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感想 読書について (光文社古典新訳文庫) ショーペンハウアー多読はあまり良くない。おバカさんへの道にまっしぐらという印象でした。






読書とは、他人にものを考えてもらうことである。したがって、あまりにも読書をし過ぎると、自分でものを考える力が貧弱になってしまう。


いきなり読書批判。
多読は毒なのだそうです。
大切なのは、自分の頭で考えることなのだそうです。

読書 は、 読み手 の 精神 に、 その 瞬間 の 傾向 や 気分 に まったく なじま ない 異質 な 思想 を 押しつける。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.7). 光文社. Kindle 版.


これが読書の問題点。

重圧 を 与え 続ける と、 バネ の 弾力 が なくなる よう に、 多読 に 走る と、 精神 の しなやか さが 奪わ れる。

ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.7). 光文社. Kindle 版.

他者の意見ばかり聞いている状態では、自分の頭で物事を考えることはできていないので、精神の柔軟さは多読によって損なわれるということです。

読書によって得た知識をこのように表現しています。

習得 し た だけの 真理 は、 義手 や 義足、 義歯、 蠟製 の 鼻 や せいぜい 別 の 肉 で こしらえ た 隆鼻術 の 鼻 の よう に、 私 たち に 貼り つい て いる に すぎ ない。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.10). 光文社. Kindle 版.

読書で得た知識は、そのままでは貼りついているだけの知識なので、すぐに欠落してしまうというのです。

だ が 自分 で 考え て 獲得 し た 真理 は、 生まれながら 備わっ て いる 四肢 に ひとしい。 それ だけが ほんとう に 私 たち の 血 となり、 肉 と なる。 考える 人 と、 単なる 物知り との 違い は ここ に ある。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.10). 光文社. Kindle 版.

自分の頭で考えて得た真理は、血となり肉となるとのことでした。

本書の核心はここです。
↓ ↓ ↓

  本 を 読む とは、 自分 の 頭 では なく、 他人 の 頭 で 考える こと だ。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.10). 光文社. Kindle 版.



人生 を 読書 に ついやし、 本 から 知識 を くみとっ た 人 は、 たくさん の 旅行 案内書 を ながめ て、 その 土地 に 詳しく なっ た 人 の よう な もの だ。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.11). 光文社. Kindle 版.

反発したくなる意見ですが、ここは素直に受け入れることとします。
ようするに、本で得た知識をそのまま知ったつもりになり、忘却に任せるのか、それとも頭に定着させて自分のものにしていくのかですね。

多読の危険性をこのように説明しています

読書 は 自分 で 考える こと の 代わり で あり、 精神 に 材料 を 供給 する。 その 場合、 私 たち に 代わっ て 他人 が 考え て くれる が、 その 思考 法 は 常に 私 たち とは 異なる。 だからこそ、 多読 に 走る べき では ない。 精神 が 代用品 に 慣れ て、 それ に かまけ て 肝心 の テーマ を 忘れ、 他人 の 考え で 踏み 固め られ た 道 に 慣れ、 その 道筋 を 追う あまり、 自分 の 頭 で 考え て 歩む べき 道 から 遠ざかっ て しまわ ない よう に する ため だ。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.14). 光文社. Kindle 版.




本 を 読ん でも、 自分 の 血 となり 肉 と なる こと が できる のは、 反芻 し、 じっくり 考え た こと だけ だ。   ひっきりなしに 次々 と 本 を 読み、 後 から 考え ず に いる と、 せっかく 読ん だ もの も しっかり 根 を 下ろさ ず、 ほとんど が 失わ れ て しまう。 概して 精神 の 栄養 も 身体 の 栄養 と 変わり は なく、 吸収 さ れる のは、 摂取 し た 食物 の せいぜい 五十 分の 一 に すぎ ない。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.99). 光文社. Kindle 版.

じゃ、どうしたらいいのか


本 を 読ん でも、 自分 の 血 となり 肉 と なる こと が できる のは、 反芻 し、 じっくり 考え た こと だけ だ。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.99). 光文社. Kindle 版.

「反復 は 勉学 の 母 で ある」。 重要 な 本 は どれ も みな、 続け て 二度 読む べき だ。


ショーペンハウアー. 読書について (光文社古典新訳文庫) (p.106). 光文社. Kindle 版

本書から得た教訓

多読は良くない
良書は丁寧に読み自分のものにしていく




2022 12 24
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