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PdM講座1-3 プロダクトマネージャー(PdM)のバリューとリスク
はじめに
初めまして!現在、株式会社contento というコンサルティング会社で代表を務めている小川正樹と申します。
noteでは、これまで私が複数の会社で働き、そこで得てきた経験について
会社ごとに紹介しながら、プロダクトマネージャーとして学んできたことや日々の持論について書いていきます。
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今回はPDM講座第1回「PdMの心構え」の第3編で、
テーマは「PdMのバリューとリスク」となっています。
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PdMバリュー
まずは、PdMの「バリュー」についてお話していきましょう。
PdMを務める皆さんには、ぜひ次の6つのバリューを意識していただきたいです。
1.承認者やプロジェクトメンバーを「その気」にさせる説明を
プロダクト開発はチームで行うものです。
そして、その中心にいるPdMは、仲間を集め、仲間を巻き込む必要があります。
そのためには、面白く喋れる力、魅力を感じさせる力
=「その気」にさせる会話力・説明力が必要です。
具体的には、
プロダクト開発の背景や市場環境、競合、目的、サービス概要などを
ただ単に伝えるだけでなく、「わくわく感」をもって伝えられる力が必要です。
2.仕事の範囲は自分のタスクだけではない
これまで何度もお話してきた通り、PdMはチームの中心です。
そのため究極のところ、
チーム全体の進捗の管理だけをしていれば良いのかもしれません。
「いつまでにこれをやっとけ」と言うだけで、
回そうと思えばチームは機能するのかもしれません。
しかし、これではチームになりませんし、メンバーからの信頼もついてきませんよね。
真ん中にいる以上は、しっかりと全体を掌握して、必要に応じて必要な支援を提供する必要があります。
例えば、、、
エンジニアが困っていたら、技術面の支援をする
法務から情報が足りないと言われたら、必要な情報を届ける
ヘルプデスクに問い合わせがあったら、聞きに行く
などなど。
このように、メンバー全員の意見を傾聴し、
必要があったらチーム全体を支援することが、PdMには求められています。
メンバー全員の仕事が、PdMの仕事なのです。
3.リスクのリストアップ+分析を忘れない
プロダクト開発の過程では、絶対に上手くいかないこともあります。
そのため、PdMはその対応策を常に考えておかなければなりません。
PdM以外のメンバーは、一分野に特化した「スペシャリスト」であり、
チーム全体のことは見えていません。
だからこそ、全体のことを俯瞰的に捉えているPdMが、
チーム全体のリスク対策を考える必要があります。
リスクが顕在化したときに、対処する術を考えておく。
そして、同じようなリスクが起きないよう、そのリスクの原因を分析し、再発を防止する。
これを徹底して行いましょう。
また、リスクは何かを実行したときにのみ起こるものではありません。
「やるリスク」と「やらないリスク」の両方を意識しましょう。
4.誰も拾わないボールが落ちないように動き回る
スペシャリスト達は、自分の専門分野にすべての神経を注いでいます。
そのため、自分の担当にはもの凄い詳しいですが、
チームやプロジェクト全体を俯瞰して捉えられているわけではありません。
このような状況で、もしスペシャリスト達の間を繫ぐ「架け橋」がないと、
プロジェクトにおいて大切な部分が見落とされてしまう危険性があります。
そこで、チーム全体を俯瞰して捉えるPdMが、
「ここが抜け落ちてるな」と感じたら、真っ先にそのボールを拾いに行く。
チームメンバーとコミュニケーションを取りながら、プロジェクトの全体を管理し、どんなに細かい部分でも見落としがないように動き回りましょう。
5.PdMはコードを書けないしモノも売れない。だからこそ・・・
