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2023年6月の読書日記 おすすめ本紹介しています。

読んだ本の数:14
読んだページ数:4786

今月もたくさん読めました。
新刊の外国の小説から二冊を含め
五冊のおすすめ本を紹介します。

変な絵 は ユーチューブバーの雨穴さんの描いたミステリー作品
絵が鍵になっています。
なかなか読み応えあり







爆弾  呉勝浩  は、爆弾犯と刑事たちの取調室での攻防を描いた秀作
犯人の本音と、謎解きのオチがすばらしい。







寝煙草の危険 マリアーナ・エンリケス は 外国のホラー小説
湿度が高く、どくどくの世界観があった。
新刊です。







じんかん 今村翔吾 は 悪人と言われている松永久秀を描いた時代物
その真実は衝撃的。






エタンプの預言者アベル・カンタン


パラダイムシフトがモチーフ。時代錯誤。白人が人種をわざとスールし黒人文学を褒めるのは黒人差別だという話し。今の時代が切り取られている作品。







以下、読んだ本の簡単なまとめ




ムゲンのi(上) (双葉文庫)感想
感想は下巻に
読了日:06月02日 著者:知念 実希人

ムゲンのi(下) (双葉文庫)感想
モチーフは無限の愛。いや、無償の愛か。家族愛の物語。四人の眠り病の患者がいる。識名愛衣は医者だ。彼女にはユタの能力がある。超能力みたいなもの。患者の心の中に入り、魂の分身〈うさぎ猫のククル〉と一緒にマブイグミに挑む。その人の問題を解明する。四人いるので四つの謎があり、それは一つの大きな謎につながっているという構成です。なかなか楽しい話しで、ミステリーなのですがファンタジー小説でもあります。ただ、オチは気にいらない。
読了日:06月02日 著者:知念 実希人

いつかみんなGを殺す感想
Gとはゴキブリのこと。ある老舗ホテルでイベントのある大切な日、支配人に敵対する副支配人の勢力がホテルに大量のGを放った。その格闘の物語。かなり笑える。人の描き方も丁寧で、まさか、あの儀式をしていた大物歌舞伎役者とGハンターのおばさんの関係がああいう関係とは想像もしなかったし、色んなとこで人間関係が繋がっていて、それが面白かった。会長が変装しなんかいい味を出していた。
読了日:06月04日 著者:成田 名璃子

変な絵感想
絵がいくつか出てきて、そこに謎があります。最後に、話しが繋がるとかなり衝撃があります。かなり優秀なミステリーだと思うし、犯人の殺意などを考えると、これはホラーなのかもしれない。さて、僕はどれくらい、ここに描かれている嘘や謎を理解したのか。何か色んな謎が内包されていると聞いたので半分も消化していないのかもしれない。それでもかなり楽しめた。売れているのがわかる本です。
読了日:06月06日 著者:雨穴

エタンプの預言者感想
世に埋もれた黒人作家を紹介した本を出した左翼主義者の元大学の教員の主人公は、彼が黒人であったということを前面に出さなかったことで差別主義者だと揶揄されネットで炎上する。 パラダイムシフトが起こったのを知らなかったと作品の中では言われている。 昔の価値観のまま時間が止まっている。それが誤解されて批判されているということみたいだ。 ここで語られている本質は確かに奥深い。そして、ここには今という時代がスケッチされてもいる。それはとても怖いという印象を持った。
読了日:06月10日 著者:アベル・カンタン

変な家感想
発想が斬新だった。家の間取りが変という話しからじめじめした横溝正史のホラーミステリーみたいな展開になってい く。ここが楽しい。ノンフィクションかもと思いつつ読んでいた自分に気づいた。しかし、分岐点であるメール。女性の話し、実家の間取り、そこからの強引さは力業に近かった。最後は安心できたが、ホラーとしてのほうがいいのではないか。さすがは売れてる本だなと思った。悪くないと思います。
読了日:06月11日 著者:雨穴

マイクロスパイ・アンサンブル感想
猪苗代湖だから猪鹿蝶なのか。三つ揃ったら扉が現れるには爆笑。不思議な国のエージェントの話しと、もうひとつは新入社員のいる世界。不思議扉で繋がってしまう。多幸感のある優しい話しなんだけど、最後で一気に色々と強引に伏線回収してしまう。ちょっと強引では・・・。伊坂さんぽいが、ちょっと不満足。
読了日:06月13日 著者:伊坂 幸太郎

