マスクメロン

サラリーマン。記憶を掘り起こして老化防止。

マスクメロン

サラリーマン。記憶を掘り起こして老化防止。

マガジン

  • ブランチとコヒーレント

    50のおっさんマスクメロンは秋葉原メイド櫻木ねこと出会う。櫻木ねこは本業、看護師の仕事の傍らインディーズアイドルとしてデビュー。マスクメロンは右も左もわからぬままアイドルオタクの大気圏に突入。おっさんはどんな軌跡を辿って燃え尽きるのか。

最近の記事

「ブランチとコヒーレント」のこちら側

という事で、2021年5月4日に始まったこのお話は、2024年1月28日に幕を閉じました。期せずして、日数はぴったり1,000日。ドラマを感じますね。 1,001日目以降は元に戻ってしまったかというとそうではなくて、面白い友達が増えて、30年の空白を開けてまた自分の元に音楽が戻ってきました。 このお話は常に私の一人称視点、私からの一方的な視野、現在形で書くスタイルで統一しました。 これは櫻木ねこさんと私の間というアイドルとファンという関係性すら構築できなかった残念な感じ

    • ブランチとコヒーレント (39)

      エピローグ築42年目の我が家は先月外壁の大規模修繕がようやっと終わり、ベランダにあった作業の足場が取り払われて眺めが戻った。ちょっと前までベランダからは雑木林しか見えなかったのだけど、向かいの丘の頂が削られてそこに3階建ての家が建ち、雑木林は見えなくなってお向かいさんの3階部分がベランダからの眺めになった。 在宅勤務の期間はかなりあったはずなのに相変わらず家には自分がいるスペースは無くて、リビングの片隅にある本棚だけが自分の領域。以前はそこにカメラのレンズやウイスキーが並ん

      • ブランチとコヒーレント (38)

        2024年1月のコヒーレント (1)2024年1月19日、amuLseのプロデューサー兼演者水緒みみさんの生誕ライブ。みみまるさんの生誕はamuLseの新曲発表、そして関係が非常に近かった燎とamuLse最後の対バンで、ファンからの思い入れもひとしお。 自分は結局開演時間には間に合わず、開演から30分後に箱に滑り込む。 燎オタクから見ると、燎の終わりに向けてどれもが「最後の」ライブとなっていく。自分の中では1月15日のライブから徐々にテンションを落ち着かせ、最後のレコード発

        • ブランチとコヒーレント (37)

          2024年1月15日のコヒーレント2024年が始まり、燎のライブも今月いっぱいに限られる。ライブの残り本数は両手で数えられるほどしかない。8ヶ月前に予感していた燎の活動休止は、最初のうちはとうとう来たかという程度の気持ち。 だけどそれからというもの、日々の生活を振り返ってみると、これ無くなるのか、あれも無いのか、これはねこさんがいなかったら無かった、と生活のあちこちに燎が入り込んでいて、徐々にその影響の大きさに驚きはじめている。 ⁂ 「推し」という言葉。 昔から言われる

        「ブランチとコヒーレント」のこちら側

        マガジン

        • ブランチとコヒーレント
          38本

        記事

          ブランチとコヒーレント (36)

          2023年12月のブランチねこさんがアイドルとしてデビューしてからこの1年半程の間で、燎が出演するライブを90回近く観た。その間に17万回以上シャッターを切り、ねこさん果南さんに渡した写真は7,800枚を超えていた。それでも全てではなくて、手元ですぐに取り出せる写真は3万7千枚、撮影したカメラから取り出した生データに至っては10テラバイトを超えている。随分積み重ねてきたものだ。 自分はライブに行く度に写真を撮り、それをねこさんや果南さんに送った。輝いている二人をとにかく記録

          ブランチとコヒーレント (36)

          ブランチとコヒーレント (35)

          2023年8月のブランチ (1)暑い… 2023年の夏は梅雨らしい雨はあまりなく、日に日に日差しは強まるばかり。疫病は普通の病気扱いになり、何度も来た波を経て、徐々に普通の日々に戻りつつある。 自分はというと、低いうなりをあげながら空調が冷やす部屋でひたすらPCのキーボードを叩き続ける。大きく変わったことと言えば、4年間使用した会社貸与のPCが新しい物に交換となり、スコスコ動いて生産性が上がった。そしてコードを書くと、するするっとAIが次の候補を提示してきてくれる。たまに素

          ブランチとコヒーレント (35)

          ブランチとコヒーレント (34)

          2023年6月のブランチ (1)6月に入り、梅雨の季節。以前は独りいそいそとカメラを担いで鎌倉に紫陽花の写真を撮りに行っていたものだけど、去年からはそれよりも燎のライブを最優先して休みの日程を立てるようになった。変われば変わるもので。 6月は中旬に燎の初の遠征、名古屋のライブがあるのだけど、早々に仕事が入ってしまう。1ヶ月以上前に、何とかして行けるようにお客さんに日程変更をゆるっと打診したら、お客さん側の担当の人がめっちゃ調整してくれたものの日程を動かす事は叶わず、有給休暇

          ブランチとコヒーレント (34)

          ブランチとコヒーレント (33)

          2023年5月のブランチ (2)仕事が慌ただしくなり身動きが取れない。というか、今までが自由過ぎたのだろうか。皆の目にも触れなくなれば誰も気にしなくなって消えていくのは世の常で、それは悲しいなと思いつつも仕方ないと思い始めてきた。これがこのお話の結末なのだろうか。 そしてここ数ヶ月、ねこさんを観察している内に寧ろ自分に視点が移ってきて、何やってんだ自分、と思う様になってきた。こう思う事は過去に何度もあって、その度に軌道修正を試みてきたのだけど、果たして今回は。 ⁂ 先週

