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読書日記 2023年1月

読んだ本の数:13
読んだページ数:3074

今月は、手持ちの未読本を中心に読んだのもあり
おすすめ本に新刊が出ていません。



新刊本では、窪 美澄さんの

タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース (単行本)

窪 美澄

筑摩書房

2022-12-19


少し後半に失速ですが、雰囲気が好み。



圧倒的に面白かったのは、夏の体温
瀬尾さんの作品だが一読の価値のある小説でした。

時代小説では、楽毅 全4巻セット
弱者の活躍がすごい
中国時代ものです。

日本の時代もののでは 蜩ノ記 (祥伝社文庫)
これも素晴らしい

槍持ち佐五平の首 (文春文庫)
この作品は実話ベースなのでリアル

他、森見さんの不思議話し
きつねのはなし(新潮文庫)
もおすすめです。

今月は時代小説が多めでした。
来月は新刊を多めにいきたいと思います。




以下、簡単な感想



夏の体温感想
「夏の体温」の少年心理のわくさいな表現はとても好感が持てます。でも、次の「魅惑の極悪人ファイル」が圧倒的に面白かった。やはり瀬尾まいこさんの作品は侮れない。読んでいる間に気がつけば夢中になっていた。病気の少年にとって、同級生と過ごしたその夏は、まるで修学旅行のようなんだろうなと思った。悪人を書きたい女の子と、腹黒と思われている男の交流はとてもいい。どこが腹黒なんだと思ってしまう善人エピソードの数々。そして、その背後にある感情の動き。本を返すエピソードがいい。
読了日:01月03日 著者:瀬尾 まいこ

きつねのはなし (新潮文庫)感想
ジャンルで言うと怪談。短編が四つ。古道具屋が関係している。舞台は京都。少し幻想的で楽しかった。とくに表題作と、最後の話しはなかなか良い。雰囲気は、いつもの森見節というのがなりをひそめ、何か別人の作品という感じがした。雰囲気としては、夜の京都の裏地を散歩しているような不思議な怖さがあった。どちらかというと裏の路道の感じです。全体に登場してくる胴体の長い獣。それを僕は狐と感じて読んでいた。これは怪談であり狐による化かしであると。
読了日:01月05日 著者:森見 登美彦

破戒のススメ: 我慢の奴隷から脱出する44の行動哲学感想
飲食業を経営している堀江さんだからこそ、こういう意見が持てるのだと思います。内容は他の本とあまり変わらない。お金よりも経験が大切だというのが本書の核。だから我慢とか忍耐を強いられる状況に不満があるということだと思う。多動力でも書いておられたが、とにかくやってみる。トライ&エラーですね。最悪 なのは「 まあ その うち」 と、 放置 し て しまう こと 。今みたいな時だからこそ、時間の使い方は大切になるということです。
読了日:01月07日 著者:堀江 貴文

蜩ノ記 (祥伝社文庫)感想
大名三浦家の家史を書く仕事をしているのは、10年後に切腹を命じられた元重戸田秋谷。彼の監視役に命じられた男の視点で、彼の家史完成までを辿った話し。ミステリー風なところと、侍とは何かと問いかけるところとか、どうして殿様は彼に、この仕事まかせたのか。どうして許さなかったのか。書かれていないところを想像し補完していくと、この小説の真髄というのか素晴らしさというのかが見えてきて、まさしく葉室さんの代表作の一つなんだなと感じました。いい作品です。
読了日:01月09日 著者:葉室 麟

楽毅 全4巻セット感想
魅力的な人物だと思う。小国の大臣の子として生まれ、国を滅亡させ、そこから、また、小国で見出され、そして、大国である斉を滅亡寸前まで追い込む、その駆け引き、その力量。とても面白くワクワクが止まらなかった。今まで読んだ宮城谷さんの作品野中でも秀逸な作品であり、とても楽しかった。名言がいくつかあったが、これが好きです。「一言でいえば、大国の驕りですな。驕る者は人が小さくみえるようになる。同時に、足もとがみえなくなったことに気づかない」
読了日:01月15日 著者:

