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継続は力なり!自閉症の男の子とのピアノレッスン

なかなか集中ができません。
もうすぐ一年生。

かわいくて、私はときどき笑いそうになるけど、
少し厳しい顔を見せることにしています。

3秒もしないうちに、すぐ視線がズレます。
ほっぺをそっと持って、くるっと譜面の方に向けます。

そのうち、なんだかんだとひとり言が始まります。

弾きなさい。
見なさい。・・・が続き、

わからないかもしれない、でも話します。
本人はバイエルが②に行ったので次は③に行きたいのです。
バイエルは、元は2冊組の初心者用のテキスト/
うちでは達成感を得るため、6冊に分かれたものを使っています。

「じょうずになって③の本やろ、がんばろ、
お母さん、先に帰っちゃうって。」

「いーやーだー」

「じゃあやりなさい、できるよ、ぜったいできるよ。」

でも、同じことが繰り返されます。

「じゃあ弾かなくていい。やるの?やらないの?」

「やる!」

やりたくてもやれない葛藤が伝わってきます。
でも、そのままにしておいたのでは、弾けるようにならない。

根気も集中力もつかない。

だから今日も言います。
促します。
あの手この手でトライします。

やるの?やらないの?やめる?

いやだ!やる!

でも1分の集中を生み出すことが難しい。
これが今のこの子です。

ただふりかえると、時間がかかっても、
おうちで練習をしてきながら、ここまで進んできました。

必ず変化は訪れます。

少しずつの小さな一歩も見のがさず、
いっしょにがんばっていきたいと思っています。

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〈〈これは2016年9月の記録です〉〉
2020年の今、4年生になった彼は、一人でレッスンを受けています。
準備も片付けもして、テキストを用意してピアノに向かいます。
言葉も、たくさん話せるようになりました。まちがえると、
「もう一回やります。」
と、2冊に増えたテキストを20分間、集中して何度も繰り返します。

私の話をよく聞いて、リズムを覚え、時には私の弾く模範演奏を
動画に撮ってくれたりします。
(お家での練習に使ってもらっています)
6冊あるテキストは⑤に進みました。
ピアノが終わると机に移動して、ワークをやります。

私は本当に楽になりました。
4年前は、やりなさい、見なさい、座りなさい、と、
レッスン時間のほとんどは、声をかけることに費やされていました。

もし今、多動で、集中が続かないお子さんを
育てていらっしゃるお母さんが、この記事を読んでくださっていたら、
私は断言します!
大丈夫!
今の状態は10年も続きません。

学校や療育での先生や友達との関わりなどを通し、
子ども達は日々、成長して行きます。
あれ?これ、先週できなかったのに?
と思うことが、突然できるようになったりします。

私はたまたまピアノですが、本人がやりたいと言うものを、
本人にとって良いと、ご両親が信じたものを、
すぐ結果は出ないかもしれないけど、継続してみてください。

必ず良くなります。

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