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PdM講座1-2 プロダクトマネージャー(PdM)のミッション
はじめに
初めまして!現在、株式会社contento というコンサルティング会社で代表を務めている小川正樹と申します。
noteでは、これまで私が複数の会社で働き、そこで得てきた経験について
会社ごとに紹介しながら、プロダクトマネージャーとして学んできたことや日々の持論について書いていきます。
小川のTwitterです。よろしければフォローお願いします! https://twitter.com/musan634
今回はPDM講座第1回「PdMの心構え」の第2編で、
テーマは「PdMのミッション」となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1717667795165-k0e1fdWnXt.png?width=1200)
PdMのミッションとは?
PdMが果たすべき使命とは何でしょうか?
私は、PdMのミッションを次のように考えています。
ビジネスモデルとテクノロジーを駆使して、
『顧客』の期待を超えるプロダクトを創り、
『顧客』が欲しがっている価値を提供する。
そして、幸せな『顧客』を増やすことで、
『顧客』からお戻し頂く⾦銭的価値の回収(収益)を増やし、
事業を成⻑させること。
ここで注目してほしいのは、何度も出てきた『顧客』というワード。
前回の記事でもお話した通り、「提供者側が提示する価格」と「顧客が感じる価値」はまったくの別物です。
そのため、ビジネスとして成り立つプロダクトを作るためには、
提供する側の自己満足で終わるのではなく、
顧客視点で良いと思ってもらえるものを作る必要があります。
だからこそ、この『顧客視点』がPdMとして最も大切なスタンスなのです。
良いPdMとは?
ここまで見てきたように、PdMのミッションというのは多岐にわたり、
決してその全てを1人で果たすことはできません。
そして、プロダクトはチームで作るものです。
だからこそ、チームとして最大限の成果を上げるために、
チームメンバーの良いところを引き出せる人が『良いPdM』として挙げられます。
そして『良いチーム』に必要な要素を備えるために、
PdMは次のような役割を果たす必要があります。
プロダクトの目的(ビジョン・ゴール)が明確
⇒「何のためのプロダクトなのか」「どんな価値があるのか」を説明し、チーム全員が理解している状況を作る目的に向けてやるべき道筋(プロセス・戦略)が明確
⇒「どういう風に達成するのか」、そのプロセスを明確に説明するチーム内で「作業内容」「役割分担」を共有している
⇒集めたメンバーがバラバラに動くのではなく、
「どんな作業が必要なのか」「誰が何をやるのか」を明確にする事前の各所調整がヌケモレなく⾏えている
⇒各部署のメンバーが各々の仕事をしやすいような環境を作るイレギュラーケースの発生時に即応できるチーム⼒がある
⇒「緊急事態だから、皆で乗り越えましょう!」と主体的に動いてくれるような関係を作る
などなど。
とはいえ、こういったチームワークというものは、
チーム間でののコミュニケーションがきちんと整っていれば、後からついて来るものです。
だからこそ、ただの「寄せ集めたメンバー」という関係性ではなく、
PdMから積極的にコミュニケーションをとって、「仲間」になっておくことが何よりも大切なのです。
PdMはプロダクト開発の中心
プロダクト開発チームはPdMを中心に、次のようなメンバーから構成されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1715251367273-eWRWwYEORF.png)
この際、各メンバーはそれぞれ異なる主張を持っています。
例えば、
エンジニアの人達は「最新の技術にチャレンジしたい」と考える一方、
QA(品質管理)の人達は、「難しい最新の技術は品質が落ちるリスクがあるのでは」と考え、エンジニアの意見に賛同できなかったり。法務の人は法律順守を最優先に考える一方、法律を気にしすぎて安パイ
になりすぎてしまい、収益に繋がるようなプロダクトができなかったり。
などなど。
そこで、それぞれのメンバーが抱える思いをまとめ、
チーム全体を1つの方向に向けることが、PdMには求めらます。
1人のメンバーだけがボールを持ち続けるのも良くないですし、
お⾒合いになってボールが落ちてしまってもいけません。
そこで、PdMがチームバランス全体を見て、各メンバーをフォローし、
落ちそうになったボールをひたすら拾う。
つまり、PdMがチーム全体のハブとなって、コミュニケーションを漏らさず接続することが、チームとしての成功のカギを握っているのです。
PdMのスキルセット(全体像)
ここまでを踏まえると、PdMに必要なスキルセットの全体像は、
次のような図で表すことができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1715251297850-wWQyjA2T2k.png?width=1200)
「経営視点・視座」=お金を儲かる仕組みを理解していなければ、
お金になるプロダクトが作れませんし、
「事業開発/市場開発」=売るための知識がなければ、
たとえどんなに良いプロダクトを作っても売れませんし、
「技術知識/業務知識」=各メンバーの業務についての理解がなければ、
