マガジンのカバー画像

本の感想

833
読んだ本の感想とか・・・
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

感想 帝国妖人伝  伊吹亜門 事件が起こる。そこには小説家那珂川二坊がいる。これ…

時代は明治から昭和にかけて・・・ 事件が起こる。 そこには小説家の那珂川二坊がいる。これは…

武藤吐夢
2か月前
28

感想 うつくしが丘の不幸の家 町田 そのこ 引っ越して来た夫婦に、ここは不幸の家で…

これはある家の話しです。そこは近隣住民に不幸の家と呼ばれている家です。 部屋の落書きに、…

武藤吐夢
2か月前
28

感想 訂正する力  東 浩紀 一貫性を重視する日本だが、今こそ意見の変更。つまり訂…

一度言ったら意見を変えるな! みたいな文化が日本にはある。 日本には修正を嫌う文化があるよ…

武藤吐夢
2か月前
24

感想 ゼロ打ち  相場 英雄 今、話題の選挙の裏金の話し。あの大池知事って、小池さ…

選挙の話しです。 視点は二つあります。選挙の報道をしている女性記者と、新人候補の選挙参謀…

武藤吐夢
2か月前
15

感想 リラの花咲くけものみち  藤岡 陽子 ひきこもりの少女が、祖母の庇護の下、獣…

僕は、中年の女性作家の描く作品があまり得意ではない。 理由は、ときどき描写や主人公の態度…

武藤吐夢
2か月前
21

感想 八月の御所グラウンド  万城目 学 御所のグラウンドで毎年行われる謎の草野球…

万城目さんのホルモーシリーズが大好きです。 今回、その万城目さんが直木賞受賞ということで…

武藤吐夢
2か月前
24

感想 兇人邸の殺人 今村昌弘 兇人邸に侵入したのはいいが、そこには殺人鬼の巨人がいた。彼らは殺される。だが、何故か死体は首なし。犯人は人ではないのか。無理設定の中、本格推理がさく裂する。

今村昌弘さんの描くミステリーは少し変わっている。 僕の好きな屍人荘の殺人ではゾンビが出てきたし、今回は巨人が出てくる。 ミステリー小説だし、閉鎖空間が作り出されて、そこで殺人が発生するのも従来の形どおりなのだが、何か違う。 この異形の存在とは巨人なのでした。 調査に来た面々は、この巨人に襲撃されます。 そして、ホームズとワトソンの関係でもある葉村譲と剣崎比留子は別れ別れになってしまう。 葉村譲は、みんなとともに新館に逃げ込む。 剣崎比留子は巨人のいる旧館に取り残される。

感想 15歳のテロリスト 松村涼哉 少年法については問題もあるのですが、それをモチ…

人を殺害したのに、犯人が少年だから・・・というケースで、嘘みたいに軽い刑に驚くことがある…

武藤吐夢
3か月前
21

感想 ビジネス教養としての最新科学トピックス  茜灯里 広く浅く最新の現代科学の…

最新の科学技術の最先端を知るのは興味深いのですが、たいていは難解で途中で嫌になります。 …

武藤吐夢
3か月前
27

感想 小さな町 ソン・ボミ どうして母は、こんなにも過保護なのか。過去と現在を交…

最近の韓国文学は深刻な韓国の社会問題をモチーフにすることが多く面白いのだが、どうしても彼…

武藤吐夢
3か月前
21

感想 夢をかなえるゾウ4~ガネーシャと死神 余命三か月と宣告された男の前に現れる…

シリーズ第四作。 今回の対象者は余命三か月の男。 死ぬのがわかってて努力とかするのかなと…

武藤吐夢
3か月前
24

感想 牧師館の殺人 アガサ・クリスティー ミスマープルものは地味だが、よく細部ま…

アガサクリスティーの作り出した探偵は二人いて ポアロとミスマープルなのです。 僕はどちら…

武藤吐夢
3か月前
41

感想 てらこや青義堂師匠走る 今村 翔吾何故、元忍者が寺小屋の師匠になったのか。弟…

寺小屋の師匠と、かなり癖のある弟子たちの物語。 この師匠、元忍者の公儀の隠密。 しかし、…

武藤吐夢
3か月前
25

感想 まいまいつぶろ  村木 嵐 徳川吉宗の息子9代将軍家重は障害のためまともに話せなかった。彼の通訳を務めた大岡忠光。これは二人の友情物語である。何度も何度も泣きそうになった。これは時代小説の傑作です。

徳川家重と、その用人である大岡忠光の友情と苦難の物語でした。 直木賞受賞作です。 家重というと障害があったため、父の徳川吉宗になかなか跡目を譲ってもらえなかった愚鈍な将軍という印象で描かれていることが多い人物ですが、本書では言葉は話すことができないが有能な人物として描かれている。 家重の正室京の伏見宮の姫、比宮(なみのみや)の家重評が強烈です。 しかし、そんな家重に最終的には姫は愛情を抱くようになる。それは家重の優しい性格を理解したからだと思う。 用人の大岡忠光は、あ