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ブスに彼氏が居ちゃダメですかepisode8

人気者の過去

彼氏は中学3年の時イジメられていた。
私と付き合っているときだった。
理由は、彼氏の女好きのせい。
私と付き合う前に、同級生の子と付き合っていたのだけれど、あろうことかその子のお姉ちゃんのことを好きになってしまい、まさかの告白。
お姉ちゃんには断られたけど、その同級生は怒って別れた。当たり前だよね、そんなの。

それでも怒りが収まらなかったその子は、クラスの男子に相談。その男子が先輩に相談。
結果、彼氏は呼び出されて殴られる。
何が起きているか把握できていない私は、次の日学校に登校してきた彼氏の顔を見て初めて大変なことになってると分かった。
彼氏は「大丈夫」と言って笑ってたけど、それから同級生からも無視されるようになった。
今まで一緒にいた友だちは離れ、地味な男子グループに入ろうとするけど、そこでも無視されて、ただ男子の輪の外にそっと立っているだけになった。
それでも私と話す時は明るかったけど、たまに弱音を漏らす時もあった。
だけど、そんな状態が続いても彼氏は休まず学校に来ていた。

どのくらい続いたのだろう。
とても長く感じた日々。
ある時から、1人、2人と彼氏と話してくれる男子が現れるようになった。
元々仲良くしていたグループの男子からも少しずつ話しかけられて、だんだんと彼氏の周りに友だちが戻ってきてくれた。
同じ教室で1人寂しそうに佇んでいる彼氏を見るのは辛かったから、本当に安心した。


こんなこともあった。
部活を引退した夏。
彼氏と同じ高校に入りたくて通うことになった塾。そこで、有り得ない出会いが待っていた。
うちの学校からの生徒は私一人だったけど、他に2~3校の生徒たちが通っていた。
その中で、重めの前髪が良く似合う目がクリっとした女子に声をかけられた。
「Aちゃん、□□中なの?Bくんっているよね?知ってる?」
まさか、こんな塾で彼氏について聞かれるとは思っていなかった。
知ってるよとだけ答えると、その子はなんと彼氏のことが好きだと言う。
部活の練習試合かなにかで、その子の学校に来ていた彼氏を見て好きになったらしい。

「彼女いるのかな?」
心臓がドクンと、大きく動いた気がした。
まさか「私が彼女です」なんて、口が裂けても言えないと思ったので、彼女はいるみたいと答えた。
その子は、えー!と残念がっていた。けど、諦めたりはしなかった。
塾に行く度、「彼女と別れそう?」と、目の前にいるのが彼女とも知らずに現状を探られていた。
申し訳ないと思ったけど、塾を辞めるまで秘密にしていた。

中学3年の一年の間に、なかなか起こりえないような出来事に遭遇し、揉まれながら私たちは別れることなく恋人でいた。
ただ一度だけ、私は彼氏と別れようと思ったことがあった。


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