名作を埋もれさせないためには「読まず嫌い」を防ぐこと
1人でも多くの読者に楽しんでもらうため「小説のクオリティーUP」に励んでいらっしゃる物書きさんは多いことでしょう。
しかし、この世の多くのウェブ小説が「クオリティー以前の問題」で、読まれもせずに終わっていることに、どれくらいの方が気づいていらっしゃるでしょうか?
読者の中には「タイトルやあらすじだけを見て、読みもせずに去って行く」人も、数多くいます。
(あるいは冒頭の数行や1ページだけで去って行く人も…。)
「だから、タイトルをキャッチーなものにする」「だから、あらすじをインパクトのあるものにする」という考察は、数多く見かけます。
しかし、それは対症療法であって根本的な問題解決ではありません。
一番の問題は「食わず嫌い」ならぬ「読まず嫌い」をする読者がいるという事実なのです。
どんなにキャッチ―なタイトルも、類似タイトルが溢れれば飽きられます。
皆が皆インパクトを求めれば、もはや「ちょっとやそっとのインパクト」では満足してもらえなくなります。
(一時はもてはやされた(?)「全米が泣いた」というキャッチコピーが、もはやネタとしてしか使われなくなってしまっているように…。)
その場しのぎの対策を重ねていくことは、逆に事態を悪化させ、自らの首を絞める結果になるのです。
そもそも、キャッチ―なタイトルの小説が「おもしろい」とは限らず、あらすじにインパクトのある小説が「おもしろい」というわけでもありません。
タイトルやあらすじで「期待」して読んだにも関わらず、内容が「ハズレ」だった場合、読者満足度は下がります。
満足度が下がれば、次の小説に対する期待値が下がります。
(「今回がハズレだったから、次もハズレかも知れない」という意識が働くためです。人は過去の経験から未来を推測するものです。)
そしてそれは、その作家に対してのみならず、ウェブ小説全体に及ぶのです。
「ハズレ」を引く回数が増えれば増えるほど、「所詮アマチュアの書くものなんて、こんなものか」と、ウェブ小説自体に対する興味が失われていく危険があります。
ならば、どうすれば良いのか…
答えは、とてもシンプルです。
読者が「その読者にとって『本当におもしろいと思える小説』と出逢える」ようにすることです。
「ハズレ」を引くごとに満足度や期待値が下がるなら、「当たり」を引けば引くほどに、満足度・期待値は上がるはずです。
「今回が『当たり』だったから、他にも面白い小説があるに違いない」と、どんどん手を広げてくれるはずです。
さらには「タイトルやあらすじがそれほどでもない」小説が「おもしろかった」ならば、「こっちの小説も、タイトルやあらすじは地味だけど、おもしろいかも…?」と、小説の選び方自体、見直してもらえる可能性があります。
ただ、ここで注意しなければいけないのが「おもしろいと思うポイントは、人によって違っている」ということです。
過去記事でもちょこちょこ書いていますが…
小説の評価は「好み」や「理解度」や「精神状態」など、様々なものに左右されるのです。
自分にとっての「おもしろい小説」を、ムリヤリ他人に押しつけたところで、効果があるとは限りません。
(中には自分と「同じ趣味」の読者もいるでしょうし、レビューで興味を持ち「新たな扉を開いてくれる」読者もいるかも知れませんので、「勧める」ことが「無駄」だとは思いませんが(「押しつけ」は良くないですけど)…。)
…だから自分は「おもしろい小説を推す」わけではなく「Web小説の見つけ方・見つけられ方」を研究し、まとめているわけなのですが…。
そこの重要性に気づいていらっしゃる方が、作者・読者双方ともに、まだまだ少ないようで、何ともビミョウな気持ちでいます…。
(上記の「小説の見つけ方・見つけられ方」の閲覧数の少なさに、「おもしろい小説を自らの手で探し出したい人って、実はそんなに多くないのだろうか?」と軽くショックを受けています。←高校時代、日常の読書だけで国語の偏差値をUPさせてきた(そして大学受験もほぼソレで乗り切った)身としては「本を探すこと」も含めて「読書」だと思っていますので。)
ちなみに「読まず嫌い」や「読まず嫌いを防ぐ方法」には、他にもいろいろ思っていることがありますが…考えがまとまったら、そのうちまた記事にしていきたいと思います。