村上友哉(明日、照らす/さよならパリス)

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村上友哉(明日、照らす/さよならパリス)

noteは連載的なもの用。 ブログ『硝子戸の中』  http://blog.asstellus.com/ 2YOU magazineにてコラム  『セックスとシンボル』連載中。 毎月20日更新  https://2youmagazine.com

最近の記事

歌詞を書くことについて⑤完結編

⑤ 完結編 ・個人的に思ういい曲とはなにか ・歌詞のオリジナリティとは ・歌詞を書くことについて 僕は歌詞を書くのも読むのも好きで、 今でも英語の歌詞を翻訳してみたり、 知らない誰かの歌詞カードを読んでは 「こういう意味なのかな?」 と空想に浸る事も多い。 振り返ると中学生の時、 寝る前に 国語便覧(作家のディスクガイドみたいな本)をよく読んでて、 「こんな本なのかなあ。 こういうことを言いたいのかなあ。」 と夜な夜な空想に耽っていた 変な子供だった。 友達の家に行っては

    • 歌詞を書くことについて④実践編3

      ④実践編3 ・シーンとオチを考える ・シーンの切り取り方 ・言葉の必然性 これで歌詞を作るパーツは揃いました。 次の作業は さっき作ったキーワードを並べて、 シーンを作っていく。 当たり前だが曲って結局、 シーンのブロックでできてるというか、 ABCメロ、サビ毎の シーンのブロックがあり、 それを積み重ねて一つの歌詞になっている。 ここからはある意味で 映画監督の編集作業です。 このストーリー(歌詞)を通して、 監督(君)は何が言いたいのか。 キーワードから作った シーン

      • 歌詞を書くことについて③入門編2

        ③入門編2 ・キーワードを見つける ・固有名詞は歌詞の奥行き ・大衆性と個性のバランス テーマが決まったら、 次はそのテーマに沿った キーワードを出していく。 仮に 『僕のコートニー・ラブについて』 を例にして出してみよう。 彼女はどんな子なのか、 彼女とどんな事をしたのか、 彼女を見てどう思ったのか、 彼女は…、彼女は…、 「とにかくよく話す」 「ご飯を食べに行った時に俺よりもご飯を食べた」 「メールでハートを使ってくる」 という文章でも、 「白いワンピース」 「コート

        • 歌詞を書くことについて②入門編1

          ②入門編1 ・テーマを決める ・タイトルとサブタイトル ・テーマをストックする まず僕の中で歌詞を作る時に 一番大切なものはテーマで、 ここが決まらないと何も始まらない。 例えば 「恋した時の歌。 恋をすると あの子が白いワンピースを着てして、 僕の色の薄いジーパンと並ぶと カート&コートニーみたいに見えない?と思えるほどに人間は浮かれる。」 →『僕のコートニー・ラブについて』 「失恋した時の歌。 恋愛における恋人との温度差について。」 →『東京サーモグラフィー』 の

        歌詞を書くことについて⑤完結編

          歌詞を書くことについて ①はじめに

          ①はじめに 俺はロマンチックな人間なんだ、バーニー。 夜、人の泣き声がしたら、「なんだろう?」と見にいく。 そんな事をしていたら、金にはならない。 気の利いた人間なら、窓を閉めて、 テレビの音を大きくするだけさ。 『長いお別れ』 フィリップ・マーロ ⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎ 『歌詞を書くことについて』 目次 ①【はじめに】 ②【入門編1】 ・テーマを決める ・タイトルとサブタイトル ・テーマをストックする ③【入門編2】 ・キーワードを見つける ・固有名詞は歌詞の奥

          歌詞を書くことについて ①はじめに

          未収録新曲 『春を呼ぶ人』

          春を呼ぶ人 赤い部屋の中 お香と汗の匂い 帰り道の カーディガンから 今日を感じてた ジンジャーエールでも 酔える夜がある あの日のフライヤー ベットでたまに眺めてる 会えなくなっても私は私よ マイクを通さない 君の声が恋しいよ 暮らす街が変わり 話す人も変わる 今聴いているアーティストじゃ 話題にはならない 君が書く曲は この季節を跨ぎ 君から離れた町にだって 春を呼んでくる 会えなくなっても私は私よ マイクを通さない 君の声が聞きたいよ 会えなくなっても 君

          The Drama Summer『海が見えた日に』

          『海が見えた日に』 本当のとこ 楽しい午後 可愛い人 痛い、ハート 赤いトンボ 夕暮れ並ぶシャドウ 「終わったもの」 優しい嘘 過剰な自己 愛、逃避行 アスファルトの花を枯らした舗装 海が見たい 海が見たくなるだろう? 怖いことは いつでもそう 忘れること 忘れたこと 影法師の あの人は今どこ? 逆らって何を得るの? 渋滞のインターと 公園でブランコ 星屑が光る 海が見たい 海が見たくなるだろう? 1人は辛い 1人が辛くなる事 愛のフィルなんだろう 海が見たい

          The Drama Summer『海が見えた日に』

          The Drama Summer『愛すべきher』

          『愛すべきher』 「花粉症の薬のせいかも」 歪んで見えた 私のアイコン 書いて消した 話したいこと 送れずまた 明日は月曜 君がいなきゃもうダメとか 言わないよう 頑張ってる マイクロフォン 通して会う都度 さすがに分かる 私とのこと 美化されていく あの日の浮雲 だけど卒業 ラストエピソード 君がいなきゃもうダメとか 言わないよう 頑張ってる これ以上は 知らないこと 私じゃない 隣にいる人 これから書く 君の女は 私よりもいい女であってよ 君がいなきゃもうダ

