)の存在が不可欠…ということは、過去記事にも書いてきましたが…↓

※スコッパー=埋もれた名作を発掘する探求者。
ファーストペンギン=まだ誰も評価(感想・レビュー・5つ星評価・ブクマetc)していない作品に最初に評価をつける人。

そんなスコッパーやファーストペンギンのための「独自機能」が存在しているのが「小説家になろう」です。

■「小説家になろう」独自の「特殊検索」

小説家になろうさんには、姉妹サイトのような感じで小説閲覧サイト「小説を読もう!」があるのですが…

そこには通常の検索の他に「まだ誰にも評価されていない作品」「まだ誰にも感想をつけられていない作品だけを探せる「特殊検索」が存在しているのです。

「小説を読もう!」ページの左サイドにある「未評価作品一覧」という部分をクリック(orタップ)すると「まだ評価されていない作品」の一覧がズラッと出て来ます。

(「小説を読もう!」ページを再現した図:2023年9月版)

同様に、その下にある「未感想作品一覧」をクリックすると「まだ感想がつけられていない作品」の一覧が出て来ます。

■小説投稿サイトの「実態」を考えれば「埋もれた名作」が無いはずがない!

過去記事にもちょこちょこ書いていることですが(↓)、規模が大きくなってしまった小説投稿サイトには致命的な弱点があります。

それは作品数が膨大過ぎて、全ての作品が読者の目に触れられるわけではないということです。

現実の本屋でも、客がサッと手に取れるのは「目につく棚に並んだ商品」ですよね?

本棚に入りきらず棚の下の引き出しやバックヤードにしまわれた商品は、その存在を知られることすらありません

投稿サイトでの「本棚」=「ユーザーの目につく場所」はTOPページの新着一覧ランキングなど…ごく限られたスペースのみです。

特に「新着一覧」や「更新作品一覧」は、サイト規模によっては分単位(あるいは秒単位)で作品が移り変わります

その少ない「露出」を星の数ほどの作者・作品が争い合い、奪い合っているのが小説投稿サイトの現状なのです。

(大概のサイトには「総作品数」が載っていますので、その数と「新着一覧やランキングに載っている作品数」を比べていただければ、それがどれだけ「極少きょくしょう」の露出機会なのかが分かります。)

当然のことながら、執筆ペースが遅くて高頻度の更新が無理な作者や、投稿戦略の苦手な作者、運の悪い作者(※)は高確率で埋もれてしまいます

※どんなに戦略をめぐらせようと、タイミングによっては「他の作者の大量投稿」に巻き込まれて埋もれたり、「自分の作品に合った読者のいない時間帯」に投稿してしまって損をしたりなどの「不運」が発生します。

しかしそれは「投稿方法」の問題であって、「作品自体のクオリティー」の問題ではありません。

小説投稿サイトの「実態」を知らない初心者の方は、ごく単純に「ランキング上位にある作品=おもしろい作品」と思っていらっしゃるかも知れませんが…

その仕組み数値のからくりを知れば知るほど「これじゃ、誰にも発見されないまま埋もれている名作が無いわけがないよね」と思えてくるのです。

むしろ、そんな「誰にも見出されずに埋もれた作品」の中にこそ「今までにない掘り出しモノ」が眠っているのではないでしょうか?

■「まだ」評価・感想されていない作品は「手つかずの鉱脈」

読者の皆さんの中には「既についている数値(順位・ポイント・評価etc)」で読む作品を選ぶ方もいらっしゃると思います。

ですが当然のことながら「まだ誰も読んでいない作品」は全てが0のままなのです。

もちろん中には、単純にクオリティーが低くて何の評価もついていないものもあるでしょう。

しかし「おもしろいけれど、誰にも読まれていないので評価のつきようがない」作品もあるはずです。

そもそも読まれたとしても(そしてそれが「おもしろかった」としても)、読者の全てが作品にリアクションするわけではありません

むしろ「作品に対してアクションを起こす読者」の割合は、恐ろしいほどに低いのです。

(別記事にまとめていますが、小説家になろうさんの全ユーザーのうち、「レビューしたことのある人」の割合は、わずか1%。99%のユーザーは1度もレビューをしたことがないのです。↓)

(「小説家になろう」全ユーザー中、1回でもレビューしたことのある人の割合)
2023年9月22日時点

まだ何の評価も感想もついていない作品は「おもしろい」か「つまらない」かさえ「未知数」の原石。

つまり「未評価作品」や「未感想作品」の一覧は、そんな未知数の原石たちが手つかずで転がっている「鉱脈」なのです。

掘り出しモノ」を探すには「もってこい」だと思いませんか?

■機能的には、ちょっと惜しい…。

小説家になろうさんが、こうした「特殊検索」をわざわざ設けているのは、上に書いたような理由から「埋もれた名作を探し出して欲しい」という思いがあるからなのではないでしょうか?

他の投稿サイトでは同様の機能を見かけたことがありませんし、その姿勢は実に尊く素晴らしいのですが…

この「特殊検索」…実は機能的に、いろいろと「惜しい」のです…。

なぜなら、この「未評価作品一覧」と「未感想作品一覧」…

絞り込みが1つしかできず並べ替えもできないからです。

その絞り込みも「評価受付中のみ表示」あるいは「感想受付中のみ表示」だけで、ジャンルで絞り込んだり、ボリュームで絞り込んだりはできません。

作品表示件数は1ページあたり20件で「文字数の多い順」に並んでいます。

日本最大規模の小説投稿サイトである小説家になろうさんは、未評価作品だけでも301832件、未感想作品だけでも670022件あります(調査日時点で)。

絞り込みも並べ替えもできない状態で、この膨大な作品数から「掘り出しモノ」を探すのは、ちょっと現実的ではないかも知れません…。

(サイト黎明期の、まだ作品数が少ないうちなら、この仕組みでも何とかなっていたのかも知れませんが…。あまり使う人がいなかったりで、機能のリニューアルが一切されていないのかも知れません。)

さらに言うと、並び順が「文字数の多い順」なのも、長文が苦手な読者にはハードルが高いですし、「ちょっと気軽に探してみよう」という気にもなれず、なかなか難しいかな…と。

コンセプト自体は「小説投稿サイトの宿命的欠陥を補えるかもしれない」レベルのモノですので、何とか使い勝手の良い機能に生まれ変わってくれると良いのですが…。



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