          ブランチとコヒーレント (33)

          ブランチとコヒーレント (32)

          2023年5月のコヒーレント (1)2023年5月、ゴールデンウィーク。またこの季節がやってきた。ねこさんと初めて出会ったのは5月4日、今日は3日。初めて顔を合わせてから2年が経つことになる。 そして今日はねこさんが以前勤めていた、秋葉原のあのメイド喫茶で臨時の勤務。色々話したい事はあるのだけどそういうお店でもないし、きっと、ねこさんを目の前にしたら何も話せなくなるお決まりのパターンが目に浮かぶ。 もういいや、なすがままで行こう。 ⁂ 自分はそういう記念日的なものに今

          ブランチとコヒーレント (32)

          ブランチとコヒーレント (31)

          2023年4月のブランチ (2)3月から4月は世の年度終わり、年度始めで何かとバタバタしがちだけど自分も例に漏れずで、何かある度にモヤモヤ。特に人事異動が絡むと面倒。チームのメンタルケアは大事だけど、自分は自分で何とかするしか。 悲しき組織の犬。 ⁂ 燎はライブを重ねつつも、更に変化し続けている。今までと傾向が違う対バンに参加したり、アコースティック編成でライブしたり。 毎回趣向が変わり、いつも箱に行くたびに冒険に出るような気持ちになる。けど、何だろう、この感じ。 ね

          ブランチとコヒーレント (31)

          ブランチとコヒーレント (30)

          2023年4月のブランチ (1)燎のライブは何度でも観れるけど、その理由の一つに対バンの凄さもある。 自分が知らないだけで、世の中にはこんなに面白い、素敵な人達が沢山いるんだなと、対バンも今まで以上によく観る様に。 ⁂ 金曜日の夜ではあるけど、18時スタートという日本の会社勤めにはちょっと厳しい時間から燎のライブ。場所は新宿Loft。老舗中の老舗ライブハウス。 自分はインディーズのバンドを30年前に一度だけこの箱に見に行った事があった。けど、歌舞伎町じゃなかったなと調べ

          ブランチとコヒーレント (30)

          ブランチとコヒーレント (29)

          2023年4月のブランチとコヒーレント (1)4月に入った。まだ夜は寒いものの、昼間は服装によっては汗ばむ時もあるくらい。着るものの選択が難しい。自分はダッフルコートか半袖Tシャツか、みたいな極端な物しか着るものがない。イケオジへの道は遠い、というか最近はイケオジになりたいとか思うのもめんどくさくなってきた。いけないな、オヤジをスキップして爺さんになってしまいそうだ。もっと色気付かないと。 ⁂ 燎は一周年を迎え、ライブが行われる。単独公演。 単独は企画も集客も演じるのもき

          ブランチとコヒーレント (29)

          ブランチとコヒーレント (28)

          2023年3月のコヒーレント (3)徐々に暖かな日が増え、周りは花粉症で大変な人々ばかりの三月中旬。 自分がねこさんと出会ったあのメイド喫茶で、ねこさんがまた1日限定で勤務するという。当初は仕事で行けない見込みだったのだけど、私事があり仕事の日程はスリップ、そして仕事帰りにちょろっとだけ寄れるようなスケジュールになった。 その私事は気分がどん底に落ちる出来事で、会社からも休みが。ねこさんのメイド姿をまた見れるきっかけではあったもののラッキーとは到底思えない。 そしてこれ

          ブランチとコヒーレント (28)

          ブランチとコヒーレント (27)

          2023年3月のコヒーレント (1)翌週、またアイドルユニット燎のライブ。 燎は去年2022年3月にデビューして、一年が過ぎる。デビューライブは新宿ReNYという大きなステージだった。あの時はとにかく広いステージと煌びやかな照明に圧倒された。自分はただの観客なのに緊張した。 そして燎は再び新宿ReNYへ。 今日はイベントのトリを務める。一年という時間を経て、主催ではないライブでトリを飾るまでになった二人をなんとかして見届けたい。 会議が終わってすぐに事務所を出れば間に合う

          ブランチとコヒーレント (27)

          ブランチとコヒーレント (26)

          2023年3月のコヒーレント (1)2023年、3月に入る。刻の流れは本当に早い。 燎のライブに行かなくなって20日が経つ。これまでに20日以上燎のメンバーと顔を合わさなかった日は、多分年始の撮影会から再始動ライブまでの間だけかもしれない。 その間に気持ちが何巡かした。何かするときに、時間を空けても良い効果が得られる事は無いと思うことが多いのだけど、気持ちの場合はなんかあるなぁ、と改めて思う。 燎の炭火焼きラジオで投書を読み上げるはねこさんの番。もしも自分の投書が読まれれ

          ブランチとコヒーレント (26)

          ブランチとコヒーレント (22)

          2023年2月のコヒーレント (1)怒涛の1月はあっという間に終わり、アイドルユニット燎の再始動を無事見届ける事ができた。 燎は着実にライブのブッキングを進めていて、正に再始動。平均すると週1回を超えるペースは小休止前と同ペースになってきた。 ⁂ 自分はできる限りライブに顔を出そうと画策するのだけど、既に行けないライブがいくつか見えてきた。残念だけど、まあ仕方ない。 そんな話をオタク連中と話していたら、先輩オタク曰く、無理して顔を出そうとすると金も時間も精神も保たなく

          ブランチとコヒーレント (22)