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感想 八月の御所グラウンド  万城目 学 御所のグラウンドで毎年行われる謎の草野球大会。その目的は、そこに参加する謎のメンバーの正体は?。直木賞受賞作品。

万城目さんのホルモーシリーズが大好きです。
今回、その万城目さんが直木賞受賞ということで興味を持ち読んでみました。

最初の高校生の駅伝で新選組が斬り合いをしているアレが、次の草野球大会と、どう繋がるのかは意味不明ですが、物語のモチーフには心揺らされました。

主人公の友人が言います。

俺たち、ちゃんと生きてるか?。


この言葉が刺さりました。


毎年、夏に御所のグランドで草野球大会が開催されます。
真夏の京都です。暑いです。メンバーもなかなか集まらないのですが、何故か試合は成立します。毎回、どうしてだか人が集まるというのです。

彼らのチームの場合、中国人の女性の助っ人とは別に、どこからか三人の男たちが集ってきました。
その中の一人が、すごい球を投げる。

中国人女性が、あれは沢村栄治だと言います。
確かに、写真も投球ホームも沢村のものでした。

他の二人も死んでいました。みんな前の戦争で戦死していたのです。

夏だからか・・・。
お盆だしな・・・。
野球したかったんだな・・・。

なんとなくフィールドオブドリームスのような雰囲気があり心地よい。
この生き返りの一人が、主催者のお婆さんの死んだ年の離れた兄というのも良かった。

この大会の商品は、その昔、有名な芸者さんだった、そのお婆さんの熱烈なキスだというのだから笑えます。

ホルモーとは違う意味で楽しく、少し切ない物語でした。



2024 2 19
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