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「転職」って、過去と未来の交差点を探すことで、自分の新しい役割を見つけるってこと

実は、前の記事に転職のことも書いてたのですが、あまりに長くなりすぎたのでこの部分だけ切り出しました。

転職って、これからはほとんどの人にとって1回は経験することな気がするから、わたしの不思議な体験を通して、こういう見方もあるんだなってことが誰かに届いたらいいなと思います。


わたしを「見る人」が変われば、わたしの「見え方」は変わる

わたしは、同じ期間で2回転職活動をしています。何故なら、ニュージーランドに行くことが決まっていて、途中でストップせざるを得なかったから(日本にいなかったのはたった1ヶ月なのだけど継続させてもらえなかった…)。

1回目は、Dodaに普通に登録して、カウンセラーと面談して、気になったところに自分で応募していく&紹介されたものに対応していくスタイルでした。このときは「ジェネラリスト」かつ「裁量権」というところがフィーチャーされてて、なぜかスタートアップとかベンチャー系ばっかり紹介されてました。で、決まりそうでなかなか決まりませんでした…。

2回目は、ニュージーランドから帰ってきたタイミングで、なぜか同じ系列のハイクラス転職サービスからスカウトをもらって、今度は大手企業の新規事業ポジションばかり紹介されることに。その人は「英語が喋れそう」「管理職経験あり」というポイントを拾っていたようでした。

わたしという人間は何も変わっていない(書類上も変わってない)けれど、見る人が変われば「見え方」は全然変わるし、その結果紹介される案件が変わって、きっと企業への「魅せ方」も変わっていたのだと思います。

今のわたしが提供できること、これからの自分が欲しいもの

たった3ヶ月くらいだけれど、わたしは転職活動めちゃくちゃしんどかったです。就活と違って一人だし、終わりが見えない。

「今までやってきたことが生かせて」
「これからやりたいことにつながって」
「自分が空白のタイミングで」
「行きたいポジションが空いている」
なんて、奇跡みたいなマッチングじゃんって思っていました。

そもそも書類が通らない。面接では空白期間と派遣社員の経歴を突っ込まれる。1社目の業務が幅広すぎて逆に何できる人かわからないって言われる…(それはたぶん、自分が自分のことをわかっていなかったから)。

でも、今思えばなんとなく落ちた理由はわかる気もするし、結局「縁がないところには行けない」っていうことなんですよね。

基本的に転職というかキャリア採用で問われているのは、

「これまでやってきたあなたの専門スキルが生かせて、ここで働くことで、あなたの望みは前の居場所にいたときより叶えられますか?」

ってことで、そういう物語がしっくりと描ける人は受かるんだと思います。わたしはここの接続が全然うまくできていなかったし、そもそもその会社に本気で行きたいと思っていなかったから、受からなかった(今思えば本当に失礼…)。


でも、2人目の担当者にはじめてあった日に紹介されたBenesseの案件を見たときに、さっきの条件がぜんぶ叶っていて「あれ、これ、わたしへのパスじゃない?」ってふと思ったことを覚えています。

そのときの募集ポジションは、中高校生向けの留学事業で、カウンセラーとか渡航手続きサポートのお仕事でした。このときはじめて、自分のやってきたことが、この会社で役立ちそうって思えたのです。

  • 教育学部を卒業していたこと

  • 英語の中高教員免許をとっていたこと

  • 大手旅行会社で働いていたこと

  • 新規事業の部署にいたこと

  • パンフレットやメディアのコンテンツ制作をしていたこと

  • 新人の教育担当だったこと

  • ベネッセアートサイト直島や瀬戸内芸術祭を通して、ベネッセが伝えたいメッセージに共感していたこと

  • 保育から介護まで、さまざまなライフステージにかかわるサービスの現場を知っていること

そのうえで、わたしのやりたいことや希望の条件もなんとなく当てはまっていて。マイナビでの取材経験や、1回目の転職活動が上手くいかなかったことで、やっと自分にとって必要な条件がわかってきていたのだと思います。

  • もう一度、教育について考えたい

  • できれば「学び」の幅が広く経験できるものがいい

  • 旅の経験が生かせる仕事だと嬉しい

  • 英語を使いながら学べる仕事だったら最高

  • 何かしら世界とつながっている仕事がいい

  • 直島とか瀬戸芸とかアートに関わる事業もやりたい

  • できればフレックス制で働きやすい職場がいい

  • 家から近いオフィスがいい(なんと前の職場から徒歩3分!)

書類を提出してから1ヶ月くらい放置されていたので、「あれ…落ちたかも…」と不安になってはいたけれど、その後無事1次面接を通過して、2次面接も翌日には採用の連絡をもらえて、気づけば転職活動が終わりを迎えていた、という感じでした。


ちなみに転職って新卒の採用活動よりめちゃくちゃスピード感が早くて、誰かが辞めたタイミングもしくは事業拡大のタイミングで募集がかかるので、本当に外からは予測できないし、一瞬しかその「扉」は空いていないんですよね。

にもかかわらず、その枠にすぐ飛び込める自由さを自分が持っていて、しかもこれまでのスキルが生かせて、これからやりたいことにつながる予感もある。「あぁ、結局転職って縁でしかないんだな」と心から思わされる経験でした。

目の前の仕事が、前の仕事からつながっているって気づいたとき。
その仕事を通して世の中を良くしたいっていう想いを持っている自分に気づいたとき。
その役割をわたしが受け取ることで、きっとこの世界に幸せが増える気がするって思えたとき。

