8日目 - 猛者たち、本性発揮。
(前回の記事)
朝の運動時、隣の房と一緒に出るので、僕たち一房は、いつも二房の人たちと一緒になる。この中に、一人の中国人がいた。彼はケンさんと呼ばれており、実に陽気な男である。彼の周囲にはいつも笑い声が絶えなかった。無論、日本語はペラペラで、韓国語も話せる。
彼は不法滞在で早晩、強制送還の身なのだが、捕まったきっかけはひき逃げであった。
今朝、判明したこと。彼のひいた男というのが、僕と同房の刺青氏の同僚だったのである。
「あれ、お前がやったのか……」
刺青氏絶句。