寝煙草の危険感想
海外のホラー短編は日本とは少し違う湿度がある。不気味で汚らしい感じもした。戻ってきた子供たちという短編が良かった。行方不明になったたくさんの子供たちが戻ってくる話し。しかし、五年もたっているのに、年がかわってなくたり、何か時間経過がおかしいし記憶もないし変。大人たちは不気味なものを見るような目線で見るようになりだんだん阻害していくという話しだが、これは長編でも十分にいけそうなくらいの不気味さがあった。他にも面白い作品はあり、井戸のラストとか、ショッピングカートの話しなんか、かなり不気味だった。
読了日:06月15日 著者:マリアーナ・エンリケス

じんかん感想
この男、人がなせぬ大悪を一生の内に三つもやってのけた。と言われた松永久秀。 その悪とは、 主家(三好家)乗っ取り。 室町幕府第13代将軍足利義輝の暗殺。 東大寺大仏殿焼き討ち。 そのすべてを正当化してしまう話しでした。 少し松永をリスペクトしすぎな気がする。 これが事実なら、戦国武将として素晴らしい人物ということになる。ギラギラした松永の欲望とかを読みたかったので拍子抜けした。しかし、面白かった。筆力がある作家さんなので話しが楽しい。 茶器「平蜘蛛」とともに爆死の定番エピソードが書かれてなかつたのも良い。
読了日:06月18日 著者:今村 翔吾

爆弾感想
本屋大賞、直木賞ノミネート作品。連続爆弾事件。霊感があるというスズキタゴサクという男が、爆弾事件を予告した。舞台の中心は取調室だ。刑事とスズキがクイズ形式で質問しあい、事件解決ヒントを得て阻止するというハラハラドキドキの展開です。面白かった。ときどき滲み出てくるスズキタゴサクの本音が澱んでいて怖くイライラさせられる。それは誰しも心の中に持っている爆弾なのかと思ってしまった。ミステリー作品としても優秀だが、この世界から無視されている底辺の人達の本音も語られていた。
読了日:06月20日 著者:呉 勝浩

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)感想
キャラ設定が面白いので引き込まれる。旧校舎というのは、印象として幽霊が出るというのがある。除霊に集められたのが、渋谷だ。たまたま助手になった女子高生の目線で描かれているというのも楽しい。有名な霊媒師や、キリスト教の悪魔祓い、性格の悪い巫女、祈祷をする坊さん。みんな一癖ある。そして、自称霊感少女の黒田さん。ざっくり言うと科学捜査なんだけど、ミステリー要素が少しあり楽しい。ライトノベル程度の出来だが、悪くはない。続きも読みたい。
読了日:06月22日 著者:小野 不由美

墨のゆらめき感想
ホテルマンと書道家の友情を描いた物語。筆耕という仕事は知らなかった。確かに、書道家の書く字は魅力的です。代筆の仕事にホテルマンが介入してからが楽しい。ただ、思ったほど広がりがなくて、二人を分かつ理由である元ヤクザというカミングアウトは、あまりにもありがちで興ざめした。前半の突破力を維持できなかったので少し読後感に不満が混じります。
読了日:06月25日 著者:三浦 しをん

ゴーストハント2 人形の檻 (角川文庫)感想
あいかわらずライトなノリです。今回はかなりホラー色が強かった。“奇怪な人形”と“幽霊屋敷”というホラー映画にありがちなテーマを豪華に組み合わせた。構成とキャラ設定が見事であり、ミステリーホラーとして読み応えある出来に仕上がっています。一巻のメンバーをそのまま採用、それぞれのキャラの役割分担もはっきりしてきたように感じます。主人公のナル、傍観者で語りの麻衣。いがいと優しいぼーさん、巫女の綾子野の存在も見逃せない、和ませ役のジョンのお惚けキャラもいい、麻衣のライバル的な存在の真砂子など個性的です。
読了日:06月28日 著者:小野 不由美

ゴーストハント3 乙女ノ祈リ (角川文庫)感想
ユリゲラーのスプーン曲げが関係してくる。さらに陰陽道。今回は学校で起こる複数の怪異だ。どれも関連性がないように思える。ミステリー的な要素と心霊的、ホラー色もあるので、このシリーズは楽しい。メンバーはいつもと同じ。ナルとぼうさんだけでいいと思えたりするのだが、まぁ、これはこれで・・・。次が楽しみ。
読了日:06月30日 著者:小野 不由美

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