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感想 エリザベス女王の事件簿バッキンガム宮殿の三匹の犬 S・J・ベネット 90歳の英国女王、王室職員殺人事件と消えた絵画の謎に挑む!



この作品の魅力は、なんと言っても探偵がエリザベス女王だということです。
この90歳の女王が魅力的に描かれています。
秘書官補の女性が探偵助手となり、情報の収集活動を行います。
女王は、事件の解決だけをしているわけではなく
公務もしていて、その忙しい中で事件に関与するというのがいい
そして、手柄は部下や警察に差し出します。
絶対に表には出ません。

90歳の英国女王、王室職員殺人事件と消えた絵画の謎に挑む!

この二つの事件が関わってくるあたりで物語は楽しくなってきます。

絵画盗難の話しは、軍の展示会で自分の絵を見つけたのがきっかけ
自分の絵のはずなのに、軍の所有物になっていたのです

そこで組織的な犯罪組織があることを見つける
いらなくなった物品とかを勝手に窃盗し売ることがなされていたみたい
本来なら、このヨットの絵も駄作だし、放置されたり忘れられたりする運命で
盗まれ転売されても誰も気づいたりなんかしないはずでしたが

女王は記憶力が人とは違う
それに自分が乗っていたヨットの絵なので覚えていたのです。

その窃盗団と、王宮のプールで殺害されたハウスキーパーの事件が関わってくる
この被害者、元は絵画の管理の担当で、かなり美術関係の専門知識を持っていたのでした
それが左遷されて・・・
大学院を出た博士が家政婦みたいなことをしていたというのが
僕は一番驚きました。

本書の面白いところは、作者が英国の王室に精通している点です
だから、ディテールが細かい
描写が具体的で、まるで王宮にいるみたいな雰囲気を味わうことができる。

人物も魅力的で
この三匹の犬は、女王を支える三人の執事というのかな高官の人たちのことで
とくに有能ではないのですが、この雰囲気が王室という感じです

ただ、第一弾に比べると本書は若干落ちるような気もしないでもない。
この雰囲気にも慣れてしまい少しマンネリを感じるのかもしれません。

2023  4 4



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