結局のところ、PdMは何の「スペシャリスト」でもありません。
そのため、コードを書けるわけでもなければ、物を売れるわけでもなく、
かといって、顧客と常に直接会話できる立場でもありません。
そんなPdMだからこそ、
エンジニア、デザイナーら「作り手」や、
セールス、QA(品質管理)ら「担い手」
彼らがいないと、何も生まれないことを肝に銘じておくことが大切です。
自分の手を動かすだけが、決してPdMの仕事ではありません。
あらためて、チームの中心であることを理解し、
「ロジカルな仕事の割り振り」と「最終的なフォロー」を徹底する。
これこそ、PdMが果たすべき役割なのです。
6.「No」とは言わない
プロダクト開発の責任はPdMが握っています。
そのため、最終的なアウトプットであるプロダクトの価値は、
PdMが左右するものです。
だからこそ、PdMは結果に強くコミットし、絶対にあきらめてはいけません。
前例がなかったり、難しいプロダクト開発に取り組んでいたりすると、
技術面のスペシャリストであるエンジニアからは、
「そんな難しいのできません」
「もし失敗しても責任とれません」
と言われることがあるかもしれません。
しかし、プロダクトマネージャーもそれに同乗して、
「できないよね」
「しょうがないよね」
と言っていては、プロダクトの価値が下がってしまいます。
最終的なアウトプットを評価してもらうためには、
妥協せず、結果に強くコミットする姿勢が大切です。
そのためには、他のチームメンバーの目線を絶対に下げさせない。
「できない」ではなく、「どうやるか」「いつやるか」。
この視点を持ってメンバーに向き合うことが大切です。
一番成果を出したいのは自分、一番頑張っているのも自分。
この気概を持ちましょう。
PdMが遭遇するリスクあるあると対策
続いて、よくあるリスクとその対策についてご紹介します。
PdMとしてプロダクト開発の「責任者」を務める以上、
思いがけないリスクに遭遇することは日常茶飯事です。
そのため、どんな潜在的リスクが潜んでいて、その対応策は何か、
あらかじめ理解しておく必要があります。
代表的なリスクとその対策としては、次のようなものが挙げられます。
納期遅れ
←実現可能なスケジュール作成、定期的なスケジュール⾒直し・微調整基準以下の品質
←品質基準書の作成、定期的な品質の点検、計画的な総合テストの実⾏予算オーバー
←早めの⾒積もり取得、相見積もりの取得、定期的なコスト消費チェックリソース不足
←必要な人員リソースの早期確保、定期的なリソース状況の把握と対策想定外の事故トラブル
←そもそもの計画やスケジュールの⾒直し、定期的なリスク要因早期刈り取り個人情報漏洩
←セキュリティ上の問題点の確認、契約締結利害関係者とのトラブル
←契約書での作業内容・成果物の具体的明記
そして、これらすべてのリスクに共通して、
以下2つの対策が非常に重要なカギを握っています。
ステークホルダーとの綿密なMTG、議事録作成
定例会の開催(認識のズレの撲滅と、課題の定期的な把握)
この2つが抜け落ちていると、防げるリスクも塞げなくなってしまします。
そのため、まずはこの2つの対策をしっかりと肝に銘じておきましょう。
まとめ
今回でPdM講座の第一回「PdMの心構え」が終了となります。
いかがでしたでしょうか。
もし、まだお読みでない方がいましたら、ぜひこちらの記事も読んでみてください。
おさらいすると、
PdMとは『プロダクト創造と進化の総責任者』であり、
プロダクト開発に一貫して携わる唯一の職掌です。
そして、そんなPdMのミッションは、
『顧客中心主義』に基づくプロダクト開発を通じて、
ビジネスの成長と顧客満足を両立させることにあります。
そのためには、
今回お伝えした6つのPdMバリューと、よくあるリスクとその対策を
しっかりと把握しておいてください。
次回からは、PdM講座第二回『ビジネス開発基礎①』というテーマのもと、
ビジネス開発の基本的な考え方や、ビジネスモデルなどについてご紹介するつもりです。
ぜひそちらもご覧ください!
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