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初夏の北海道〜森散策ツアーで出逢ったものたち〜

【虫のいいはなし】
昨日のこと。
先月から楽しみにしていた「森散策ツアー」に参加した。
5時半起きで、個人的にはこの春5回目となる待ち合わせ場所の森林公園へと向かった。
いつもの森林で、ガイドツアーに参加できるという幸せ。

主催は北海道出身で自然写真家としてご活躍されている高橋レオさん。

レオさんは、関東と北海道を行き来しながら昆虫や生き物の写真を撮影されている、お若いのに落ち着いた雰囲気の、とっても素敵な写真家の御方。

早めに到着したので、森林入口を一人ぐるりと周り、早朝のひんやりとした森の空気を肺いっぱいに吸い込んだ。

風が強く、空は生憎の曇り模様で、気温は13℃。
深夜まで降り続いた雨は葉や地面を濡らし、森の空気はしっとりとした水分を湛えていた。

ぶるりと身震いをして、ポケットに両手を突っ込んだまま、待ち合わせ場所へと引き返す。

レオさんを除く4人が続々と集まり、簡単な自己紹介のあと、すぐに森に入った。

初めに出会ったのは
オオクチカクシゾウムシ

自己紹介で「ゾウムシが好きです」と言ったせいなのか、スタート直後にご挨拶に来てくれたのはオオクチカクシゾウムシ。
頭を垂れ、細長い口吻を脚の間に隠した体勢を取るのが名前の由来。

そして何より驚いたのは、開始わずか15分で驚きと興奮の声が続出した、この大物の登場である。

ミヤマクワガタ♂
この顎の形(先端や歯の部分)は
エゾ型のミヤマクワガタと言うらしい。
羽化して間もない微毛の生えたボディは
6cm超えのビッグサイズ。

何より驚いたのは、この肌寒い時期に樹上でもなく、フキの葉っぱにひっそりと乗っかっていた事…と、葉が陰になっていたのに、レオさんの目には超高性能な虫レーダーが搭載されていて、虫たちをいとも簡単に見つけてしまう事、だった。

「まさか、仕込みました?」

ほぼ初対面にも拘らず、こんな失礼極まりない言葉が出てしまうほど、びっくりたまげた。

その後も小さな虫たちを次々に発見し、カメラを持たない私は、スマホをこれでもか、というほど近づけて接写を試みる。

アイノカツオゾウムシ
愛の鰹象蟲?
真珠のようなクチブトゾウムシの仲間
 ヒゲナガガの♂(左)と♀(右)
オス、長すぎやろ
サッポロフキバッタの幼虫
普通は薄い黄緑〜ベージュで、
黒化した個体は群生するものなのだとか。
フトベニスジヒメシャク
なんで自分には見えないはずなのに
広げたときに赤い線が一直線になるって
わかるんだろう。
晴れ間が差すと大合唱を始めるエゾハルゼミ♂
コガタスズメバチ
非常に大人しく至近距離から撮影し放題だった
コサナエ
眼と眼が離れてるのは
トンボを見分ける大事なポイント。
アカスジカメムシとベニモンツノカメムシ
緊張の出会いの瞬間
蜘蛛の子(before)
蜘蛛の子(after)
散った。

まだまだいるのだけれど、とりあえずバースデーケーキのロウソクをふぅ~~!っと消すように息を吹きかけ、蜘蛛の子を散らしたところまでを一区切りに。

散策しながら、野鳥の声やエゾフクロウ出没ポイントを教えてもらったり、昆虫やカメラ談義をしていたら、いつの間にかスタート地点付近。
時計を見ると4時間が経過していた。

普段はほとんど一人で来ている森を、こうして自然や昆虫に興味のある方々と一緒に回って、見つけて、撮って、喋って。
森の空気の新鮮さだけでなく、人と人との交流に、心に新しい風を吹き込んでくれたような爽やかさを感じた。

本心ではまだまだお話しながら散策を続けたかったけど、今日はここまで。
名残惜しいくらいがまた次の散策に繋がるのだ。
ということで、「また今度ー!」と帰途についた。

虫と自然と人との楽しい出会い。
堪能しました。

しかしながら、あの立派なミヤマクワガタは仕込みだったに違いない。
そう心のなかでは思っている。
(嘘ですごめんなさい)

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