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随筆

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日記・考察・思考実験等をまとめておきます。
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2022年1月の記事一覧

認識と狂気

 人間は通常、迷妄の中にいる。常識や偏見にまみれている状態が、人間という生き物の正常な状…

睦月
2年前
3

愚劣な平均人

 昔の夢を見た。小学生の頃の夢だ。  私が授業中に熱が出て保健室で休み、そのまま中退した…

睦月
2年前
11

知的誠実さの声

 白状してしまうが、私には立派な奴隷根性がある。ニーチェの言葉を借りるなら、ルサンチマン…

睦月
2年前
4

全てが一度きりなら理由も原因も本質も、現実の前では無力だ

 たとえばある男がある少女を助けた時、その内的な目的、無意識的な、肉体的な目的が、ある種…

睦月
2年前
3

建設的な議論ができるサイトって全然ないよね

 掲示板とかって基本匿名だし、こういうサイトはコメント欄が狭くてやり取りが大変。  でも…

睦月
2年前
5

人間に動物と同じだけの権利を与えてやろうじゃないか

 動物にあって人間にはない権利とは何であろうか。それは叫ぶ権利、噛みつく権利、その生態に…

睦月
2年前
2

人間を動物の一種として見ると

 人間を同族ではなく、動物の一種として見ると、気持ちが楽になったし、人間のことが嫌いでなくなれるような気がした。  ようは私が人間嫌いになってしまう原因は、私が人間に対して、私自身に求めているのと同じものを無意識的に欲してしまうからなのだ。  もし人間が平等であるならば、私が苦労してきた分だけ、他の人も苦労しなくてはならない。でも実際には人間は平等ではないし、平等であるべきでもない。  それに私は私を愛しているが、私は全ての人間を私に対するのと同じだけ愛することはできない。

人類史に残る現代日本

 灯台下暗しというが、いったんこの社会から距離を置いてみたところ、多くのものが見えてきた…

睦月
2年前
17

敵対する価値観

 「何が嫌いか」というより「何が好きか」という言い方をした方が基本的には好まれる。  だ…

睦月
2年前
1

スイミー

 私は昔から皮肉的な性格だった。  スイミーという絵本を知っているだろうか。  あらすじ…

睦月
2年前
13

弱いから群れる 強いから群れない なんてことはない

 群れる人たちは基本的に臆病である、というのは間違ってはいないと思う。  剣や魔法のファ…

睦月
2年前
5

否定の否定は肯定か

 ここにひとつの命題があるとしよう。 ・私は男である  これを否定にするとこうなる。 ・私…

睦月
2年前
3

寂しさでおかしくなってしまいそう

 ひとりきりのベッド。物音ひとつしない。眉間にしわが寄っていることに気が付き、指でほぐす…

睦月
2年前
5

共感性と憎しみ

 共感性というのは、憎しみと相反するものとして理解されていることが多い。  だが私にはどうにも、共感性というものはあらゆる人間の感情に関係しているものらしく思え、おそらくは憎しみについての共感性というものも、あると思うのだ。  しかも、共感性のもっともありふれた形式は、優しさや思い遣りではなく、憎しみや敵意への共感なのではないかと思うのだ。  まず共感性とは何かはっきりと決めておこう。共感性とは、対象と内的な感情や経験を、自分のものと重ね合わせ、理解可能、尊重可能なもの