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    世界の終りと平成ノート・ワンダーランド|平成最後の五月雨が降る日、僕らは遺書みたいに濡れて空を見る。これは、僕らが書く交換日記だ。|ツイッターの文章書き達がnoteで描く珠玉のエッセイ集|#交換エッセイ集

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記事一覧

Anonymous said 立冬

これは友人のAnonymousが言っていたことだが、彼は冬のアメリカ国防総省からコカ・コーラの赤いラベルにまつわる陰謀を盗み、土曜日の夜、十ミリグラムのポール・モールを…

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6年前
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木箱

Euphorbia lacteaは僕のヒーローだった 彼が死んだ夜、綴化するように 海の向こうでパラソルが開いたのを感じた 雨の日も風の日も両手を広げて 挑むように立っていた …

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6年前
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誠実なストックホルム

「七月四日、君の喪失について」 たとえば 会うたびに少しずつ痩せていく君の影は、真っ黒いロールス・ロイスみたいにどうしようもなく孤独だった。 とか。 そ…

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6年前
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クラムボン・クランブルスは井戸の中、南の島にはサイケが病んでる…

That's what belly belly pancake landing! それは非常にベリー・パンケーキ的な胴体着陸です。 ハロ、クランブルス。 長旅だったね。 「あー、あなたの町では『tod…

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交換日記(7)世界の終りときみを待つ夏の銀河について

<1周目のお題:世界の終りと> 二十一世紀とは、フード・コートに散らばる紙ナプキン。あまりに多くの植物繊維を燃やした僕たちの隙間で、「終末」というのもやはり空回…

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6年前
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Anonymous said 立冬

Anonymous said 立冬

これは友人のAnonymousが言っていたことだが、彼は冬のアメリカ国防総省からコカ・コーラの赤いラベルにまつわる陰謀を盗み、土曜日の夜、十ミリグラムのポール・モールを一箱買ったらしい。
#詩 #現代詩 #散文 #短編 #小説

木箱

木箱

Euphorbia lacteaは僕のヒーローだった

彼が死んだ夜、綴化するように

海の向こうでパラソルが開いたのを感じた

雨の日も風の日も両手を広げて

挑むように立っていた

そののっぺら坊を

僕は愛していたよ
#詩 #現代詩 #散文

誠実なストックホルム

誠実なストックホルム

「七月四日、君の喪失について」

たとえば

会うたびに少しずつ痩せていく君の影は、真っ黒いロールス・ロイスみたいにどうしようもなく孤独だった。

とか。

そういう催涙性を帯びた話を、ね。あの、画素数の乏しいわたしにしないで。

ばたん。

あー。

コーヒーカップを洗わないまま過ごす日曜日がコーヒーカップを洗わないまま終わる。

誰にも優しくない人が、いたらいい

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クラムボン・クランブルスは井戸の中、南の島にはサイケが病んでる…

クラムボン・クランブルスは井戸の中、南の島にはサイケが病んでる…

That's what belly belly pancake landing!

それは非常にベリー・パンケーキ的な胴体着陸です。

ハロ、クランブルス。
長旅だったね。

「あー、あなたの町では『today's agenda?』と挨拶するようです?」

その地で彼は、井戸で暮らすことの楽しさを教わり、余生を過ごす。

内壁にこう書き残した。

『僕の井戸は美しくて、最悪

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交換日記(7)世界の終りときみを待つ夏の銀河について

<1周目のお題:世界の終りと>

二十一世紀とは、フード・コートに散らばる紙ナプキン。あまりに多くの植物繊維を燃やした僕たちの隙間で、「終末」というのもやはり空回りするのであったが、何にせよ臨時ニュースは虚構性を以って博多口に立ち尽くすのみである。

僕はこの駅の、とてつもないクロワッサンの悪臭に辟易する。外来種のパンが発する子猫の擦り寄りにも似た香りは、僕らを動物愛護的な感傷に浸らせようとするの

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