インド物語−コルカタ⑤-

画像1 切符を買いに来た街で、あっと思ったときには道に迷っていた。しばらくして通りかかったインド紳士に声をかけられ彼のオフィスでコーヒーをご馳走になった。私はチャイをのまないんだ、と彼は言った。太りたくないんでね。それから日本車について熱っぽく語り始めた。話の間に別の若い紳士がバラナシ行きの列車のチケットを買ってきてくれた。お金を払うといっても受け取ってもらえず何度もお礼を言った。彼らは気をつけるんだぞと、ただ私の旅を労ってくれた。それで乗り込んだ列車には車窓の光を浴びた女の子が母親と二人西へ向かっていた。

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