瞬時にやる気を燃やす 31の心理学技術: 1日1分でマスター! 1日1分で心理学 (ハートブックス)感想
やる気がない日というのがどうしてもあるが、そういう時は軽く流してしまい後で後悔する。そういう時、ここに書いてあることは役立ちそうだ。心理学という裏付けがあり安心もできます。具体的には、睡眠時間の話しが一番気にいっている。ある程度の長い睡眠がなくば良いパフォーマンスが発生しないと思っていたのに、そういうわけじゃなかったというのが驚いた。
読了日:01月17日 著者:ゆうきゆう

君といた日の続き感想
ラストのどんでん返しは見事。読後感はかなりいい。コロナ下、娘を亡くし妻と離婚、絶望的な在宅生活を送る中年男が、娘と同い年のちぃ子と出会い。その子がタイムスリップしてきた同級生らしいと・・・。癒やしの物語かと思いきや、少しミステリータッチのところもあり、なかなか楽しめた。しかし、昭和の記述がどうも軽い感じで知識を羅列しただけみたいな薄っぺらい感覚で、何かもっと今と昭和のギャップみたいなものを全面に押し出したほうが作品に面白みが出たのではと感じてしまう。
読了日:01月19日 著者:辻堂 ゆめ

こうやって、考える。 (PHP文庫)感想
考えを寝かせるというアイデアは使えると思いました。後、昼寝の効用とか、散歩の大切さとか、どこかで聞いたことがあるような話しが多かった気がします。一つ一つのセンテンスが短くて読みやすくとっつきやすい。電車の中などで読むのに適していました。
読了日:01月21日 著者:外山 滋比古

槍持ち佐五平の首 (文春文庫)感想
リアルな歴史もの。史料ベースなので少し読みづらい。仲人が身持ちの悪い女性に手を出して、責任取れ、そんなことししてないと揉める話しにはびっくりした。仲人の男もひどいが、法もひどい。ただ、二人を目撃しただけり姪が人生おしまいで当事者のレイプ犯より極刑ってどういうことだろう。
読了日:01月22日 著者:佐藤 雅美

日本が先進国から脱落する日 “円安という麻薬"が日本を貧しくした‼感想
アベノミクス批判については少し疑問符が残る。そもそもアベノミクスは円安=企業収益の拡大=物価高=賃金の上昇を目論んでいたが、当時の110円は現在の130円に比べて円安とは言えず、故に企業収益もしょぼかったと思う。そして、成長戦略の途中で頓挫。円安と本来セットである技術革新がなされなかったのが敗因と見ている。だから、ちょっと著者との意見が僕は違う。円安に依存しすぎて、技術革新をしなかった、これが日本が今、こんなことになった原因というのは同意したい。
読了日:01月25日 著者:野口 悠紀雄

キノの旅XVI the Beautiful World (電撃文庫)感想
そろそろネタ切れのような感じがした。フォトの日々という番外編は悪くないが本筋じゃない。ゾンビの話市に関してはかなり楽しめた。これだけでも読む価値はあると思う。ゾンビが本当は進化系という発想は斬新。死体を食うと、取り込み、その中で永遠に生きるという意味なら、それはグロテスクなものではない気がする。
読了日:01月28日 著者:時雨沢 恵一

タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース (単行本)感想
町のごみ箱、どんずまりのような古い団地。そこはネグレクトやら、貧困の年寄りやらのたまり場だった。そこに住む病気がちな夜間高校に通う高校生が主人公。ぜんじいという爺さんに、自警団に無理から入れられる。その活動は独居の年寄りたちの安否確認と食料の配布だった。浪江さんという最後まで残ってたお婆さんの言葉とか沁みる。ぜんじいのキャラも秀逸。しかし、物語としては単純で、これといった大きな転換点もなく、起承転結でいうと、転の部分が弱い感じ。しかし、主人公の純粋キャラとぜんじいとの交流に、何かほっこりした。
読了日:01月29日 著者:窪 美澄

やわらかく、考える。 (PHP文庫)感想
モチーフは、柔軟にものごとを見るだろうか。『こうやって、考える。』の姉妹本です。外山さんの名言集です。「流れる水は腐らない」という言葉が気にいりました。動きを失うと活力を失う。これは思考でも行動にでも言えることで、まさしく外山さんらしい名言でした
読了日:01月31日 著者:外山 滋比古

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