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真っ赤な神宮にいつもの景色は戻ってきたけれど 【4/27 広島戦⚫️】

「きょうはかーぷかー!まっかなじんぐうだね!」と、神宮に向かう道でむすめが言う。「そうだねまっかなじんぐうだね」と私は笑う。神宮はもちろん赤いし、カープはいつもの強さを取り戻していた。そしてヤクルトは、素晴らしく好投のライアンに今日も勝ちをつけなかった。つまり、全てにおいていつもの景色が戻ってきたわけだ。

ライアンは何かを取り戻すように、サクサクとカープ打線を抑えていった。それならばとヤクルトも、サクサクと抑えられていった。サクサク合戦である。思うに、あまりに寒い今日の神宮に集うお客さんたちを、早く帰してあげようという優しさである。私はとりあえず、ホットワインを飲む。CSの時は飲む暇もなく終わってしまったので、寒い日はとりあえずホットワインを飲むことにしている。

まあでも、なんというか、そこそこチャンスで打てず、そこそこピンチが凌げず、そこそこチャンスを作れず、そこそこ負けた試合であった。1点を追う展開というのは、胃的にはそこまで辛いものではない。1点を追われる展開の方が、ずっとずっと胃は痛い。

たぶんそれは、戦う方にとってもそうなのではないかな、と思う。

守るべきものがあると、人は臆病になる。子どもが生まれてから私は、学生の頃のような無茶な旅行は当然さっぱりできなくなった。守るべきものを守るためには、つまりその1点差を守り続けるためには、それなりの覚悟と勇気がいるわけだ。

その1点差を守り、最後にもう1点取るカープというチームは、やっぱり強い。僅差で勝てる、そこにはやっぱり強さがある。(しかし1点差(最終的には2点差)だとカープファンでもどきどきするものなのだろうか。それともこりゃ勝てるでしょと確信するのだろうか。)

いつものようにものすごく大きいチャンスをつぶしたわけでも、ものすごく大きいエラーがあったわけでも、そして最近よく見かけるしぬほど点を取られたわけでも、ない。そして、こちらにヒットがなかったわけでもない。ただ、淡々と、負けた。とても、おとなしく。こういう日もあるよな、と、いつものように、私は思う。

でも、もちろん、ヤクルトはその強いカープに挑んでいかなきゃいけない。いつまでも、強いカープにひるんでいるわけにはいかない。

そのたった1点差を、最後の2点差を、ひっくり返す力はまだなかったけれど、でもヤクルトはきちんと向かっていった。なんといっても、ノーノーだったわけじゃない。(傷が深い。)そしてライアンは8回1失点で抑えてくれた。好守だってあった。チャンスも、多くはないけれどもしっかり作った。まあものにはできなかったけど。でもそこにはあがいた足跡が、しっかり残った。

それは明日につながる、何かになるんじゃないかなと、私は少し思う。打「線」はさっぱり繋がらなかったけど、あがいたその形跡は、いつか何かにつながってゆく。それは、明日かもしれない、明後日かもしれない。もっとずっと、先かもしれない。でもそうして何度も何度も行ったり戻ったりしながら、少しずつ進んでゆくのだ、なにごとも。

さてそろそろ貯金を使い果たしそうなこの人たちのために、次は何のグッズを買えば良いのだろうと考え始めたところにまたいつものシーズンが始まった感がある。とりあえず今日は三者連続本塁打Tシャツでも買おうかな・・・


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