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2024年2月の記事一覧
感想 兇人邸の殺人 今村昌弘 兇人邸に侵入したのはいいが、そこには殺人鬼の巨人がいた。彼らは殺される。だが、何故か死体は首なし。犯人は人ではないのか。無理設定の中、本格推理がさく裂する。
今村昌弘さんの描くミステリーは少し変わっている。 僕の好きな屍人荘の殺人ではゾンビが出てきたし、今回は巨人が出てくる。 ミステリー小説だし、閉鎖空間が作り出されて、そこで殺人が発生するのも従来の形どおりなのだが、何か違う。 この異形の存在とは巨人なのでした。 調査に来た面々は、この巨人に襲撃されます。 そして、ホームズとワトソンの関係でもある葉村譲と剣崎比留子は別れ別れになってしまう。 葉村譲は、みんなとともに新館に逃げ込む。 剣崎比留子は巨人のいる旧館に取り残される。
感想 まいまいつぶろ 村木 嵐 徳川吉宗の息子9代将軍家重は障害のためまともに話せなかった。彼の通訳を務めた大岡忠光。これは二人の友情物語である。何度も何度も泣きそうになった。これは時代小説の傑作です。
徳川家重と、その用人である大岡忠光の友情と苦難の物語でした。 直木賞受賞作です。 家重というと障害があったため、父の徳川吉宗になかなか跡目を譲ってもらえなかった愚鈍な将軍という印象で描かれていることが多い人物ですが、本書では言葉は話すことができないが有能な人物として描かれている。 家重の正室京の伏見宮の姫、比宮(なみのみや)の家重評が強烈です。 しかし、そんな家重に最終的には姫は愛情を抱くようになる。それは家重の優しい性格を理解したからだと思う。 用人の大岡忠光は、あ