チーム全体のバランスを取ることができません。
そのため、どれか1つだけを持っていればいいのではなく、
PdMはこの3つすべてについて理解しておく必要があります。
もちろん、これらすべての専門家である必要はありませんが、
一定程度の知識がないと、メンバーに対して説明することができないので、
最低限の知識は備えておくことが大切です。
そして、これら3つの視座・視点を持って、
チームをまとめ、引っ張れる力=「コミュニケーション能力」。
これこそが、PdMに最も重要なスキルと言えるでしょう。
PdMへの小言
ここからは、PdMを務めるにあたって、
気を付けて欲しいポイントをご紹介します。
・チーム内で上下関係や受発注の関係があってはならない
会社では良くありがちな関係ですが、
このような関係になってしまうと、チームっぽさがなくなってしまいます。
皆さんもご経験があるかもしれませんが、単純なアルバイトのような関係性だと、「自分から動こう!」とは思わないですよね。
メンバーからの主体性を引き出すためにも、上下関係や受発注の関係を作るのではなく、「対等なメンバー」としての関係性を作りましょう。
・他責はNG
PdMはエンジニアでもなければ、営業マンでもなく、
決して何かの「スペシャリスト」ではありません。
そのため、言おうと思えば「その道のプロじゃないから分かりません」
と言うことだってできます。
しかし、チームの中心である以上、このような他責思考は許されません。
分からなければ調べたり、詳しい人に聞きに行ったりと、
「分かんないです」で終わらせるのではなく、
聞かれたことには、きちんと責任をもって答えられるようにしましょう。
・傷を舐めあったり、責任転嫁するべからず
PdMに他責が許されないのと同様、
チーム間でも責任転嫁があったり、慰め合ったりする関係でもいけません。
何度もお話してきた通り、
プロダクト開発はチームで行うものであり、
チームである以上、「プロダクト」の目的を実現するまでのプロセスは、
プロダクトチーム全員で作るものです。
そのため、良いプロダクトを作るために、必要なことはきちんと言い合える
「配慮はするが遠慮はしない」
そういった「ものづくりのための意⾒交換は徹底的にできる」チームワークを作りましょう。
・推進力、実行力が大事
PdMはチームの中心であり、外部から支持を送る「コンサルタント」ではありません。
そのため、考えるだけ考えて「あとはよろしく」では許されないのです。
たとえどんなに良い戦略があっても、それが本当に市場で通用するのかどうかは、実際にやってみないと分かりませんよね。
だからこそ、PdMは頭でっかちになるのではなく、
プロダクトを作る方法、売る方法を考える戦略の立案から、
自分で仲間を巻き込んで、一緒に実行するところまで、
一貫して担う必要があります。
こうした推進力・実行力もPdMに大事な要素の1つです。
・最終的な指示、決断(コミットメント)の責任を持つ
何度もお伝えしてきましたが、PdMはプロダクト開発チームの中心です。
そのため、最終的に何かを決める決定権は、PdMが握っています。
他のメンバーは、それぞれの分野のスペシャリストであり、
それぞれの専門分野に注力して全力を注いでいます。
そうである以上、全体のバランスを把握しているのは『PdMただ一人』であり、
だからこそ、全体のバランスを見て、最終的に意見を出すのはPdMでなければなりません。
この責任からは決して逃げてはいけません。
「PdMが決めなくて、誰が決めるのか」
このことは肝に銘じておきましょう。
ただし独善はNG。
メンバーの意見も傾聴したうえで、最終的な意思決定を下すようにしましょう。
・決断(コミット)の回数にPdM力は比例する!失敗を恐れず進もう!
こうして、最終的な決定はPdMが下す以上、
決断した結果として、失敗することがあるかもしれません。
しかし、失敗は決して悪いことではありません。
PdMというのは、決断(コミット)と失敗の回数に比例して成長するものです。
逆に言えば、失敗しないとPdMとして成長することはできないのです。
だからこそ、失敗を恐れず決断し、
失敗したら結果を分析して、次につなげる。
これを繰り返して成長していきましょう!
最後に
今回は「PdMのミッション」というテーマのもとお話してきました。
PdMのミッションは、「顧客中心主義」に基づくプロダクト開発を通じて、
ビジネスの成長と顧客満足を両立させることにあります。
そして、これを実現するためには、
チームメンバーの強みを引き出す
プロダクト開発の中心としてコミュニケーションを重視する
全体のバランスを見ながら適切な判断を下せる
そんな『良いPdM』になる必要があります。
そうなるためにも、今回お伝えした『PdMの小言』を意識して、
必要なスキルを身に着けていきましょう。
今回の記事では、PdMのミッションや役割について詳しく解説しましたが、
次回の記事では、そんなPdMが意識するべき「バリュー」や、よくある「リスク」についてお話していきたいと思います。
ぜひお楽しみにしていてください!
また、そんな『良いPdM』になることを目指している方に向けて、
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この機会に一緒に学び、成長しましょう。
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