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クラムボン・クランブルズは井戸の中、

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インターネット立てこもり事件簿
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煉瓦の横顔、バス停消失。 / 水槽

おはよう、目
おはよう、鼻
おはよう、口
おはよう、耳
おはよう、ふたつでひとつのぼくらの脳

毎日から毎日へ、
毎日毎日、毎日と呼ぶ毎日へ、飛来する横顔、
煉瓦造りの横顔。

靴下すら探せないのに
玄関すらわからないのに
行ってきますも言えないのに
エレベーター内は雨なのに
駅は真っ暗で
バス停は消えている
のに

光の反射で生きているみたいに
微笑みの角度で死んでしまうみたいに
眼球の後ろから

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1995 / 水槽

like ephemera, your sequences.

「あの人、病気やったけんねえ」

In my urn, in my room,
couldn't even make one move.

「アイスクリームのにおいがするズボンを履いて、いつも優しい人でした」

「クズ」

「one day after one dayのめまぐるしさ、泣いて帰って来るひとびと、彼らにごはんをつくると、な

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Anonymous said 立冬

Anonymous said 立冬

これは友人のAnonymousが言っていたことだが、彼は冬のアメリカ国防総省からコカ・コーラの赤いラベルにまつわる陰謀を盗み、土曜日の夜、十ミリグラムのポール・モールを一箱買ったらしい。
#詩 #現代詩 #散文 #短編 #小説

木箱

木箱

Euphorbia lacteaは僕のヒーローだった

彼が死んだ夜、綴化するように

海の向こうでパラソルが開いたのを感じた

雨の日も風の日も両手を広げて

挑むように立っていた

そののっぺら坊を

僕は愛していたよ
#詩 #現代詩 #散文

誠実なストックホルム

誠実なストックホルム

「七月四日、君の喪失について」

たとえば

会うたびに少しずつ痩せていく君の影は、真っ黒いロールス・ロイスみたいにどうしようもなく孤独だった。

とか。

そういう催涙性を帯びた話を、ね。あの、画素数の乏しいわたしにしないで。

ばたん。

あー。

コーヒーカップを洗わないまま過ごす日曜日がコーヒーカップを洗わないまま終わる。

誰にも優しくない人が、いたらいい

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クラムボン・クランブルスは井戸の中、南の島にはサイケが病んでる…

クラムボン・クランブルスは井戸の中、南の島にはサイケが病んでる…

That's what belly belly pancake landing!

それは非常にベリー・パンケーキ的な胴体着陸です。

ハロ、クランブルス。
長旅だったね。

「あー、あなたの町では『today's agenda?』と挨拶するようです?」

その地で彼は、井戸で暮らすことの楽しさを教わり、余生を過ごす。

内壁にこう書き残した。

『僕の井戸は美しくて、最悪

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