          The Drama Summer『若者たち』

          『若者たち』 彼は本当に損だ 言葉がいつでも強すぎた こめかみにショット 芯を貫いた 「優しさを定義したんだ。 思いやりからの愛だった。」 それでもなぜか 君は上の空 でもみんなどうして? アイラブユーとか言うの虚しくないんだろう? 出来損ない同士で 満たされないから体で繋がってるんだ 若い人たちはいいな 夢や理想を持っていた 「願えば叶う」とちゃんと言い切った 「月が綺麗な夜だ」 優しいだけでは意味すらない マスクしてるから?僕も上っ面 でもみんなどうして? ア

          The Drama Summer『オードリー2』

          『オードリー 2 』 あの夏をまだ覚えてる シーツに残る夜の跡も全部 夢の中 まだ歩いてる 君が流してた 歌がない曲も好きだった ホテルの窓は一面が星空だった ただロマンチックだね 誘い文句すら一言も浮かばなかった 溜めた湯船に顔を沈めたまま ノックの音が静かに廊下に響いた ああ、神様お願いね 館内着姿の君も悪くはなかった 唇にそっとビールの味がした あの夏をまだ覚えてる 並べて置いたルームキーも全部 夢の中 まだ歩いてる 君が流してた 歌がない曲も好きだった レー

          The Drama Summer『祈りの街』

          『祈りの街』 さらば街灯 はるばる来たぜ  祈りの街 胸ポケット 切符の角が 皮膚に刺さる 薄い上着 ボストンバッグ 汗が滲む重み 待合室で読んだ ブコウスキー 誰もいない 誰もいらないところへ行って 何もしない 何も知らないところへ行って どこでもない どこでもないどこかを探して ここまで来たんだよって 白い浜辺で呟いた 雨の堤防 景色が同じ 祈りの街 レンタカーの芳香剤が 爪に残る 安い香り チャンネル 局が分からないTV ユニットバス シャワー 水圧も弱い

          Permanent Collection『未成年への主張』

          未成年への主張 人身事故で本線が運休 月曜日なのにやるせない スクール鞄が残されたホームで いきなり見えた 怖い世界 「10代を捧げ、 電車止めたのが30分じゃ割合わない!」 明後日くらいに 僕が忘れてても 忙しいだけ ごめんなさい 道徳無視 束になっていこう 下方修正 さあ輪になっていこう 気楽にいこうね 「やるせないことが人生」なんて 言い聞かしたのはもう何回目? 100年以上の生涯を 諦めて ついに手を切って 『自分らしく生きてたい』なんて 今更 何を言ってんの?

          Permanent Collection『未成年への主張』

          Permanent Collection『泣くな、新栄』

          泣くな、新栄

カーテンなし 1K 
国道が近いせいか
家賃は意外に安かった
鍵はかけないで
眠るのが普通だった
1人きりじゃ怖いんだ

テレビ 見ているフリでいつも
バイト帰りの君を待っていた

青春時代があった
確かに僕にもあったんだ
思い出はいつも
目がくらむほどに 眩しかった

レジ前に立って
今月のタイムカード
ぼんやりと見つめていたんだ
「社会的底辺」
自覚はあるからどうか
何も言わないでくれないか?

22時上がりになった今日は
打ち上げだけ顔でも出すか

青春

          Permanent Collection『泣くな、新栄』

          Permanent Collection『K』

          K

夜の向こうへ 君が消えた
「ありがとう」さえ言えないまま
「今度またね」それきりなら
「ありがとう」って言えばよかった

夜の向こうへ 君が消えた
君以外は いつもの朝
「セブンスターって買えたのかな?」
帰り道でふと思った

離れてしまった体と心臓
血液の流れ 止めてもずっと
僕らは君を歌っている
寂しくなったら今すぐ来いよ
校舎のベンチで僕らは今日も
君との話で笑っている

夜の向こうへ 君が消えた
「ありがとう」さえ言えないまま
「今度またね」 約束した

今度ま

          Permanent Collection『Sunday』

          Sunday 泣き疲れて ついに眠ったようだった 「夢はきっと 楽しいイベントだったらな」 除光液が 夜を溶かしていく 理由がいつもお金になってきた イメージだって 歪んだ抽象画 爪をかじって 彼女はこう言った 「最後の最後で笑うには賢くなくちゃ」 耐え切れないほど生活感がした日曜 彼女のネイルを誰が剥がしたのか? 1人探して 今も探している 眠る前に 死ぬほど不安になってきた 「夢見るって こんなに難しかったのか」 電気消して 視界澱んでいく 向かい座っ

          Permanent Collection『クラブ、スペード、ダイヤモンド』

          クラブ、スペード、ダイヤモンド 俯瞰で見えるなら滑稽ね 私とあなたの関係も ボディクリームさえも無意味だね 乾いたことなんてないんだもん 52の 顔と嘘 手札にも 宿る魔法 クラブ、スペード、ダイヤモンド ハアト 隠したポーカーゲームね 「愛してる」はノーカウント マナー違反は次こそ罰金よ 目線すら合わない この距離で 何を言われてたって同じだよ 『危険な情事』さえも甘いよね 私もあなたもピンカートン 52の顔と嘘 テレビから雨の予報 クラブ、スペード、ダイヤモン

          Permanent Collection『クラブ、スペード、ダイヤモンド』