わたしにパスが来るかもって思った。
転職って、自分の新しい役割に出会うってことだ。

季節によって衣替えするように、成長して好みが変わるように

わたしはもうこの会社も辞めているけれど、1社目も2社目もどっちも今でも好きな会社です。きっとある程度思い出は美化されるものだけれど、痛みと一緒で、不満って意外と長く覚えてられない気がします。

わたしにとって転職は「その会社が嫌だから辞める」というよりは、「もうそのときの自分に合っていないと思うから場所を変える」というイメージで。すっごくシンプルにいえば、「季節が変わったら、衣替えする」「成長に合わせて環境を変える」というほうが近い感じ。もちろん変わらない人もいるけれど、多くの人は年齢や成長、経験に合わせて少しずつ変わっていくものだから、それはもう受け入れるしかないよねって思っていました。

あと、わたしがいい状態で出ていけば、きっとわたしよりもっと今この場所に合う人がやってくるし、きっと事業部にもいい風が吹くよって思っていたから、あまり悲壮感とかはなかった気がします。


で、その変化のタイミングを見極めるための「おすすめ」は、次に行くときに「これをやろう」っていう何かしらのテーマとか目標みたいなのを決めておくこと。それが完了したら自分の中でアラートが立つから、「もうちょっとその場所にいるのか」「次にいく準備をするのか」自分に問うきっかけが生まれるし、続けるにしても自分が納得して働ける気がします。

わたしの場合、1社目は、「会社員っていうポジションを経験してみる」「新卒切符使ってみたい」「自分で一通り仕事ができるようになる」、2社目は、「自分がやりたいことを見つける」「教育の肩書きを手に入れる」という感じで、すごくシンプルなものでした。あと「この会社には何年くらいいそうかな」っていう時間軸に対しても、だいたい予想通りでした。

大人になると、学年が上がるみたいに明確な「区切り」がないから、自分との約束を持っておくことって、意外と大事だなってわたしは思っています。

自分から変化を起こしていける力が、きっと自分を救ってくれる

少し話は変わるけれど、斎藤一人さんが何かの本に書いていたこと。

人を辞めさせるっていうことに罪悪感持ったりする人がいるんだけど、それはちょっと違うよね。だってそれはその人の次の可能性を奪ってるってことになる。

向いていないのに無理矢理やらせるっておかしくないかい?

変な鎖で縛らないで、「君はこの仕事じゃないよ」って言ってあげて、その人が本当に向いている仕事に早く出会えるようにしてあげればいいんだ。

辞めさせるっていうのも、愛のひとつなんだよ。

なるほどなーって。これ、働く側もそうだよなって思ったのです。自分にこの仕事が向いてないって思っていて、もうこの場所から卒業するタイミングだなってわかっているのにそこにいる。それは自分への愛じゃないなって。

それから、そういう自分でそこにいるって、会社にとっても世界にとっても愛じゃないんです。自分が出ていくことで、そこに「そのタイミングで本当に縁がある人」が入ってくる空白ができる。そして、その瞬間新しい自分が行くべき場所も、同時に必ず用意されているはずなんですよね。

世界はいろんなパズルでできているからこそ、本当にそのときの自分がそのままでぴったりハマる場所が必ずある(それは、いいことばかりではないかもしれないけれど、自分にとって必要な出会いとか経験がセットされているという意味で)。それを探すことが人生なんじゃないかなって思っています。

元音楽プロデューサーで、今はニュージーランドに住んでいる四角大輔さんも同じようなことを言っていました。

「自分らしくいられる場所って考えると難しいけれど、自分が楽でいられる場所を探せばいいんだよ。地球に生まれたんだから、絶対みんなどこかに自分のホームプレイスがある」


それから、自分から変化を起こしていける力って、すごく自分を救ってくれる気がします。すごい無理してるのに我慢してそこにいると、何かしらの外圧が働いて、その場所から無理矢理動かされることがある。そしてそれは、けっこうしんどいことが多い。けれど、自分からその小さな兆しに気づいて変化を起こしていけるなら、意外とスルッと次に行けたりするのです。


変化するのは誰しも怖いものだけれど、変化の先には必ず楽しい出逢いや涙が出るくらいの感動が待っている。そう信じられるようになれば、だんだん自分から変化を起こしていける気がします。

ちなみに、怖さとか不安が大きすぎるときは無理矢理変化はしなくてよくて、「不安だけどなんかワクワクする」っていう感覚はOKのサインです。

わたしもまだまだ「えいやっ…!」っていう勇気が必要なことはたくさんあるけれど、ちょっとずつできることが増えてきたし、これからもっと軽く動けるようになったらいいなって思っています。


そして、変化のタイミングを見逃さないためには、自分のアンテナを普段から磨いておくこと。頭だけでなく、心と身体を動かして、「自分の心地よさ」とか「大切にしたい想い」、「めざしたい世界」を見失わないようにしておくことが大事なんじゃないかなって思います。


というわけで、ノウハウでもなんでもなく、ただのわたしの「転職観」を書いただけですが、これって人間関係とかパートナーシップも同じなんじゃないかなと。

これまでわたしが経験してきたことが、思いがけず誰かの役に立ったり、夢を叶える力になる。そして、その人が全然違う世界で経験してきたことが、わたしの願いを一気に実現させてくれたりする。

「それまでちゃんと自分を生きてきてよかったな」とか、「今このタイミングで出逢えて良かったね」っていう感じ。

そういう出逢いって本当にあると思うし、少しずつわたしの周りでも起きてきているから、そういう奇跡にまだまだ出逢えたらいいなと思っています。


今いる場所に留まっているだけでは出逢えないことがある。だからこそ、一歩踏み出してみる勇気って意外と大切で、世界はその勇気に拍手をして、もっと大きな希望を見せてくれるんだって思っています。

わたしの体験が、誰かのいつかの一歩につながりますように。

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